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華麗なる英国レディの恋

華麗なる英国レディの恋


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 エリザベス・ロールズ(Elizabeth Rolls)
 イギリスのケント生まれ。父の都合で幼少期を過ごしたオーストラリアのメルボルン、パプア・ニューギニアの生活が執筆に興味を抱くきっかけとなった。ニューサウスウェールズ大学では音楽学を専攻し、音楽教師も経験。現在はメルボルンで夫と犬、猫と暮らしている。

 マーガレット・ムーア(Margaret Moore)
 俳優エロール・フリンに憧れ、『スター・トレック』のミスター・スポックに恋をした少女は、やがて謎めいた魅力的な悪漢をヒーローに仕立てたロマンス小説を書くことに夢中になった。カナダのオンタリオ州スカボローに夫と二人の子供、二匹の猫と暮らしている。読書と裁縫が趣味。

 デボラ・ヘイル(Deborah Hale)
 子どものころ、デボラは同郷カナダのL・M・モンゴメリーの作品をむさぼり読んだ。お気に入りは『アンの娘リラ』と『丘の家のジェーン』だという。学校の作文コンテストでもらった賞品がウィンストン・チャーチルの本で、それが歴史への興味を駆りたてた。一九九七年にアメリカ・ロマンス作家協会のゴールデン・ハート賞を受賞、翌年には米ハーレクイン社からデビューし、以来、数々の作品を発表している。ラテン語で“新しいスコットランド”という意味のノバ・スコシアに、夫と四人の子どもたちと共に住む。

 ジュリア・ジャスティス(Julia Justiss)
 小学三年生のときから物語を書きはじめ、大学では詩集を出版し、卒業後は保険会社やチュニジアのアメリカ大使館で編集者として働いていた。海軍士官の夫について十二年のあいだに七回の引っ越しを経験したあと、現在は米テキサス州東部のパイニー・ウッズに落ち着き、高校でフランス語を教えている。1997年にアメリカロマンス作家協会ゴールデン・ハート賞を受賞。夫と三人の子供、二匹の犬とジョージアン・スタイルの屋敷に住む。

解説

『拝啓、子爵さま』■子爵の称号を持つイヴリンは、6年前に過ちを犯した。親友の妹であるラヴデイと、情熱に任せて関係を持ってしまったのだ。身分差のある二人が結ばれるはずもなく、以来、ラヴデイたち兄妹とは絶縁状態にある。そんなある日、親友から手紙が送られてきた。

『すれ違いの求婚劇』■シャーロットはパーティ会場でキスをしている男女に遭遇するが、その男性が亡き婚約者に瓜二つで息をのむ。彼こそ長らくイングランドを離れていた、亡き婚約者の双子の弟ジェームズだった。なぜか敵意をむきだしにしてくるジェームズに、彼女は困惑するが……。

『仮面舞踏会の魔法』■シルヴィーとウェストは昔なじみで、双方の親から結婚を期待されている。ウェストは魅力的だし大切な存在だが、シルヴィーは周囲に決められた縁談ではなく、本物の愛にめぐりあいたいと思っていた。そのため、長年向けられてきた彼の熱い視線には気づかず……。

