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すれ違いのクリスマス 20 アンバー・コート IV 4A号室

すれ違いのクリスマス 20 アンバー・コート IV 4A号室


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア20 アンバー・コート
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 アン・マリー・ウィンストン(Anne Marie Winston)
 ベストセラー作家で、“ロマンス小説界のオスカー賞”ともいわれるRITA賞の最終候補者にもなった経歴を持つ。赤ん坊やあらゆるタイプの動物、これから開花しようとするものすべてを愛し、執筆活動以外の時間は、子供たちの運転手や読書をして過ごす。ちょっとした刺激ですぐに踊りだしてしまう陽気な性格。庭の手入れは、雑草で太陽が見えなくなってからするという。

解説

孤児として育ち、本当の家族の温かさを知らないシルヴィは、勤め先の会社を愛し、同僚たちを家族のように思っていた。だがそこへ、その大切な宝物を握りつぶそうとする男が現れた。会社を、同僚たちを守るため、彼女は行動を起こすことにした。無理は承知。それでも、誰かがやらなくては! 
意を決して株主の集まる会議室に押しかけ、敵に向かって異議を申し立てた。しかし、そこには、想像していたような怪物はおらず、彼女の目を釘づけにするひとりの男性が立っていた。胸の中で辛うじて繋がっている勇気の糸が揺らいだ。端整な顔に浮かぶ不敵な笑みと、彼女を眺め回す目に、シルヴィは身動きがとれなくなった。そして、近づいてきた彼に腕をつかまれても抵抗できず、無情にも、会議室からつまみだされてしまった! 

抄録

 シルヴィは驚いた様子で、後悔に目を曇らせた。「ごめんなさい。失礼なことを言ってしまったわ」
「謝罪を受け入れよう」マーカスはシルヴィの額にキスした。「つぐないにキスしてくれる?」
 彼女はぱっと笑顔になり、えくぼが輝いた。「あなたってかなりしつこいわね」
 マーカスは重々しくうなずいた。「それはぼくの長所のひとつだ」
「キスはだめ。特に人目があるところでは」
「希望をくれたね。人目のない場所でだったら?」
 シルヴィは答えず、彼をにらむまねをした。彼は笑い声をあげ、彼女の手をとってダンスフロアから連れだした。
「そろそろ出ようか」
「ええ」シルヴィは腕時計に目をやった。「でも、あなたと深い関係になろうと思ってじゃないわよ。あした仕事があるからよ」
 忍び笑いしながら、マーカスは彼女のコートをクロークで受けとり、着せかけてあげた。
〈アンバー・コート〉に着くと、マーカスは部屋までシルヴィを送った。階段をのぼりながら、彼女が自分と距離を置き、食事やダンスのあいだはなかった壁を張りめぐらせているのを感じた。
 シルヴィはバッグから鍵を出したあとドアの前で足を止め、彼をふり返った。「とてもすてきな夜をありがとう」目と目が合ったが、彼女の笑顔は社交的なもので、マーカスはひどく腹が立った。ふたりのあいだで化学反応と呼ばれるようなことが起きたのを彼女も感じているくせに。
 彼は少しシルヴィにつめ寄った。彼女はわずかに目を見ひらいたが、平静を保っていた。「あしたの夜も一緒に出かけないか?」
 彼女は深く息を吸った。「それはよくないんじゃないかしら。あなたはわたしの勤め先をひとのみにしようとしている会社の経営者で――」
「また会いたいんだ」マーカスはさえぎって言った。「きみもぼくに会いたいはずだ。違うかい?」
 シルヴィはためらっていた。「わたし……」
 マーカスは彼女の唇に指をあてた。そのやわらかで官能的な唇のなかに指を差し入れそうになるのを、意志の力で抑えた。「嘘はなしだ」
「嘘をつくつもりはないわ」彼女はマーカスの指を唇にあてたまま言った。「でも、混同するのはよくないと思うの。ビジネスと……」
「ビジネスなんてどうでもいい」マーカスはシルヴィを引き寄せ、同時に彼女の唇を求めた。
 シルヴィが一度短く声をあげ、体をこわばらせたのをマーカスは感じとったが、キスしながら両手で背中をなでると、彼女はリラックスし、優しく吸いつくような、もっととせがむようなキスを返しはじめた。自分の唇の下でシルヴィの唇が動く感触はひどくエロチックで、マーカスは舌を入れてもっと奥の感じやすい部分をさぐりたくてたまらなかった。しかし、まだ唇をひらいていない彼女をおびえさせたくなかった。洗練された冷静さと子供のような純真さが奇妙にまじり合っている彼女のキスに、マーカスは驚いた。もっと経験があると思っていたのだ。
 ふたりはコートを着たままだったが、建物のなかが暖かいのでボタンははずしていた。マーカスは、シルヴィのほっそりした体が彼のふくらんだジッパー部分をこするように、重いコートの前を広げた。そして大胆にもその部分をシルヴィの体に押しつけ、彼女が彼に及ぼしている影響を感じさせようとした。
 するとシルヴィは、うろたえた声をあげて体を引き、目を見ひらいた。マーカスは彼女の背中を両手でさすりながら放すまいとしたが、彼女は彼の胸を手で押しやった。「ビジネスライクなキスとは思えなかったが」
「でも、賢明とも思えなかったわ」シルヴィが言い返し、マーカスは思わずにっこりした。悔しいが、こんなときでも彼女は頭の回転が速い。
 やがてシルヴィはため息をつき、片手でマーカスの顎に触れた。
 考えるより先に、彼は彼女のてのひらに舌をはわせ、情熱的なキスをした。「イエスと言ってくれ」彼女のやわらかなてのひらにささやいた。「あしたの夜、ぼくとデートしよう」
 シルヴィが長いあいだためらっていたので、マーカスは再び説得しようとしはじめた。彼女の手をとり、その親指の腹から手首へと唇をはわせていく。そこは激しく脈打っていた。
 やがて彼女の低いため息が聞こえた。異を唱える言葉は、宙に漂いだして永遠に消えてしまったようだった。「イエス」彼女はささやいた。
 マーカスはうれしさに飛び上がって彼女を連れ去ってしまいたかった。だが、かわりに彼は彼女のふっくらした唇にすばやくもう一度キスして言った。「七時に迎えに来る。服装はカジュアルで」
「どこに行くの?」
「服装はカジュアルで」マーカスはくり返した。そして、もう一度彼女を味わいたいという衝動に負けないうちに背を向けた。
「マーカス?」シルヴィの声は妙に緊張していた。「あなたまさか……あした〈コレット〉をどうかするつもりじゃないわよね?」
 一日計画を先延ばししてもたいしたことはない。「ない」マーカスはこともなげに言った。「あしたは何も起こらないと約束する」
 しかし、アパートメントの階段を下りながら、彼はまだ続いている官能的な輝きのなかに、小さな陰りがひそんでいるのに気づいていた。シルヴィは、〈コレット〉と引きかえに自分自身を差しだそうとしているのだ。だが、彼女の値打ちは〈コレット〉よりはるかに高い。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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