マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

今夜だけあなたと

今夜だけあなたと


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 アン・メイザー(Anne Mather)
 イングランド北部の町に生まれる。息子と娘、二人のかわいい孫がいる。自分が読みたいと思うような物語を書く、というのが彼女の信念である。ハーレクイン・ロマンスに登場する前から作家として活躍していたが、このシリーズによって、一躍国際的な名声を得た。

解説

 レイチェルとジャックの夫婦仲は、二年も前から冷えきっていた。もう夫と再び愛しあう日はこないのだろうか。そんなふうに思っていたある日、ひとりの女性が家を訪ねてきた。ジャックの会社に勤めるというその女性社員は、胸元を強調したセクシーな姿で、得意げに言い放った。「私、ジャックの子を身ごもったの。早く彼を自由にしてあげて」女性を決然と追い返したものの、レイチェルは激しく動揺した。彼女の話は本当なの? 確かにここ最近のジャックの様子は変だ。だとしたら私はどうしたらいいのだろう……愛する夫を失わないために。レイチェルは悩んだ末、ある計画を胸にひとり寝室へ向かった。

抄録

 体勢を立て直そうとしたとき、浴室のドアが開いた。驚きの目で見つめるジャックの前に、レイチェルがはだしのまま浴室から出てきた。漂う香りとろうそくの炎の中で、彼女は夫を見つめた。
 ジャックの視線は一糸まとわぬ妻の体に釘《くぎ》づけになった。いや、いちおう下着はつけているようだ。何も着ていないように見えたのは、僕の願望のせいだろうか?もっとも、黒いレースの下着姿はかえって魅惑的だが。ハーフカップのブラジャーは彼女の胸にすばらしい谷間をもたらし、ショーツは見たこともないほど小さい。すらりとした体に長い脚。まるで女神だ。「これは、驚いたな」
 思わず声をもらした彼に、レイチェルは無邪気なまなざしを向けた。「まあ、ジャック」たったいま夫の存在に気づいたかのように、彼女は静かに言った。「ずっと待っていたのよ」
 僕はきっと、死んで天国へ来たに違いない、とジャックは思った。さっきここへやってきて驚くべき光景を目にしたときに心臓が止まり、死んでしまったのだろう。そしていま、夢の暮らしを楽しんでいる。そう、これは夢だ。夢に決まっている。僕たちの暮らしはこうなるはずだったという、心そそる夢。
「やあ」ジャックは力なく答えた。舌を動かすにはかなりの努力を要した。言いたいことや言うべきことは山ほどあるが、混乱のあまり、適切な言葉が思い浮かばない。
「なんだかとても疲れているようね」レイチェルは白い絨毯《じゅうたん》の上を滑るように近づいてきたかと思うと、片方の手を伸ばし、夫の額にかかった黒い髪を払いのけた。「仕事が大変だったの?」
 熱い額に触れるレイチェルの指は、ひんやりと冷たかった。腕を伸ばした拍子に小さなブラジャーのすき間から薔薇《ばら》色の頂がのぞいたが、本人は気づいていない様子だった。彼女の体から発散される情熱的な香りは、彼女を取り巻くろうそくよりもジャックに対して威力を発揮した。
 ジャックの下腹部はたちまち熱を帯びた。レイチェルと最後に愛を交わしたのは、たしか二年以上も前だ。それがどんなにすばらしかったか、いまもはっきりと覚えている。しかし残念なことに、愛を交わすと、彼女はいとも簡単に妊娠してしまう。苦しみに満ちた経験を通し、彼はやがて悟った。レイチェルはこの先二度と僕との愛の行為を歓迎しないだろう、と。
「レイチェル」声がかすれる。薬をのんだにもかかわらず、鼓動が再び加速を始めていた。
「さあ、ジャック」
 レイチェルは彼の手を取り、コロニアル様式の大きなベッドを示した。そのベッドで一緒に眠ったことは一度もない。
「どうぞ座って。飲み物でもいかが?」
 願ってもない誘いだが、ジャックは首を横に振った。これが夢なら、酒の力で欲望をあおる必要はない。そして夢でないなら、いまは禁酒の身だ。
 レイチェルが彼の手を引いて部屋に招き入れ、ドアを閉めた。大きなベッドの端に導かれるあいだ、ジャックはひたすら彼女のなすがままになっていた。実のところ、足どりが少々おぼつかない。体調のせいというより、身も心も高ぶっているせいだった。
 腰を下ろした彼の前にレイチェルがひざまずくのを見て、ジャックは息をのんだ。しかし彼女は、単に靴と靴下を脱がせただけだった。彼女の柔らかな手がズボンの内側に忍びこみ、ふくらはぎをそっともみほぐす。
 ジャックはベッドの上掛けに両肘をついてもたれた。それを見て、レイチェルはつつましくほほ笑んだ。僕が必死で欲望を抑えていることを彼女は知っているのだろうか、とジャックは思った。当然、気づいているに違いない。なにしろ、下腹部を見れば一目瞭然《りょうぜん》なのだから。
 レイチェルのほうは落ち着いたものだった。「どう、少しは楽になったでしょう?」あっさりした口調は、その官能的なサービスもごく日常的な行為にすぎないと言いたげだった。
 だが、いくらなんでもそこまで無邪気ではないはずだ。だったら、妻はいったい何をもくろんでいるのだろう?どんなに非現実的に思えても、下腹部のうずきが、これは夢などではないと告げている。
 彼が疑念をいだいていると、レイチェルが体を起こした。彼女の下着を腰につなぎとめている黒いひもが目の前に迫り、ジャックは目をそらすことができなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。