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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

情熱のカウントダウン

情熱のカウントダウン


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェイミー・デントン(Jamie Ann Denton)
 南カリフォルニアに生まれ、現在は夫と息子とともにノース・ダコタに在住。ペットにあらいぐまとラブラドール・レトリバーを飼っている。料理やガーデニングが好きで、フラワーアレンジメントも楽しむ。チャールズ・チャップリンの“笑いのない一日はつまらない”がモットー。

 キャリー・アレクサンダー(Carrie Alexander)
 幼いころからものを作ることが好きで、作家になる前はパートタイムで図書館に勤めながら、芸術家としても活動していた。室内装飾に並々ならぬ興味があり、その思いは作品中に登場する家などにも反映されている。ミシガン州在住。

 ナンシー・ウォレン(Nancy Warren)
 セクシーかつユーモラスな作品を描き数々の賞を受賞している人気作家で、USAトゥデイやウォールデンブックスのベストセラーリストにも登場する。英文学の学位を持つ彼女は現在、女性を喜ばせるすばらしい腕前と女性のニーズに対する敏感さを併せ持つヒーロー、そして夢をかなえるためには闘いを恐れないヒロインを日々生み出している。

解説

●『黒いミュール』(ジェイミー・デントン著)去年の大晦日、ナタリーは壮麗な邸宅で開かれた仮面舞踏会でジョーという魅力的な男性と出会った。二人の間に特別な何かがあると思ったのもつかの間、彼は突然姿を消してナタリーを置き去りにした。そして今、一年ぶりに再会し、話しかけてきたジョーを前に、彼女は復讐を決意する。一緒に過ごすのは今夜だけ。そのあとは……もう二度と会わない。

●『リボンのサンダル』(キャリー・アレクサンダー著)イザベルにはトムというすてきな友人がいた。二人はメールでしか互いのことを知らなかったが、少し前から彼はしきりにイザベルに会いたがるようになっていた。もし顔を合わせてトムを好きになったりしたら、この関係は間違いなくだめになる。つらい生い立ちのせいで自分に価値を見出せないイザベルは、絶対に会うつもりはないと彼に告げるが……。

●『真っ赤なサンダル』(ナンシー・ウォレン著)ひそかに思いを寄せてきたレイフから退屈な人間だとほのめかされ、アリアナは彼が間違っていることを証明しようと決意した。それにはまず何か大胆なことをしなければ。レイフが主催する仮面舞踏会で、アリアナはパートナーをとっかえひっかえしながら誘惑するように踊り続けた。するとレイフが不機嫌そうに割りこんできて、彼女を独占し始めた。

