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クリスマス・ストーリー2010 四つの愛の物語

クリスマス・ストーリー2010 四つの愛の物語


発行: ハーレクイン
シリーズ: クリスマス・ストーリー
価格:1,000pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ニコラ・コーニック(Nicola Cornick)
 イギリスのヨークシャー生まれ。詩人の祖父の影響を受け、幼いころ歴史小説を読みふけり、入学したロンドン大学でも歴史を専攻した。卒業後、いくつかの大学で管理者として働いたあと、本格的に執筆活動を始める。現在は、夫と二匹の猫と暮らしている。  デイ・ラクレア(Day Leclaire)
 家族とともに、ノースカロライナ州東岸沖の小さな島、ハッテラス島に住む。毎年激しい嵐に襲われ、しばしば停電に悩まされながらも、それを補って余りある、美しい自然や楽しい釣り、そしてこの上なくすばらしい海の眺めに魅せられている。家族で飼う猫や、息子が飼うハムスターなどに囲まれ、にぎやかに暮らしている。  キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。  ナタリー・アンダーソン(Natalie Anderson)
 祖母の影響で十代のころからロマンス小説を愛し、ジョーゼット・ヘイヤーやアガサ・クリスティといった古典の間にミルズ・アンド・ブーン社の本をはさんでいた。ロンドンで働いた二年の間に夫と出会った。現在は故郷のニュージーランドに戻り、双子を含む四人の育児に追われながらも、ゴージャスな主人公たちが繰り広げるラブロマンスを夢想して過ごしている。

解説

◆『レディ・ラブレスを探して』―十九歳でアレックスと結婚したものの、すぐにメリセントは夫が自分との結婚を望んでいなかったことに気づいた。一家の領地の運営に夢中で妻を顧みない夫とのよそよそしい結婚生活は二年あまり続いた。だが、メリセントはついに耐えかね、大喧嘩の末に飛びだしてしまい……。

◆『いたずらな天使』―クリスマスイブなのに、キャリーは朝から不運続き。勤め先からは解雇を言い渡され、住居の管理人からは一カ月後の部屋の明け渡しを宣告されたのだ。さらに突然部屋を訪ねてきた老婦人が、玄関先に大きな箱を置いていく。なんと箱の中には生後三カ月くらいの赤ん坊がいた!

◆『聖夜は億万長者と』―カロは夫ジェイクの不貞を確信して身重のまま家を出ると、一人でマヨルカ島に渡って娘を産んだ。そして今、生後六カ月になる娘を連れて、唯一の肉親である弟とクリスマスを過ごすため、ヒースロー空港に降り立った。ところが、彼女を出迎えたのは、誰あろうジェイクだった。

◆『恋に落ちた十二月』―会議の開催されるホテルへ向かう途中、ジェーンは凍った道ですべり、泥まみれになった。着替えに提供された部屋へと急いだが、部屋の番号を間違えてしまう。部屋から途方もなく魅力的な男性が現れ、ジェーンは心を奪われた。その男性――ライアンが新しいボスだとは知りもせず。

