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さらわれし花嫁 ハイランダーブライド

さらわれし花嫁 ハイランダーブライド


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks シリーズ: ハイランダーブライド
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

荒涼たるハイランドの地に、情熱がほとばしる――。USAトゥデイベストセラー作家、ゲイル・カレン登場。

1727年英国。伯父の邸宅に滞在中のリオナはある晩眠っていたところ、突然 大きな手に口をふさがれ、部屋から連れ出されてしまう。侵入者の正体はスコットランドのマッカラム一族氏族長ヒュー・マッカラム。遠い昔に交わされた親同士の契約によって、彼と伯父の娘は結婚することになっているのだという。リオナは、自分はあなたの許嫁ではない、ただのいとこで人違いだと何度も訴えるが、彼は聞く耳を持たない。果たしてリオナはハイランドの地へさらわれた――たくましい腕に抱かれ、気品漂うその横顔をなす術もなく見つめながら。

■ゲイル・カレンは日本初紹介のUSAトゥデイベストセラー作家。ホルト・メダリオン、ローレル・リース・アワード、ブックセラーズ・ベスト・アワード……といった数々の賞を受賞し、その本は10カ国語以上に翻訳されています。本作はなんとヒロインのリオナが、ハイランドからやってきた族長ヒューに拉致される場面から始まり、いっきに心つかまれてしまうこと間違いなし。自分をさらい、しかもいくら人違いだと言っても耳を貸さない憎らしい相手ながら、ヒューの高潔な男らしさにやがて惹かれていき……。まさに波瀾万丈、これぞ王道とも言うべき、極上ロマンスです。

抄録

「他人に運命を握られた状況で孤立している女性にしては、好奇心が旺盛すぎるんじゃないか?」
「そうね、運命を握られていることはわかっている――この二週間ずっとそうだったでしょう? あなたは私を怖がらせ、圧倒し、私とはなんのかかわりもない場所まで強引に連れてきた。だけど、今ここでは私にも権力がある。だから教えてほしいの」
「自ら僕の妻になりたいと望む女性になら、答えよう」
「そもそも、そんなことも知らずに妻になろうと思う女性がいる?」
「手づまりのようだな」
 マッカラムが立ち上がり、バスタブの端まで近づいてきた。石鹸の泡では完全に体を隠しきれない。だが、リオナは怖がっていると思われるのにはうんざりだった。そこで肩を怒らせ、彼の冷たい視線に挑もうとした。
 マッカラムは髪を洗い流すために置いてあったバケツを、リオナの頭上に掲げた。
「マッカラム――」
「頭を後ろに傾けるんだ。目に石鹸が入ったらいやだろう」
「マッカラム!」
 だが、やめる気配はない。リオナが息を止めて頭を後ろに傾けると、マッカラムの楽しげな視線とリオナの憤慨した視線がぶつかった。湯が髪を伝ってバスタブに流れこむ。マッカラムが視線を落とした。もしかして髪だけでなく、体の泡まで洗い流されているのではないだろうか。
 不安を感じたリオナは両手で胸を覆った。「早く終わらせて!」
 マッカラムがようやく流し終わり、リオナは頭を下げた。またしても優位に立たれてしまった。まだ見つめられている気がしてリオナが目を開けると、マッカラムはしゃがみこんでいて、視線が同じ高さにあった。湯が顔から流れ落ち、リオナはすばやくまばたきをした。
「君はここで権力があると思ってるのかもしれないが」マッカラムの声はかすれていた。「それは僕しだいだ。そうしたければ引っかきまわしてくれてもかまわないけれど、僕はすべて対処してみせる。なぜなら僕は氏族長で、婚約の意味も、この結婚の重要性もよく理解してるからだ。君の父親が僕を裏切ろうとしたとき、自ら行動を起こせと励ましてくれた者たちが大勢いる」
 それは父ではなく伯父なのだと、あえて否定はしなかった。どうせマッカラムは聞く耳を持たない。彼の激しさと一族の情熱を間近で感じて、リオナは言葉が出てこなかった。感じていた怒りが失望に変わり、やがて興味を引かれた。誰かにこんなにも荒々しく感情を揺さぶられたことなどない。ふたりのあいだに火花を散らせるような、自分の手に負えないこんな感情を抱きたくなかった。マッカラムの言うとおりだ。私たちは今日じゅうにも結婚するかもしれない。マッカラムがそうすると決めたら、私に拒否できるだろうか? あるいは私が拒否する間もなく、彼は望むものを手に入れるのだろうか? 
 リオナは身震いした。湯冷めしたからではない。ふたりのあいだにはなにか強い力が働いていると気づいて恐ろしくなったのだ。リオナを呼び覚ますなにか、そして単なる身勝手さからではなく、危険を冒してまでリオナをさらうなにかが。彼女の中に、これまで感じたことのなかった無謀さと弱さがあった。
「ずいぶんおとなしくなったな」マッカラムがつぶやいた。
 マッカラムの視線がゆっくりとリオナの顔から胸元へと移っていった。泡立つバスタブの表面から、胸の上部のふくらみが見えている。リオナの肌が……敏感に反応し、かっと熱くなった。
「まだ戦いは終わっていないわ」ようやく言葉が出てきたが、自分自身のかすれた声にひるみそうになった。
 マッカラムはゆっくりと笑みを浮かべて口の端をゆがめると、片手でリオナの顔を包みこみ、自分のほうへ向けた。リオナはそっと触れたマッカラムの手のぬくもりに驚いて緊張したが、顔をそむけはしなかった。彼に降伏したかのように、なにをされるのか……どんな気持ちにさせられるのかと恐れているかのように。
 マッカラムはバスタブに身を乗り出すと、リオナの頭に置いた手で彼女を導き、キスをした。リオナはマッカラムに、なにも感じない、たいしたことではないと思わせたかった。だが彼の唇は温かく、リオナの唇の上でそれ自身が意志を持つかのように動いている。マッカラムがリオナを味わいたいとばかりにそっと唇を開いた。初めてのキス……。頭がくらくらして、興奮が体じゅうを駆け巡る。胸、みぞおち、そして秘められた部分に触れられたかのように両腿のあいだを。
 彼の舌が上唇に触れた瞬間、リオナは驚いてすばやく体を引いた。だがマッカラムは笑わずに、とても温かい灰色の瞳でリオナをじっと見つめているだけだった。リオナの顔に手を置き、親指で何度も頬をさする。
「僕たちの初めてのキスは、いい未来を予感させたな」
 ふたたび胸元を見られて、リオナは体をこわばらせた。マッカラムはかすかに微笑むと、リオナを放して立ち上がった。
「体を拭くんだ」リオナに命じた。「話し合うことがある」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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