抄録

「こっちだよ」二階に着くと、ジョーはソファーが置かれた例のアルコーブとは反対のほうに廊下を進み、重そうな木のドアの前でようやく立ちどまった。
 ナタリーは優美なまわり縁や壁紙に目をやった。この廊下だけで彼女のアパートメントがまるごと入ってなお空間があまりそうな広さだ。「こんなところに立ち入ってはまずいんじゃない?」
 ジョーはアンティークの真鍮のドアノブに手をかけた。「ぼくはいまここで寝泊まりしてるんだ」
「あら。家族ぐるみのつきあいだったの?」ナタリーは驚いた。彼女はレイフとは仕事のうえでのつきあいしかない。それは去年〈モンティセロ・シューズ〉とライセンス契約を結んだファブリック・デザイナーのイザベルも同じだし、会計士のアリアナも同様だろう。もっともさっきアリアナが帰っていったときの様子からすると、彼女とレイフのあいだには仕事を越えた何かがあるように見うけられるが。
「レイフとは大学がいっしょだったんだ」ナタリーのためにドアをあけながら、ジョーは言った。
 ハーバードの|経営学修士号《MBA》は安くは手に入らない。つまりジョー・セバスチャンはナタリーとは別世界の人間ということだ。ナタリーはいまでこそ高級住宅街に住んでいるが、子どものころには|移動住宅《トレーラー》で暮らしていたのだ。それに酒飲みの父親と暮らす娘には、富裕層の人々が生活する区域で遊ぶことなど許されなかった。まあかえってよかったのかもしれない、とナタリーは心につぶやきながら、ジョーのあけたドアから寝室に入った。一夜かぎりの情事を永遠に続くおとぎばなしと混同しないようにするためには、階級や身分が違っていたほうがいい。
 広い寝室の内装は、この大邸宅にふさわしく豪華で重厚だった。壁の半分近くを占めている大理石の暖炉でちろちろと火が燃えている。おそらくイタリアから輸入したものだろう。ナタリーは厚いカーペットを踏んで暖炉に近づき、その上の新古典主義の絵画をしげしげと眺めた。彼女も知っているような有名な絵ではないけれど、ルネッサンス初期の本物の芸術作品であることは間違いないと思われた。
 ジョーをふりかえると、彼はプライバシーを確保するためドアをロックしていた。「あなた、アパートメントで暮らしているのだと言ってなかった?」
「アパートメントには少なくともあと一週間たたないと入れないんだ。それでルシアがここに泊まるよう言ってくれたんだよ」
「まあ」ナタリーは二脚の安楽椅子の向かいに置かれたつづれ織りのソファーの背に、そっと手を這わせた。「ニューヨークに来てどのくらいたつの?」
 ジョーはタキシードの上着を脱いで部屋の奥に進み、四柱式の大きなベッドの前で足をとめた。ベッドの天蓋からはサファイア色のベルベットの布が優雅にさがっている。
 ナタリーはソファーをまわりこみ、安楽椅子の後ろに立った。ジョーとのあいだにある、火花が散りそうに張りつめた空気をなんとか解きほぐし、激しい動悸をしずめたかった。彼と二人きりになって、神経がぴりぴりしているのだ。
 ジョーは黒いサテンのカマーバンドをはずし、それを上着といっしょにソファーの端にかけた。「二カ月だ」意味深長なまなざしでナタリーを見る。
 なるほど、それで最初の十カ月間連絡ひとつよこさなかった理由はわかったけれど、そもそも何も言わずに待ちぼうけをくわせたのは許されることではない。べつにどうでもいいけれど、とナタリーは心の中で続けた。彼女がこうして二階に来たのは、へたな言い訳を聞くためではないのだ。
 ジョーはボウタイをゆるめ、糊のきいた白いシャツのいちばん上のボタンをはずした。「いったいいつまで見知らぬ同士のふりを続けるつもりなんだい?」
 ナタリーの手からフェンディのイブニング・バッグが床に落ちた。だが彼女は拾おうともせず、浅くなった息を無理して整えながら椅子の背につかまった。「誰がふりなんてしているの?」屈託のない口調を心がけても、どうしても声がうわずってしまう。
 ジョーは彼女を見つめながらゆっくりと近づいてきた。「きみだよ」そう言いながら、ソファーの手前で立ちどまる。
 ナタリーは逃げだしたいのをこらえ、しいてその場に踏みとどまった。「わたしがあなたを知らないのは事実よ」椅子の背をつかんでいる手にいっそう力がこもる。「いっしょにシャンパンを飲んだから? 何回かキスをしたから? その程度では相手を知ったことにはならないわ」
 だが、ナタリーは彼を知ったつもりになっていた。少なくとも一年前のあのひそやかな至福のひとときには。あのときはとうとう自分にぴったりの王子さまが見つかったと思ったのだ。あとになって、彼もやはりただの蛙だったと思い知らされたが。
 ジョーは長い脚で二人のあいだの距離を縮め、後ろからナタリーのヒップに手をすべらせた。とたんに彼女の脈が最高級カメラのシャッター・スピードよりも速くなった。
「ぼくたちがしたのはキスだけじゃなかった」熱い息でナタリーの耳をくすぐりながら、ジョーは言った。
 それだけでは彼女が身を震わせるには至らなかったとしても、耳たぶにそっと歯を立てられ、さらに首筋をついばまれると、ナタリーは彼の足もとにへなへなとくずおれそうになった。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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