『君にすべてを捧ぐ』■中尉ブライアンは幼なじみの戦死を知らされた。その妻オードラも幼なじみで、ブライアンはひそかに彼女を10代の頃から愛していた。駆けつけた葬儀の席で、夫の遺した借金のせいで途方に暮れるオードラを見て、ブライアンは彼女を守るためにある決意をする。
*本書に収録されている『拝啓、子爵さま』、『君にすべてを捧ぐ』は、既に配信されている作品と同作品となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ドアが開いたとき、そこにラヴデイがいるのを見て、イヴリンは心からほっとした。無意識のうちに緊張していたらしく、一気にそれが解けて呆然とした。彼女が霧のように消える記憶がどこかに刻まれていて、もうそこにはいないと予想していたのか……だが、ラヴデイはそこにいた。
 「こんにちは、子爵さま。絵の用意はできているわ。馬車に運ぶお手伝いをしましょうか?」
 まったく、イヴリンと呼べ!
 ラヴデイとは最初からファーストネームで呼びあう仲だった。だがその友情を踏みにじったのは自分だし、彼女がそれを思い知らせるようなふるまいをするのも当然だった。何年も前のあのとき、二人のあいだの大きな隔たりをきちんと認識しておくべきだったのだ。
 「いや」イヴリンは背後にいる従僕を身振りで示した。「手は足りている」ラヴデイはぼくに一刻も早くここを立ち去ってほしいのだ。彼女を責めることはできない。「邪魔者はすぐに退散するさ」イヴリンは自分の声の冷ややかさに、内心顔をしかめたい気分になった。
 ラヴデイがひるんだように見えたのは一瞬だった。「ありがとう」そう返事をすると、きびすを返した。凝っているのか、彼女が肩を小刻みに動かすのを見て、駆け寄ってその細い腕を揉みほぐしてやりたい衝動に駆られた。二人きりなら本当にそうしたかもしれない。イヴリンは小声で悪態をつき、背後に控える従僕のほうを向いた。
 二人は、ヤードの住人たちに監視されながら絵を馬車に運んだ。
 戻るつもりはなかったのだ。だが、いざ絵を運び終えると、イヴリンは御者をひとり残して引き返していた。もちろん、代金は銀行の口座に振りこんだ旨をラヴデイに言い忘れていたからだ。それだけ伝えたらすぐに立ち去ろう。
 階段を駆けあがると、ドアは開いていた。彼は眉をひそめた。閉めておくのが普通なのに。いずれにしても、許可なく部屋に入るのははばかられ、ノックをしようと手を持ちあげた。そのとき宙で手が止まった。
 ラヴデイはこちらに背を向けていた。だがテレビン油の匂いがしたので、何をしているのかすぐにわかった。筆を洗っているのだ。彼女がその作業をするところを、いままで何度見ただろう?
 「ラヴデイ?」
 彼女があわててさっとこちらを振り返った。まだ筆を握っている。
 「もう……帰ったのだとばかり思ってたわ」
 「挨拶もせずに?」本当はその挨拶だけのつもりだったのだ。なごやかに会話をして終わるはずだったのに、結局、ぎこちない口調になった。「代金は銀行の口座に入っていると伝え忘れていたから」
 「でも、値段の交渉もしてないわ」
 「一枚五十ポンドだと言っただろう?」
 ラヴデイは彼をまじまじと見た。
 「昨日あなたが選んだ三枚についてはね。だけど――」
 「それも含め、ぼくは二十作品を購入した。だから千ポンド入金した」
 ラヴデイが筆を取り落とし、たちまちその頬が真っ赤になった。「それではもらいすぎよ! とくに……」彼女の声が小さくなって消え、顔がみるみる青ざめた。「ライオネルの作品としては、出来がよくないものも交じってるわ」
 イヴリンはうなずいた。「たしかに。何枚かは彼の昔の作品だ」彼は身をかがめて筆を拾った。「作風も以前のものだ。山景の一枚や、きみの肖像画は」
 以前って、いつの前のこと?
 「だがほかの作品は……たとえば、あの海の風景画」イヴリンは息を吸いこんだ。「ラヴデイ、ライオネルに何があったんだ? 彼の何かが変わった」
 二人の目が合い、ラヴデイは自分が溺れているみたいな気がした。いつもそうだったように、彼の瞳のどこまでも深いブルーにどんどん沈んでいく。イヴリンはいつでも違和感に気づく。そうわかっていた。理由がはっきり特定できなかったとしても。
 「毎日がいろいろな出来事の積み重ねよ。人は変わるわ、イヴリン。ただそれだけ」ラヴデイは筆を受け取ろうと手を差しだした。
 人はたしかに変わる。そして、彼女は真実を語らないことで嘘をついた。
 イヴリンから渡された絵筆を落としそうになりながらも手に取り、涙を隠すため彼に背を向けた。小さく悪態をつく声がして、イヴリンの両腕が彼女の背中をたくましく居心地のいい胸に抱き寄せる。彼の指がラヴデイの手に重なり、絵筆をそっと、たらいに置かせた。
 だめよ、こんなこと。いま体を包む熱と力強さはせいぜい一瞬のことだし、最悪の場合まぼろしかもしれない。彼は私とは住む世界が違う。六年前には気づかなかったとしても、いまはもう知っている。身を引くべきだとわかっていた。やっと身につけた常識が消えてしまう前に。それなのに、彼女は動かなかった。
 イヴリンの全身がラヴデイにぴったりくっついて、寒気を追い払ってくれた。頬が髪に押しつけられ、耳に温かな息がかかる。熱がゆっくり染みこんでくるにつれ、鼓動が速くなる。昔と同じだった。彼にやさしくされてわれを忘れ、つい手を伸ばして彼の顎に不器用にキスをしたのだ。
 ラヴデイは記憶の扉を開けた。突然のキスに驚いたイヴリン。やがて彼の目に欲望の影が兆し、ラヴデイを抱き寄せて、キスとはどういうものか教えた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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