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四つの愛のかけら

四つの愛のかけら


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・リード(Michelle Reid)
 1997年の日本デビュー以来たちまち人気を博し、ハーレクイン・ロマンスを代表する作家になる。五人きょうだいの末っ子として、マンチェスターで育った。現在は、仕事に忙しい夫と成人した二人の娘とともにチェシャーに住んでいる。読書とバレエが好きで、機会があればテニスも楽しむ。執筆を始めると、家族のことも忘れるほど熱中してしまうという。
 サンドラ・マートン(Sandra Marton)
 アメリカの作家。少女のころから書くことが大好きで、早くからラブストーリーを書いていた。ロマンス作家としてのデビューは一九八六年。その後次々と作品を発表している。
 トリッシュ・モーリ(Trish Morey)
 オーストラリア出身。初めて物語を作ったのは十一歳のとき。賞に応募するも、応募規定を誤ってしまい失格に。その挫折がもたらした影響は大きく、やがて彼女は会計士としての道を選ぶ。故郷アデレードからキャンベラに移り住んだとき、現在の夫と出会った。結婚し、四人の娘に恵まれ幸せな日々を送っていたが、夢をあきらめきれずもう一度小説家を目指すことに。数々の挫折を乗り越え、ついに自らの手で作家としての人生を切り開いた。今ではオーストラリアのロマンス作家協会で、副会長を務める。
 マギー・コックス(Maggie Cox)
 十歳のときに学校の先生から、あなたは必ず作家になると言われて以来、作家になることを夢見てきた。秘書職を得て結婚したのち、ついに夢を実現した今は、“決してあきらめなければ誰にでも夢を叶えることができる”と語る。母親として忙しい毎日を送っているが、あいた時間はドラマやロマンチックな映画を見て過ごすという。

解説

イギリスの大富豪バルフォア家主催の慈善舞踏会に、当主オスカーの姪であるメレディスは招待されていた。夫のアレッサンドロは仕事先のミラノから遅れて参加するという。ともに仕事を持つ夫婦として、二人は一緒に過ごす時間が少なく、喧嘩と仲直りをくり返す日々を送っているが、前の日に判明した妊娠の事実を、メレディスは夫に伝えたかった。ところが舞踏会の会場で、彼女は信じられない噂を耳にする。アレッサンドロの旧友とわたしが情事を重ねている、ですって!?確かにきのうの電話で、夫は機嫌がいいとは言えなかった……。――ミシェル・リード『愛のアリアを歌って』より
*本書に収録されている「愛のアリアを歌って」「別れを選んだ理由」は、既に配信されている作品と同作品となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 アレッサンドロ・フェレーラはミラノのアパートメントのソファに脚を投げ出して座り、平らなおなかの上にモルトウイスキーのグラスをのせて、険しい表情で目を閉じた。
 マリア・カラスの心を揺さぶるような歌声が流れている。その悲しい調べは今の彼の心境にぴったりだ。そばの低いテーブルに手紙が置いてある。封を切らなければよかった。この数週間、毒のある言葉をすでに何度か受け取っている。
 自分の心の弱さを思い、アレッサンドロは口元を引きつらせた。ビジネスの世界で駆使している意志の力をほんの少しでも使っていれば、こんなくだらない手紙は封を切らずに捨てただろうに。
 でも、心の強さと意志の強さは別だ。相手が妻となればなおさらだ。妻は赤毛で美しく、気が短く、独立心旺盛で、セクシーきわまりない。
 アレッサンドロはウイスキーをひと口飲んだ。
“シニョーラ・フェレーラはシニョール・バレンテと彼のロンドンのアパートメントで昼食をとっていました。はい、夕方までずっと一緒でした”
 一度だけ探偵を使ってみたところ、こんな不愉快な報告をされた。
“そうよ。イギリスのマーケティング・キャンペーンの件でいろいろ話し合っていたの”
 メレディスは夫アレッサンドロの問いにあっけらかんと答えた。
 四週間前にこの話をしたとき、妻は後ろめたいそぶりをまったく見せなかった。結婚してそろそろ一年になる妻は、夫の服を脱がせながら、彼の親友マルコと午後いっぱいかけて意見交換をしたと語った。
 その後間もなくシルクのようななめらかな肌を押しつけられ、熱いキスの雨を降らされて、アレッサンドロの疑念は吹き飛んだばかりか、妻の忠誠心を疑った自分を恥ずかしく思ったほどだった。
 なぜ妻とマルコの仲を疑ったりした?
 もともと二人は恋人同士だった。そこにアレッサンドロが割って入り、メレディスを妻にしたのだった。マルコはただの友人だと彼女は言った。仕事仲間にすぎない、と。だが、マルコはすぐには妻の言葉に同意しなかった。不愉快きわまりない手紙に目を通したとき、あのときのマルコの反応がふと思い出されたからだ。
 アレッサンドロは再びグラスを傾けた。妻はまだロンドンに滞在し、キャンペーンの最後の仕上げをしている。この二週間、妻とは一度しか会っていない。一緒に暮らせないのは誰のせいかと言って喧嘩し、仲直りし、愛を確かめ合い、そしてまた喧嘩して、彼はミラノへと戻った。それが五日前だった。今日は妻に頭を下げてでも仲直りしようと思っていた。この手紙が届くまでは。
 さて、どうしたものか?

 慌ててバスルームから飛び出したメレディスは、寝そべっている巨大な黒いむく犬につまずきそうになった。
「いつもドア口にいなければ気がすまないの、マット?」
 犬は黙って飼い主を見つめている。メレディスは携帯電話を手にすると、アレッサンドロの番号にかけ、ベッドの端に腰を下ろした。
 喜ぶべきか、頭を抱えるべきか。とにかくアレッサンドロがなんと言うか聞きたい。判断はそれからよ。
「|もしもし《チヤオ》」
「アレッサンドロ、わたしよ」メレディスははじかれたように立ち上がった。
「わかっている。用件は?」
 きつい口調で言われ、彼女は遅まきながら先日の喧嘩のことを思い出した。妻が仕事を減らさないのが夫にはおもしろくなく、何度か喧嘩している。輝く魅力の持ち主である夫は傲慢で、自分のことしか考えない甘やかされたイタリア人だ。人生のすべてを自分でコントロールしたがっている。問題は、妻の人生までコントロールしようとしている点だった。
「まだ怒っているのね」
「べつに怒っちゃいない」
「だったらなぜそんな言い方をするの?」
「悪かった。もう遅い時間だし、仕事をしていたんでね」
 メレディスは再びベッドの端に座った。ショックで浮き足だっていたのが、今や穴のあいた風船のようだ。とても話を切り出せるような雰囲気ではない。彼女は握りしめている白いプラスチック製の器具を見つめた。細長い液晶画面に判定結果がはっきり表示されている。
 妊娠四週間から五週間。
 こみ上げてくる嗚咽をこらえつつ、メレディスはほかの用件はないかと考えた。
 このまま電話を切ってしまいたくないでしょう? 頭の中でかすかな声がした。
「明日何時に会えるかと思って」それしか思いつけなかった。
「明日?」アレッサンドロはテーブルに置いたいまいましい手紙を見つめていた。言葉が出てこない。
「どうしたの? 酔っぱらっているんじゃない? バルフォア家の慈善舞踏会は明日でしょう。すてきなドレスも用意したのよ。それで……出かける前にあなたに話したいことがあるの。とても大切なことなの」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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