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和書>小説・ノンフィクション>恋愛小説>ロマンス小説

解説
いとこのネイトが殺されたのは三カ月前のことだった。殺害現場は親友の営む修理工場、犯人はいまだに捕まっていない。ジェニーは真相を探るため、ネイトの親友ディロンの工場を訪れた。学校中の女生徒が心ひそかに憧れていた不良少年ディロン。戸口に現れた彼は今、信じがたいほど魅力的な大人の男になっていた。「いったい何しに来たんだ?」冷淡な態度にひるみながらも、ジェニーは彼と向きあった。12年ごしの切ない思いを心の奥に閉じこめたまま。
抄録
扉を閉めようともせずに走っていったジェニーが、階段でけつまずいている音が聞こえてきた。我ながら驚くほど荒々しい気分になっていなかったら、ディロンは笑いだしていたところだ。俺から逃げるために窓から飛びおりて、首の骨でも折ってしまうんじゃないか。自分が劣等感に悩まされているような男じゃなくてよかったと思う。さもなければ、ジェニーのこんな態度にすっかり自信を失ってしまっただろう。
あのキスは別だ。ジェニーの唇の味わいは変わっていなかった。清らかなのに、熱烈で色っぽい。ジェニーの性的な感覚はあまりにも奥深くうずもれていて、ブルドーザーでもなければ掘りあてられないのではないか。でなかったら、決意の固い断固とした男でなければ。
そして、ディロンは断固としているところが取り柄の男だ。
正直言って、とにかくまいった。親友の妹に熱をあげていたのとはわけが違う。覆いかぶさったときの、震えていたジェニーの体の感触は予想以上に強烈だった。あのおびえたまなざしと舌の味はたまらなかった。空恐ろしさを感じたくらいだ。
良心とマウザーの意見に耳を傾けて、ジェニーを自由にしてやるべきかもしれない。ハンドバッグがひょっこり出てきたように見せかける。三十分もあれば、ボルボは動くようになるだろう。ジェニーをすぐ帰す気になれなかったので、ボルボはシートで覆いかくしてガレージの隅に置いておいた。ジェニーが出ていったら、もう二度と会うことはあるまい。会う口実がなかった。俺とジェニーをつなぐものといえば、ネイトだけだ。哀れな口実だ。そんなつながりは断ち切ってジェニーを追いだし、自分の生活に戻るべきだ。
問題は、何がなんでもジェニーと寝てからにするか、それとも、誘惑に耐え抜くかだ。
答えは出ている。ネイト・キンケイドのいとことやったら、やつは激怒するだろう。その理由だけでも、ジェニーをものにするつもりだ。
理由はほかにもいろいろある。あの高圧的な母親の鼻を明かしてやりたくもあった。それと、十二年前に始めたことの結末をつける意味もある。ディロンは何事につけ、けりをつけるのが好きだった。
それに、ジェニーがいなかったら、一年半も人生をむだにすることもなかったのだ。ジェニーは俺に借りがある。いずれジェニーは誰かに身をまかせるだろう。ならば、それが俺でもいいわけだ。
どれもこれも、もっともな理由だ。といって、本当に重要な理由は一つもない。要するに、ジェニーが欲しい。ただ、それだけだ。切なくてたまらなくなるほど欲しかった。
ジェニーがいくらおびえても関係ない。絶対に俺のものにしてみせる。
*この続きは製品版でお楽しみください。
あのキスは別だ。ジェニーの唇の味わいは変わっていなかった。清らかなのに、熱烈で色っぽい。ジェニーの性的な感覚はあまりにも奥深くうずもれていて、ブルドーザーでもなければ掘りあてられないのではないか。でなかったら、決意の固い断固とした男でなければ。
そして、ディロンは断固としているところが取り柄の男だ。
正直言って、とにかくまいった。親友の妹に熱をあげていたのとはわけが違う。覆いかぶさったときの、震えていたジェニーの体の感触は予想以上に強烈だった。あのおびえたまなざしと舌の味はたまらなかった。空恐ろしさを感じたくらいだ。
良心とマウザーの意見に耳を傾けて、ジェニーを自由にしてやるべきかもしれない。ハンドバッグがひょっこり出てきたように見せかける。三十分もあれば、ボルボは動くようになるだろう。ジェニーをすぐ帰す気になれなかったので、ボルボはシートで覆いかくしてガレージの隅に置いておいた。ジェニーが出ていったら、もう二度と会うことはあるまい。会う口実がなかった。俺とジェニーをつなぐものといえば、ネイトだけだ。哀れな口実だ。そんなつながりは断ち切ってジェニーを追いだし、自分の生活に戻るべきだ。
問題は、何がなんでもジェニーと寝てからにするか、それとも、誘惑に耐え抜くかだ。
答えは出ている。ネイト・キンケイドのいとことやったら、やつは激怒するだろう。その理由だけでも、ジェニーをものにするつもりだ。
理由はほかにもいろいろある。あの高圧的な母親の鼻を明かしてやりたくもあった。それと、十二年前に始めたことの結末をつける意味もある。ディロンは何事につけ、けりをつけるのが好きだった。
それに、ジェニーがいなかったら、一年半も人生をむだにすることもなかったのだ。ジェニーは俺に借りがある。いずれジェニーは誰かに身をまかせるだろう。ならば、それが俺でもいいわけだ。
どれもこれも、もっともな理由だ。といって、本当に重要な理由は一つもない。要するに、ジェニーが欲しい。ただ、それだけだ。切なくてたまらなくなるほど欲しかった。
ジェニーがいくらおびえても関係ない。絶対に俺のものにしてみせる。
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本の情報
紙書籍初版: 2007/3/20
小説・ノンフィクション>恋愛小説>ロマンス小説
小説・ノンフィクション>ハーレクイン>MIRA文庫
小説・ノンフィクション>ハーレクイン>愛の復活/運命の再会
小説・ノンフィクション>ハーレクイン>アメリカ
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