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ダンシング・ラブ【MIRA文庫版】

ダンシング・ラブ【MIRA文庫版】


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンダ・ハワード(Linda Howard)
 数々の受賞歴を誇る、世界中で大人気の作家。栄えあるNYタイムズやUSAトゥデイのベストセラーリストにもしばしば顔を出す。読むにしろ書くにしろ、本は彼女の人生において重要な役割を果たしているという。読み始めはマーガレット・ミッチェルの作品。それ以後、広く読書に熱中するようになった。少女のころから書くことが好きだったリンダの作家デビューは三十歳のとき。現在はアメリカの作家大会や授賞式の席に常連の人気作家で、サイン会にもひっぱりだこである。とりわけ、彼女の描くヒーローが魅力的だというファンが多い。現在、生まれ故郷のアラバマ州に夫とともに住んでいる。

解説

赦されぬ愛に焦がれ、溺れゆく、男と女。ロマンス界に君臨するリンダ・ハワード、不朽の名作復刻。

米国南部にその名を轟かすブラックストーン家。跡を継ぐはずだった夫を亡くしてからも、スーザンは貞淑な未亡人として家業に、そして家族に尽くしてきた。あるパーティの夜、ふいに訪れた惑わすような瞳の男に誘われるがまま、情熱的なダンスをする。夫の死後、初めて心を乱されたのもつかの間、スーザンは男の正体を知って凍りついた。過去に問題を起こし、勘当された夫の従兄コード――一族への復讐を誓う彼の帰郷により、波瀾の日々が幕を開けた。

■リンダ・ハワードの不朽の名作を復刻。豪奢な屋敷で繰り広げられる男と女の愛の行方をご堪能ください。

*本書は、MIRA文庫から既に配信されている作品のカバー替え版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 コードが音をたててマグをマントルピースに置く。思わずスーザンは、かれを見上げた。「もう一杯いかが?」
「いや」そういってから、静かにつけ加える。「ありがとう」
 この行儀のよい言葉は、かれが沈黙を破ろうとしている合図だ。スーザンは気持ちを引き締めてマグを脇へ置くと、平静な声でいった。「山の借地権のことで話しあいたいのね?」
 コードはその言葉に、スーザンが勇気を奮い、かれを追い出そうとしていることを読み取った。かれは一瞬のうちに彼女の手を取り、立ち上がらせて抱きしめた。あまりの素早さに、スーザンは呆然とした。ウエストを左手で抱きかかえられ、あごを右手で押さえられて顔を上向きにさせられた。かれの瞳には、男の欲望がありありと映しだされ、彼女はぞっとして身ぶるいした。
 かれにおびえていたわけではなかった。ただ、体内を駆けめぐる興奮は、恐ろしさと紙一重だった。ゆったりとしたくつろぎは、この一瞬の行動によって崩れ去った。かれの手が触れたとたん、鼓動が倍の速さになる。かれに傷つけられることは怖くなかった。怖いのは、意に反してかれに強く惹かれてしまう自分自身だった。コードが顔を近づけてくると、スーザンは、かれの胸に手を当てて止めようとした。
「やめて」唇が触れあいそうになったその瞬間、スーザンは顔をそむけた。コードの唇が頬に触れる。かれは、手に力を入れてスーザンの顔を戻し、抱きしめた。だが、彼女の唇を封じようとはせず、耳に唇を近づけ、耳たぶを噛んだ。スーザンは息を詰まらせ、逆らうことも忘れた。温かい唇が首筋を這い、オープンカラーを押しのけ、柔らかで滑らかな鎖骨のくぼみを見つけだす。素肌を舌が這う。スーザンの呼吸が激しくなった。「コード、だめ」うずくようなぬくもりが、唇の押し当てられた部分から勢いよく全身に広がり、スーザンは最後の理性を働かせて必死に抵抗した。だが、彼女の力ではとうていかれを押しのけることはできなかった。胸や肩を覆いつくす強靱な筋肉、野生の動物のような強さを思い知らされただけだった。
「ハニー、だめなんていわないでくれ」コードは肩に向かってつぶやくと、首にキスした。舌が触れるたびに快感が走り、スーザンは指が食いこむほど強く肩をつかんだ。コードがとうとう頭を上げ、彼女の顔に覆いかぶさってくる。ふたりの唇が触れあうほど近づき、息が混じりあう。「キスするんだ」コードが強制する。その声は荒く、瞳ははっきりと欲望を伝えている。
 コードの腕のなかでスーザンのからだはふるえ、肉体は熱くうずいた。だが、肉体がかれを求めれば同じだけ、頭のなかで警鐘が鳴り響く。かれの瞳は、冷酷にも情熱的にも見える。からだは彼女に応えて燃えているが、この行為はあらかじめ計算されていたように思える。かれは、触れるだけで彼女がどうなるのか、正確に読んでいるのだ。そのことに気がついて、スーザンは恐ろしくなった。いますぐやめさせなければ、逆らえなくなるだろう。まだ、彼女の肩にキスしただけなのに、もうかれのからだが十分かたくなり、筋肉が張りつめているのがスーザンにはわかった。かれは彼女を焼きつくそうとする炎だった。スーザンはそんなかれからどうやって逃れればいいのかわからず、おびえた。
「だめ、できない――」スーザンは口を開いたが、コードの思うつぼにはまっただけだった。コードの口がスーザンの口をふさぐ。そのとたん、スーザンは力が抜け、逆らおうとする理性を裏切って、からだが即座に求めていった。唇が開いてかれの舌を迎え入れ、腕が首に巻きつき、指が豊かな髪にからみつく。キスはひどく荒々しかった。スーザンは、コードの炎がもう消せないほど勢いを増してきたことを強く感じて、自らも燃えた。コードにますます強く抱きしめられても、抗わなかった。
 警告は、かれの男らしさのまえでは無意味でしかなく、粉々に砕け散ってしまった。五年間貞淑を守ってきたからだに激しい興奮が攻めよせ、頭のなかは乱れ、からだはぐるぐると渦巻いているようだった。
 男のキスがセックスと同じ行為であり、はじまりであるということに、スーザンは初めて気がついた。ゆっくりと奥に入ったり引いたりする舌の動きは、彼女を狂わんばかりの欲望にふるわせる。スーザンが夢中で爪先立ちになってしがみつくと、コードはすかさず応えて手をヒップに滑り下ろし、指を食いこませてさらに高く彼女を持ち上げた。まるで裸で抱きあっているようだった。低いうめき声が、こだまのようにふるえながら響く。それが自分の口からもれたと知って、スーザンは強いショックを受けた。
 だめ。はじめのうちは、頭のなかでぼんやりと拒絶しているにすぎなかったが、それは、確実に脳の一部にまで達していった。かれは気軽に女と寝られるのだろうが、自分にはとてもそんなことはできない。かれにとっては、一時の快楽でしかなく、すぐに忘れてしまうのだろう。だが、スーザンは女だ。からだを許すまえに、心を許したいと思う。かれに激しく魅せられながらも、まだ、心までは奪われていなかった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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