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トスカーナの憂鬱

トスカーナの憂鬱


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供がある。現在、子供たちは独立し、夫と二人暮らし。たくさんの猫と犬に囲まれている。

解説

 ミリー・リーはウェールズのいなか町で行方知れずの双子の姉ジリーの帰りを待っていた。ミリーと正反対の派手好きでチャーミングなジリーは、母とミリーに借金を残してイタリアに行ってしまった。その後母が亡くなったのに、それを知らせることもできない。姉を捜す経済的余裕もないミリーのもとにある夜、美貌のイタリア人男性が訪ねてきた。彼は一緒にイタリアに来て、盗んだ金を返すようにと命じた。「姿を変えていてもごまかされない。きみには償いをしてもらう」どうしよう、わたしをジリーだと勘違いしているんだわ!

抄録

 波の間を縫って進むミリーは、自由な解放感を味わっていた。姉と間違えたチェザーレの誤解をそのままにしておこうと決意したとき以来、初めて緊張から解き放たれた。だが、岩ばかりの岬はいっこうに近づかない。この調子でいくと、一週間はかかりそうだ。
 突然、海が盛り上がった。とてつもなく大きな蛸《たこ》に襲われたかのようだった。ミリーがあえぎ、逃れようとしたとき、水面にチェザーレの頭が浮かび上がって、体に彼の腕が回された。
「いったいどういうつもり?」ミリーは怒りでしどろもどろになった。ほんの短い間、彼から逃れるためにここまで来たのに、あとからついてきたなんて!
 せっかくの楽しみがだいなしだ。さわやかな解放感が失《う》せてしまう。
「放して!」チェザーレはミリーの前進を阻んだ。そしてもっと悪いことに、胸から腿まで二人の体が触れ合っている。ミリーの心臓は激しく高鳴った。
「きみが溺《おぼ》れないようにするためだ。ここの潮の流れは強い。きみがもう少し浜辺にいて話を聞いていたら、警告していた」立ち泳ぎをしながらチェザーレはじれったそうに頭を振った。「さあ、戻ろう!」
 ミリーは沖合へと引っ張る強い引き波に気づいて、慄然《りつぜん》とした。この数分間、それとは知らずに闘っていたのだ。それから流れに逆らい、はるか遠くなっている海岸に向かって必死に泳ぎ出した。チェザーレは速度を調節しながらミリーのあとをついてくる。ミリーは彼が考えている以上に感謝していた。そばにいてくれると、なぜか危険なことは起きないという安心感があるからだ。
 ようやく引き波から脱したところで、チェザーレはミリーの先に回って、足がつく場所まで来ると立ち上がった。その間ほんの数秒しかたっていないように感じられた。
 彼は待っている。恐ろしい形相だ。
 ミリーはゆっくりチェザーレに向かって泳いだ。おだやかな海に隠れていた危険な引き波に逆らって必死に泳いだせいで、心臓は破裂しそうなほどどきどきし、まだ鎮まっていない。ミリーが近くまでくると、チェザーレは彼女の腕の下に手を差し入れて立たせ、すさまじい剣幕でどなった。「二度とあんなばかなまねはするな!」怒りに満ちた目でにらみつけ、ミリーの肩を乱暴につかんだ。「死んでいたかもしれないんだぞ、愚か者が!」
 そう、チェザーレはわたしを救おうとして死んでいたかもしれない。ミリーははたと気がつき、申し訳ない気持ちになった。彼はわたしが危険な目にあっているのを傍観するような人ではない。だが、激しい口調でどなられると、反抗心が芽生える。ミリーは背筋を伸ばした。心臓はまだ激しく鳴っていて、わずかな布で覆われた胸は大きく上下している。「危険だなんて知らなかったのよ。どなるのはやめてちょうだい!」
 ミリーは肩をつかむチェザーレの手を振りほどこうとした。だが、彼の手は腰へ滑り、抱き寄せられた。「きみは……」いきなり強引に唇が重ねられた。怒りにまかせたような激しいキスだった。チェザーレの片手がミリーの体に回されて、強く抱きすくめられた。下腹部に彼の筋肉と高まりを感じる。後頭部をもう片方の手で押さえられ、逃れようがない。
 でも、ミリーは逃げたいとは思わなかった。この焼けつくような情熱、一気に高まる刺激的な感覚に全身は火がついたようになっている。こんな経験は初めてだ。  ミリーは腕をチェザーレの首に回し、本能的に唇を開いていた。チェザーレの低くうめく声が聞こえた。彼の唇は誘うように動き、舌がからみ合った。目のくらむようなひとときのあと、やがてチェザーレの唇は下に向かった。濡れた布地は脇に押しやられ、胸の頂に達した。
 チェザーレはミリーを抱いたままゆっくり岸に向かった。二人はしびれるような快感に酔いしれ、一つになって動いていた。チェザーレの唇はミリーのこめかみやあご、熱く脈打つ喉をさまよい、手は輝かしい胸に対する侮辱としか言いようがないわずかな布地を取り去っている。
 なんという魅力だ。
 チェザーレは陶然としていた。
 手で胸を包み込み、指先で固くなったばら色のつぼみをなぞる。チェザーレは肺の中の空気が熱く、重くなったのを感じていた。目を閉じたミリーは頭をのけぞらせ、彼の高まりに向かって腰を動かし、本能的なリズムを刻んでいた。
 押し寄せる官能の波によろけそうになったとき、チェザーレの足は浜辺の熱い砂を踏みしめた。彼は唇を荒々しくむさぼり、ミリーを砂の上に押し倒した。ミリーはすばらしい脚を彼の腰に巻きつけながら震えていた。チェザーレは満足そうにうめいた。
「美しい、とてもきれいだ……」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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