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日本SFこてん古典2

日本SFこてん古典2


発行: 集英社
シリーズ: 日本SFこてん古典
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 横田 順彌(よこた じゅんや)
 一九四五年、佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒。子供の頃からSFに熱中。高校時代に古書店で押川春浪『海底軍艦』に出会い、古典SFの収蒐・研究を開始する。同人誌「SF倶楽部」を主宰して創作・評論を発表していたが、「友よ、明日を…」(SFマガジン71年3月)以降、本格的な作家活動に入る。ナンセンスとギャグに満ちた新分野・ハチャハチャSFを開拓、代表作に『宇宙ゴミ大戦争』『対人カメレオン症』など多数。73〜80年、SFマガジン連載の『日本SFこてん古典』(全三巻)で古典SF研究にも先鞭をつけ、87年の『快男児 押川春浪』(會津信吾氏と共著)で第9回日本SF大賞を受賞した。88年、明治SF『火星人類の逆襲』を発表。以後、明治ものを中心に幅広い活動を続けている。

解説

 軽妙な文体と豊富な引用。日本SFの源流を辿る!


 荒唐無稽な物語に熱中したのは明治の人も、大正の人も同じこと。奔放な想像力とナンセンス精神で、抱腹絶倒珍無類の作品を次々発掘し、日本SFの源流を辿る待望の第2巻。

目次

第21回 ひろいっく・ふぁんたじい『緑人の魔都』
第22回 大正時代のSF
第23回 なぜか昭和二九年のSF
第24回 『少年少女科学小説選集』との出会い
第25回 〈新青年〉と〈科学画報〉
第26回 日本男児火星へ行く
第27回 曾呂利新左衛門の秘密
第28回 太平洋戦争うらがえ史
第29回 海野十三の世界、その一
第30回 海野十三の世界、その二
第31回 海野十三の世界、その三
第32回 古典SFハチャハチャ漫画
第33回 ふたつの古典SF新資料
第34回 飛行機美人と飛行艇博士
第35回 昭和初期のSF界の動き
第36回 明治人の描いた『百年後の日本』
第37回 幻のSF作家 蘭郁二郎
第38回 軍事科学作家 平田晋策
第39回 続・明治人の描いた『百年後の日本』
第40回 城昌幸の功績

抄録

 残る一冊は、『猿飛佐助月世界へ』の描かれた翌昭和二三年(一九四八年)、まひる書房より刊行された『野獣の城』。作者はさし絵画家の霜野二一彦。“怪人魔”というシリーズものの一冊で、この作品のほかには『夜の怪人魔』というのがあるが、これは未見。
 マンガというより、絵物語なのだが、これが、またすごい。大ハチャハチャで、いかにも、この《こてん古典》向きなのだ。

                 *

 荒れ野の高原の山頂(さんちよう)にそびえ立つ、だんがいぜつぺきの一角に、ひどく荒れはてたゴンゴルダの古城があった。
 「あーッ、あれが野獣の城だッ!」
 高原を通りすぎる旅の人々は、こう叫びつゝ、なぜか恐しさにふるえるのであつた。

                 *

 これは第一ページの文章だが、これを読んだだけで、たいていの人は負けてしまう。「負けないぞ」という人は、もう一度このお城のある場所というのをよく確めてほしい。高原の山頂で、しかもだんがいぜっぺきの一角というのだからあせるではないか。さらにすごいのは、通りすぎる旅人たちが、叫びつつ、恐しさにふるえるという描写。ぼくは、なにも城を見ただけで叫ぶ必要はないと思うのだ。ふるえるのは、かまわないけど……。

                 *

 この国の城主ゴンゴルダ王は、血も涙もなく、ただ戦争とりやくだつを唯一(ゆいいつ)のうりものにして、人民をその苦しみのどん底へ落し入れ、ひとり、えいがを誇(ほこ)つていた。
    (中略)
 しかし、神は常に正義の上にあつた。
 まもなくして、彼ゴンゴルダ王は、自から築いたこの呪いの城で、あえなくも狂い死にをしたのであつた。
 だが、その死にぎわに、彼ゴンゴルダ王は、初めて涙を流して人間らしい気持に立ちかえり、――人恋し、母恋し! と泣き叫んだと伝えられる。
 いま、その泣き叫ぶゴンゴルダ王の声が、三千年もすぎた今日、この頂上にそそり立つ古城の中から、不気味(ぶきみ)に、しかもきまつて夜の明け方に聞えてくるという。
 まるで信じられぬおそろしい真実なのだ。

                 *

 ま、それほど恐しくはないが、たしかにまったく信じられないような真実ではある。やがて物語にふたりの準主人公が登場する。美しいお姉さんと、盲目の弟だ。
 ところが、登場すると同時に、ふたりはいかにも作り話のように別れ別れになる。弟は呪(のろ)いの城のなに者かによって連れ去られ、続いて姉のところにも城から呪いの矢というのが飛んできて「城に来い!」と書いてあるのだ。そこで、しようがないからエミールという美人の姉がエンヤコラとだんがいぜっぺきを登っていくと、そこに、先に連れ去られた弟のマリックがいる。なぜ、一緒に連れ去らなかったのか? わて、わかりまへん。

本の情報

形式

【XMDF形式】

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