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公爵と見る十日間の夢

公爵と見る十日間の夢


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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解説

RITA賞受賞作家が贈る、華麗なる英国社交界ロマンス。愛なき結婚をした二人の、10日間の賭けの行方。

エディーは社交界で、“夫に捨てられた公爵夫人”と噂されている。それもそのはず、夫マルグレーブ公爵は結婚後すぐに異国に行き、5年もの間それっきり。そもそも美しさとは縁遠いエディーが見目麗しい公爵と結婚できたのは、彼女が裕福な家の出で、一方の公爵は高貴な血筋ながら多額の借金を抱えていたからなのだ。だが、愛なき結婚であろうと、社交界で陰口を叩かれようと、エディーは一人きりの生活に満足していた。そんなある日、突然公爵が英国に戻ってきた。戸惑うエディーに彼は、跡継ぎが欲しくなったのだと言い出し……。

■人気ヒストリカル作家ローラ・リー・ガークがお届けするのは、『侯爵を結婚させる方法』の関連作。前作にも登場し、結婚仲介人のヒロインに「最大の失敗」と言わしめた男女が今回の主人公です。
傷ついて渡英してきたアメリカ人令嬢エディーとチャーミングでモテモテ、でも借金まみれの公爵。二度と会わない約束で、二人が愛なき結婚を誓ったのは5年前のこと。以来、公爵は遠い異国へ。エディーは「捨てられた公爵夫人」と噂されながら、ひとり地所を管理する日々。互いに満足な取引に思えたものの、大けがを負った公爵が突然帰国し、妻にやり直したいと告げたことから事態は一変します。突然のことに戸惑う彼女に、公爵はある賭を持ちかけ……。RITA賞受賞作家が贈る切なさといとおしさが胸いっぱいに広がる恋物語をお楽しみください!

抄録

 彼女の返事はあいまいだったが、少なくとも別の男の幽霊と戦う必要はなくなったことがわかって安堵した。「まだ心が傷ついているということかい?」
「ずたずたになったの」後ずさりしたエディーはキャビネットの端に尻をぶつけ、顔をしかめた。グラスとデカンタがカチャカチャ音をたてる。「ぼろぼろよ。もう二度と……誰かを愛したりはしない。絶対に」
「絶対に?」スチュアートは彼女の顔をじっと見つめた。不思議なことに、まだ自分にもチャンスは残っている気がした。顔にショックと後悔のような表情をかすかに浮かべているが、いっぽうでそれ以外の感情も垣間見える。「なるほど。つまり、きみは手袋を投げ捨てたということか」
「どういう意味?」
「一人前の男なら、そんな言葉を黙って聞いてなどいられない」スチュアートは、挑むような彼女の目をじっと見つめた。「きみに僕を求めさせてみせる」
 エディーは目を細めた。「女性に自分を欲しいと言わせてやる、自分にはそれができる、そう思っている男性は大勢いるわ。中にはそのやり方に問題のある人もいるわね」
「きみは僕がそういう類の男だと思っているのかい?」
「わからないわ」
「わかっているはずだ。エディー、僕たちは結婚式を挙げてから一カ月一緒に暮らした。だが、一度だって不名誉な行いはしなかった。多くの男は、式を挙げたあとは夫婦の権利を行使することを選んだだろう。事前にどんな約束をしていたとしてもだ。だが、僕は違った。そうだろう?」
「ええ」エディーはようやく言った。
「そうだ。僕は根っからの紳士なんだ。だが、さっきも言ったように、決して簡単なことじゃなかった。とりわけ、テラスで過ごしたあの午後は。僕は、キュウリのサンドイッチを食べるよりもきみを奪いたかった」
 エディーはじっと彼を見つめていた。きっとあの日のことなど忘れてしまったのだろう。だがそのとき、彼女の頬が薄いピンク色に染まった。やはりいつのことか、わかっているのだ。ふたたび希望が湧いてきた。
「覚えているんだね?」身を寄せてささやいた。「きみの笑顔を見て、目覚めたときにその笑顔が見られたらいい、と言った――」
「何のことかしら。わからないわ」エディーが遮った。
 嘘だ。スチュアートは顔がにやけるのを止められなかった。「きみはわかっている。僕と一緒に朝を迎えるのも悪くはないと思っていたはずだ」
「そうかしら? 私の記憶では、あなたをすぐに黙らせたと思うけど」
「じゃあ、やっぱり覚えているんだね?」
「私があなたの提案を歓迎しなかったことくらいは、よ」エディーはそう言ったが、その間にも彼女の頬は紅潮していき、彼から目を離すことができなくなっていた。
「そんなはずはない。きみは心の中では望んでいた。それを認める心の準備ができていなかっただけだ。もしかしたら、自分自身に対しても認められなかったんじゃないかな」
「大した想像力だこと」エディーはスチュアートの襟を見つめながら言った。「作家になろうと思ったことはないの? 物語を創作するのがとても上手なようだから」
「これは創作なのか? それとも、何か都合の悪い事実を思い出させているとでも?」
「都合の悪い事実というのは、あなたが受け入れられないでいることよ」エディーは顔をあげて、彼を見つめた。「私はあなたなど欲しくはない。五年前も同じ。よく覚えてはいないけど。そして将来もそんなことにはならない」
 スチュアートは肩をすくめた。「もしきみの言葉が本当なら、試してみてもかまわないよね? きみが何と言おうと、きみは僕にいくらかの魅了を感じているはずだ。そして僕はそれを証明できると思っている」
「いったい、どうやって証明するというの?」
 スチュアートは彼女の淡いピンク色の唇をちらりと見やった。「キスがいいかな」
 エディーは目を細めた。「私にキスをしようものなら、そのにやけた顔をひっぱたいてあげるから」
「待ってくれ、エディー。違うよ。きみが僕にキスをしたくなるように仕向けてみせるんだ」
 それを聞いたエディーは、いかにも愉快そうに笑った。皮肉にも、心から笑っているようだった。「それで、どれくらい時間をかければそんな奇跡を起こせると思うの?」
 スチュアートは考えた。彼女は一年どころか、半年でもうんとは言わないだろう。「一カ月かな?」
「十日」エディーが出し抜けに言った。「十日あげるわ」
「十日?」思いがけない展開だったが、その期間の短さにはさすがに異を唱えずにはいられなかった。「エディー、いくらなんでもそれじゃあ博打も同然だ」
「明日から数えてあと十日で、次のニューヨーク行きの船がリバプールを出港するの。私はそれに乗るつもり。もう切符も買ってあるわ」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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