抄録

 アレックスは周囲を見まわした。この家のほかの部分と同じように、この部屋もがらんとしていて味もそっけもなく、家具調度はどれも傷だらけで古ぼけている。ふと見ると、サイドテーブルの引き出しから大型洋紙が何枚か顔をのぞかせている。アレックスはそれをひっぱりだし、おぼろな明かりにかざすと、軽い好奇心を感じながら、そこに記された文字に目を走らせた。
 “快楽の娘のさらなる冒険、レディ・ラブレス著……”
 レディ・ラブレスは刺激的な原稿をもっと注意深く隠しておくべきだな。アレックスは胸のなかでつぶやいた。もっともメリセントはちっとも官能小説家らしく見えない。こんなものを書いているとは、だれも思わないだろう。厚ぼったくてどっしりとした素材の冬着は、メリセントのまろやかな体の線をすっかり隠してしまっている。アレックスはその曲線をもう一度愛でたくてうずうずしている自分に気づいて驚いた。そして、あの豊かな栗色の髪。いまは無造作にひっつめられ、頭のてっぺんで不似合いにまとめられているが、ほどけば絹の反物のように広がって、アレックスのむきだしの胸をおおうだろう。記憶のなかの新妻そのままに、やわらかく、かぐわしく、しなやかな裸身をこの腕のなかに横たえているメリセントの姿態を思い浮かべると、下腹部が欲望でこわばった。ふたたび原稿に目を向ける。
 “やわらかな光沢をおびた真珠の首飾りが、淡い明かりのなかで輝いている。彼は女の胸のふくらみをなぞるように真珠をすべらせ、さらに下に移動させて、へそのあたりにわだかまらせた……”
 アレックスはメリセントへのクリスマスの贈り物として、真珠の首飾りを持ってきている。その真珠以外は何一つ身につけていないメリセントの姿が、くっきりと脳裏に焼きついた。透明感のある白い肌の上をすべるように動く真珠の連なり、官能の歓びが高まるにつれ、速まってくるメリセントの息づかい。やがて快感が頂点に達したときにその口からこぼれる切迫した小さな声……。
 “女はやわらかな降伏のうめき声をもらし、体を開いた。彼は女の脚をさらに大きく広げさせると、秘めやかな場所にそっと――”
 客間の戸口のあたりできしるような音がして、アレックスは文字どおり飛びあがった。手にした紙の束をあわててポケットに押しこむと、すわり方を変えて、下腹部の状態がなるべく目立たないようにする。
 メリセントが戸口に立っていた。野暮ったい晩餐用のドレスを着ている。ふと気づくと、アレックスはそのドレスを引き裂き、絨毯の上でメリセントと愛をかわしたいと思っていた。どうやらレディ・ラブレスの扇情的な文章が、頭のなかで猛威をふるっているらしい。アレックスは懸命に自分を抑えようとした。
 メリセントが軽く眉をひそめるようにして、彼を見た。
「ここはずいぶん暑いのね」
 わかっているとも。
「なんだか顔が赤いようだけど。熱っぽいんじゃなくて?」
 そのとおりだ。
「べつになんともないがね」
 アレックスは答えた。その声が妙にかすれているのに気づいて、 咳払いをする。
「食事の支度ができたわ」
 メリセントは、なおも気づかわしげな表情を浮かべたままで告げた。
「といっても、羊の肉と野菜だけなの。あいにく、この家にはあまり手のこんだ料理を食べる習慣がなくて……」
 メリセントはなおも料理について話しつづけていたが、アレックスはろくすっぽ聞いていなかった。その目はメリセントの唇が動くのを、食いいるように見つめていた。やわらかそうなピンク色の唇。あの唇を味わいたい。もう我慢できない。アレックスはたったの二歩で部屋を横切り、メリセントを抱きよせて唇を重ねた。
 それは熱く悩ましい、メリセントの小説を読んだ瞬間に脳裏に浮かんできた空想そのままの口づけだった。メリセントが喉の奥でたまらなく甘やかな降伏の声をたて、どうにでもしてほしいというふうにやわらかく身をあずけてくる。強く唇を押しつけると、メリセントの唇が開いてアレックスの舌を招きいれた。メリセントのにおいがふわりとアレックスを包みこむ。林檎と蜂蜜の香り。同じ香りがメリセントの肌からも髪からも立ちのぼり、とたんにアレックスは何も考えられなくなった。ただ欲望のままに深く口づけてメリセントの唇をむさぼり、所有欲をむきだしにして強引に舌に舌をからませる。
 晩餐の開始を告げる銅鑼の音が鳴りひびき、二人ははじかれたように体を離した。メリセントは息をはずませ、髪はくしゃくしゃだった。唇はやわらかく濡れ、大きく見開かれた瞳は情熱で黒ずんでいる。アレックスは欲望の鋭い穂先がまたしても体をつらぬくのを感じた。メリセントを抱きたいという欲望を、食事がすむまで抑えておけるかどうか心もとない。焼きすぎた羊の肉を無理やり胃に送りこまなくてはならないことを思って、こんなにもげっそりした気分になるのははじめてだ。だがその一方で、待ち時間はときとして媚薬にもなり得る。うまくやれば、食事の時間を利用してお互いの欲望をかきたてることができるかもしれない。アレックスはその思いつきが気に入った。なぜなら一つだけはっきりしていることがあるからだ。それは、自分には今夜、客用寝室を使うつもりはないということだった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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