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日本SFこてん古典1

日本SFこてん古典1


発行: 集英社
シリーズ: 日本SFこてん古典
価格:730pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 横田 順彌(よこた じゅんや)
 一九四五年、佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒。子供の頃からSFに熱中。高校時代に古書店で押川春浪『海底軍艦』に出会い、古典SFの収蒐・研究を開始する。同人誌「SF倶楽部」を主宰して創作・評論を発表していたが、「友よ、明日を…」(SFマガジン71年3月)以降、本格的な作家活動に入る。ナンセンスとギャグに満ちた新分野・ハチャハチャSFを開拓、代表作に『宇宙ゴミ大戦争』『対人カメレオン症』など多数。73〜80年、SFマガジン連載の『日本SFこてん古典』(全三巻)で古典SF研究にも先鞭をつけ、87年の『快男児 押川春浪』(會津信吾氏と共著)で第9回日本SF大賞を受賞した。88年、明治SF『火星人類の逆襲』を発表。以後、明治ものを中心に幅広い活動を続けている。

解説

 SF史に残る金字塔! 新たな視点から再構成した途方もないナンセンスとイマジネーションの系譜。


 明治、大正、昭和のわれらが父っちゃま、爺っちゃま、曾祖父っちゃま世代のお歴々の妄想、わやく、破天荒、ロマン、ハチャハチャぶりをやさしく面白く紹介する、豊富な資料満載の画期的な日本SF史。

目次

第1回 理科読本 炭素太功記
第2回 日本SF第一号とその周辺
第3回 おとぎ歌舞伎とSF詩
第4回 日本月世界旅行譚
第5回 日本かく戦えり!
第6回 続・日本かく戦えり!
第7回 ノンSFこてん古典
第8回 明治の三大冒険雑誌
第9回 えす・えふ版草双紙
第10回 すぺーすおぺら・いん・じゃぱん
第11回 たいむましん・いん・じゃぱん
第12回 『西遊記』と『東遊記』
第13回 日本古典SF『大予言』
第14回 “をのこ草紙”珍騒動
第15回 明治前期のSFブーム
第16回 ナポレオン一世日本に死す
第17回 明治のSFと政治小説
第18回 日本SFの祖・押川春浪のこと
第19回 秀吉、地獄を征服す
第20回 破滅がいっぱい
あとがき
編集註釈

抄録

 ところで、ぼくは日本古典SFのことを書く以外には能のない人間だ。したがって、これまでにも、あちこちに古典SFのことを書いてきた。気にいった作品については、発表の場を変えて二回も三回も書いたことがある。けれども、今回ここで紹介する『理科読本 炭素太功記』という本は、いままで題名にすら触れたことがない。理由はふたつあって、ひとつはこの本がSFであるかどうかという点。もつひとつはこれが、あまりにもぼく好みのハチャハチャな内容なのでなまじっかな舞台では書きたくなかったということ。しかし、《日本SFこてん古典》の巻頭なら紹介の場としては最高だ。『炭素太功記』のデビューにはこれ以上の舞台はない。きっと著者も満足してくれるにちがいない。
 まず、一ページ目を開いてみよう。実物を手にした人なら、もうここでギクリとする。なぜなら、いきなりおかしなカラー口絵が目の中にとびこんでくるからだ。お・か・し・な・といってもヌードやポルノではない。千生(せんなり)ビョウタンを持った武将の上空を、如意棒を持った猿が雲に乗って飛んでいる絵で、タイトルに「炭吉(すみよし)と尊者」と書いてある。理科読本になんで孫悟空がでてくるのだろう? という疑問が第一に生じる。次に炭・吉・というのは秀吉のまちがいではないだろうか? と考える。ここで、この本の題名『炭素太功記』というのを思いだすことができれば、次のショックが少なくてすむ。だが、ぼくのように炭吉は秀吉の誤植だろう程度の安易な考えしか持たずに次のページをめくった人間は、作者自身の「序」なる一文を読んで、階段から転げ落ちんばかりにあせるはめになる。

                 *

         序
   登場人物
    炭吉     =幼名金剛石丸、後に太閤炭吉。
    加藤酸素   =炭吉の家臣、正しくは加藤酸素之助清正。
    福島水素   =炭吉の家臣、正しくは福島水素松正則。
    竹中窒素之兵衛=炭吉の客分で、其の参謀長。

 豊臣秀吉は人界独歩の英雄である。炭素は物界抜群の偉彩である。若し炭素に人間の意気を吹き込んだならば、将に此の書にある炭吉の如くなるべしとの筆者の想像のもとに、太閤記に因んで本書を著はした次第である。此の一書秀吉の英姿も偲ばれるし、炭素の偉功も学ばれることと信じて疑はぬ。

                 *

 ぼくも、SFに限らず本は一般の人よりはたくさん読んでいるつもりだが、理科の学習参考書に登・場・人・物・が紹介してある本をみたのはこれがはじめてだ。
 まあ、それにしても炭素を擬人化して豊臣秀吉にあてはめるというのは驚くべき着想ではないか。この著者、後世に名は残っていないようだが、ひょっとしたら、アインシュタインと同じくらい偉い人なのかもしれない。
 なにはともあれ、物語の発端の部分、金剛石丸誕生の一席をとくとお読みいただこう。

本の情報

形式

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