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愛を知らない花婿 誘惑された花嫁 III【ハーレクイン・セレクト版】

愛を知らない花婿 誘惑された花嫁 III【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト誘惑された花嫁
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マヤ・バンクス(Maya Banks)
 幼いころからロマンスを愛読し、作家になることを夢見ていた。十代になると毎日ノートを持ち歩き、想像のふくらむまま過激な愛と情熱の物語を書き続けるようになる。現在の話はそのときのものほど過激ではないが、ロマンティックという点では引けを取らない。現在は夫と三人の子供とともにテキサスで暮らしている。狩猟や釣り、ポーカーを好む。

解説

若き億万長者デヴォン・カーターから、夢のようにロマンチックなディナーでプロポーズされ、アシュリーは天にも昇るようなここちだった。最愛の人に巡り合うまで大切に守ってきた純潔を捧げ、わたしは世界でいちばん幸せな花嫁だと信じて疑わなかった。
デヴォンにとっては、まことに都合のいいことだった。世間知らずなアシュリーを愛しているふりをするのはたやすい。彼女はベッドでの相性も悪くない。結婚相手としては充分だろう。アシュリーの父親との合併条件をクリアしたデヴォンは、ディナーの予約と指輪を手配し、まんまと政略結婚にこぎ着けた。

■セクシーで冷酷な実業家ヒーローにすっかり騙されてしまった無垢な花嫁。ハネムーンでその衝撃的な事実を知ったヒロインは……。M・バンクスの大人気ミニシリーズ〈誘惑された花嫁〉もいよいよ後半。次回最終回はキャムのロマンスです。

*本書は、ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 数分後、アシュリーはけげんそうな顔をして、デヴォンの住む高層アパートメントを見あげた。
「あなたの家ね」
 すなおな感想に、デヴォンは笑った。「そのとおりさ。さあ、おいで、ディナーが待ってる」
 ふたりは開かれたドアから入り、待っていたエレベーターに乗りこんだ。エレベーターは最上階まで音もなく舞いあがり、デヴォンの部屋の前で止まった。すべてが指示どおり整っているのを確認して、デヴォンは満足した。
 照明はロマンチックに落とされ、ゆるやかなジャズが流れ、ニューヨークの街を見おろす窓辺のテーブルには、ふたり分の食事の用意がしてある。
「デヴォン、なにもかも完璧だわ!」
 アシュリーはまたもやデヴォンの腕に飛びこみ、彼よりも立派で誠実な男にふさわしい、心のこもったハグをした。こうして抱きしめられるたび、デヴォンはいつも胸に奇妙な痛みをおぼえる。
 抱擁から抜けだすと、デヴォンはアシュリーをテーブルに案内した。椅子を引いてやり、ワインのボトルからふたり分のグラスに注ぐ。
「まだ熱々じゃない!」アシュリーは目の前の皿に触れた。「どうやってやったの?」
 デヴォンはにやりとした。「魔法の力かな」
「あなたが魔法で料理できるって説、すごく気に入ったわ」
「迎えに行くあいだに、人に頼んでおいたんだよ」
 アシュリーは顔をしかめた。「古風なのね、デヴォン。部屋で過ごすつもりなら、わざわざ迎えに来なくてもよかったのに。わたしはタクシーに乗ってくればいいんだもの」
「男なら自分の女に尽くし、あらゆる要求に応えて当然だ。きみの送迎役をつとめるのは、ぼくにとってこのうえない喜びなんだよ」
 キャンドルの明かりに照らされたアシュリーの頬がぽっと染まり、新車のキーでも手渡されたかのように瞳がきらめいた。
「わたし、そうなの?」かすれた声。
 デヴォンはワイングラスを置いて首をかしげた。「きみがなんだって?」
「あなたの女」
「ああ」デヴォンは静かに言った。「夜が明ける前に、きみはあらゆる意味でぼくのものになる」
 アシュリーの体はぞくりと震えた。こんなせりふをささやかれたら、食事どころじゃないわ。デヴォンがいまにも飛びかかりそうな目でわたしを見つめているのに。
 デヴォンの瞳は最高に魅力的。何色かときかれたら、茶色だけど、琥珀のようなあたたかい色みだ。太陽のもとでは金色に光り、こうしてキャンドルの光に照らされると、ピューマの瞳みたいに見える。アシュリーは追いつめられた獲物になったような気がしたが、それは恐怖とはほど遠い、甘美な感覚だった。デヴォンが関係を一歩すすめてくれるのを、アシュリーは首を長くして待っていたのだ。
 つきあいはじめてからのデヴォンは、ずっと紳士そのものだった。キスも最初のうちは軽く触れるだけ。それはしだいに情熱的になり、強く、激しく、独占欲の強い、生のデヴォンがかいま見えるようになってきた……。
「食べないのかい?」デヴォンがたずねた。
 食事どころではない心境のアシュリーは、エビをフォークに刺してソースをつけ、のろのろと持ちあげた。
「ひょっとして、ベジタリアンなのか?」
 デヴォンの困った顔を見て、アシュリーは思わずくすりと笑った。
「ベジタリアンだったら、とっくにそう言ってるわ。動物保護の活動をしてると、お肉全般を食べないと思われがちなのよね」
 ほっとゆるんだデヴォンの顔を見て、アシュリーはまたくすくす笑った。
「わたしは鳥肉を食べるし、魚も食べるわ。豚は大好きとは言えないし、子牛肉やフォアグラみたいな高級食材も苦手だけど」
 アシュリーは肩をすくめた。
「そういえば、アヒルのレバーなんて料理もあるのよね。ぞっとしちゃうわ」
 デヴォンが笑った。「あんなにうまいのに。試したこともないのかい?」
 アシュリーは顔をしかめた。「まさか。内臓を食べること自体、信じられないのに」
「じゃあ牛のタンもだめかな」
「やめて、想像しただけで気持ち悪くなっちゃう」
「内臓料理は出さないように、きみの好みはメモしておこう」デヴォンはまじめくさって言った。
 アシュリーはにっこりした。「ねえ、デヴォン、あなたってみんなが言うほどのかたぶつじゃないのね。冗談だって言えるもの」
 デヴォンは片方の眉をつりあげた。「ぼくがかたぶつだって、だれが言ってたんだ?」
 口をすべらせたことに気づいたアシュリーは、場を取りつくろうためにエビをもう一匹口に運んだ。
「だれでもないわ」もごもごと言う。「忘れて」
「ぼくとの交際をだれかに反対されてるのか?」
 デヴォンの声が急に緊張し、アシュリーの胸は不安でちくりと痛んだ。
「わたしの家族よ。ちょっと過保護なの。ううん、だいぶ過保護かも」
「きみの家族が?」
 そんなに驚かなくてもいいのに。わたしの家族に気に入られていると信じきっていたのかしら?


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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