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摩天楼に隠した秘密 黒い城の億万長者 IV

摩天楼に隠した秘密 黒い城の億万長者 IV


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア黒い城の億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

宿命の再会、ふたたび燃える情熱――そして冷酷な億万長者は我が子と対面した。

ある晩、夜道で目にした人影に、イザベラは愕然とした。漆黒の闇から現れた、銀色の瞳の悪魔――あなたは、リチャード! 8年前、イザベラを誘惑しもてあそんで、無惨に捨てた男性だ。想いは封印したはずなのに、彼の瞳に射貫かれると、もう抵抗できない。イザベラは摩天楼のペントハウスで彼に組み敷かれ、激しい愛に溺れた。ところが、その直後、彼は非情にも言い放った。「今すぐアメリカから出ていってくれ。これは過去の関係の清算だ」そんな、いったいどうして……? 混乱したイザベラはその場を逃げ出す。しかし翌日、仕事を終え帰宅すると、そこにはリチャードがいた。彼との別れののち、ひそかに産み育ててきた息子の隣に……。

■ついに完結! O・ゲイツの4部作〈黒い城の億万長者〉最終話です。思いがけない再会に驚き不安を隠せないイザベラを尻目に、彼女の家族にまで忍び寄るリチャード。冷徹無比の彼が我が子の存在を知ったとき、彼の心に宿るのは愛? それとも……?

抄録

「そう言いつつ、きみはあの男と別れている」
「というより、命からがら逃げ出したのよ」
「ぼくと一緒に逃げればよかったんだ」
「そうかしら? 一緒に逃げたとしても、あなたはいずれわたしに飽きたはずだわ。あなたがバートンを破滅に追いこむことに失敗する可能性もあった。バートンを敵にまわしたあげく、あなたにも捨てられたら、わたしはどうなるの?」
「ぼくは失敗などしない。それに、必ずきみを守るとあのとき誓ったはずだ」
「わたしが命の危険にさらされたのは、あなたを信じなかった報いだと言いたいの? 正体を偽り、隠された意図を持って近づいてきたあなたを信じられると思う?」
「バートンの共犯者であるきみにすべてを明かすわけがないじゃないか」
「あら、わたしを共犯者に格上げしてくれたの? この話が終わるころには、わたしが主犯になっているんじゃないかしら」
「ぼくは情に流されるタイプの男じゃない。ぼくの真の目的に気づいたきみがバートンのもとへ走る可能性も考慮に入れていた。ぼくを売りわたせば、バートンに大きな貸しができるからな。結局、ぼくの予想どおりの展開になった」
「どういう意味?」
「ぼくに選択を迫られたきみは、権力者である夫のもとにとどまった。ぼくはきみの贅沢な暮らしをおびやかす存在でしかなかったんだ。だからといって、きみを責めるつもりはない。きみは正しい選択をくだしたつもりで致命的なミスを犯した。だが、それはきみの無実の証明にはならない」
 イザベラは反論したくてもできなかった。
「あなたはすべてお見通しってわけ?」
「そのとおり」
「自分が書いたシナリオどおりに事が運んだのみならず、わたしと情事にふけっていい思いもできて、さぞ楽しかったでしょうね?」
「否定はしない」リチャードが肩をすくめ、燃えるような目で彼女を見た。「もっと正確に言うなら、きみとの情事は最高にすばらしかった」
「そ……そう?」
「ああ。きみはいまだかつて経験したことのない歓びをぼくに与えてくれた」
 そんな言いかたをされたら、わたしは……。イザベラは頭がくらくらした。
 八年前にふたりが分かち合ったものは偽りではなかったのかもしれない。そう考えると、救われたような気がした。
「だからこそ、きみの正直な気持ちが知りたいんだ」
 イザベラの胸が激しくとどろきはじめた。
「八年前の歓びをもう一度分かち合える日を待ち望んでいたと言ってくれ。目を閉じるたび、ふたりで愛を交わしているシーンが脳裏に浮かぶと……」
 隠しきれない欲望がこめられたリチャードの言葉が、彼女の体を熱くした。
 でも、ここであっさりリチャードに体を許すわけにはいかない。絶対に。
「わたしが何も言わなければどうなるの?」
 魅惑的な瞳が細められ、セクシーな唇がゆがんだ。
「ぼくを挑発しているのかい? 本心を隠したまま、おいしいところだけ持っていこうとしても無駄だ。きみが正直に言わなければ、ぼくは何もしない。抱いてほしければ、ぼくがほしくてたまらないと言うんだ。それがいやなら……帰ってくれ」
 イザベラは“あなたなんか地獄へ堕ちればいいのよ”と言いたくても言えなかった。
 なぜなら、本心では彼を求めているからだ。
 イザベラは抵抗を放棄して彼のネクタイを片手に巻きつけ、自分のほうへぐいと引き寄せた。
 といっても、手が震えてあまり力は出なかった。自分から動く気がなければ、リチャードの体はびくともしなかっただろう。
 彼はイザベラの行動を明確な意思表示と受けとったらしく、すんなりと彼女に身を寄せた。
 リチャードの熱い吐息がイザベラの唇にかかる。「さあ、自分に正直になるんだ」
 震える声でイザベラは言った。「あなたがほしい」
「ひとことでは不充分だ。イザベラ、胸の内をぶちまけろ」
 リチャードはわたしの魂を引きずり出さなければ満足できないらしい。八年前のように。
 イザベラはあとで悔やむことになると知りつつ、胸に秘めた思いを吐き出した。「この八年、あなたが恋しくて恋しくてたまらなかったわ」
 リチャードが満足げな表情を浮かべ、彼女の手にからみついたネクタイをゆっくりとほどいた。それからすっと後ろへさがり、プールサイドに置かれた大きなソファに腰をおろす。
 彼はそのままゆったりとソファの背に寄りかかり、イザベラを差しまねいた。
「本当にぼくがほしいなら、その証拠を見せてくれ」
 不本意ながら、イザベラは何かに引きずられるようにソファに歩み寄った。
 ふたりの膝がぶつかったとき、彼女の体は八年間積もりつもった思いに押しつぶされるようにリチャードのほうへ倒れこんだ。震える両手がたくましい肩をとらえ、彼の腰に馬乗りになった彼女のドレスの裾が太ももまでずりあがった。リチャードがそんな彼女を満足げに見つめている。イザベラはたまらずに彼と唇を重ねた。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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