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呪いの城の伯爵

呪いの城の伯爵


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ヘザー・グレアム(Heather Graham)
 新作を出すたびニューヨークタイムズをはじめ数々のベストセラーリストに顔を出す人気作家。作品は15カ国語に訳され、発行部数は世界中で2000万部を超える。フロリダで生まれ育ち、大学では舞台芸術を専攻した。卒業してからは女優やモデルなどの職業を経験し、第三子出産後に執筆を始める。受賞歴も豊富で、テレビのトークショーに出演したり、雑誌で取り上げられたりするなど実力と人気を兼ね備えている。

解説

 ヴィクトリア朝時代のイギリス。勤務先の大英博物館に知らせが届き、カミールは恐怖に凍りついた。愛する養父がカーライル城に捕らわれたのだ。先代の城主夫妻がエジプトで非業の死を遂げて以来、その城には呪いがかかっていると噂されていた。さらに現在の城主は凶暴な性格で、両親は殺されたのだという妄想のもとに世間を恨み、復讐に燃えているらしい。勇気をかき集めて城に赴き、城主の姿をひと目見た瞬間、カミールは奇妙な戦慄を覚えた。獣の顔をかたどった仮面の奥で嘲るような笑みを浮かべ、彼はカミールの手に口づけた。

抄録

「きみは寒そうだね」ブライアンは言った。
 カミールが激しく体を震わせて、ふたりの肌がこすれあったとき、彼はその甘い感触が自分たちを焼きつくすほどの熱をもたらしたのを感じた。
「寒いのだろう」ブライアンは再びささやいたが、心のなかではそんなふうに思っていなかった。ほのかに芳香漂うカミールの髪が彼の顎と鼻をくすぐる。その香りをかいだだけで酔いしれてしまいそうだ。彼女が顔をあげて明るく輝く目でブライアンの目をとらえると、彼はまたもやその深い色合いに吸いこまれそうになった。エメラルドグリーンと金色、暗さと明るさが微妙にまざりあっている。澄んだ輝きを見つめていると、催眠術にかかったような陶酔感を覚える。顎がこわばって喉が引きつり、声が出てきそうもなかったので、ブライアンは指の関節で彼女の頬を撫でて安心させようとした。
 カミールがささやいた。「あなたといれば寒くないわ」
 ブライアンの口からうめき声がもれた。カミールの顎に手を添えて、親指で彼女の唇をそっと撫で、それから唇を重ねていった。心の奥に抑えこまれていた緊張がはじけて、いとしさや渇望や欲情の波が彼を襲った。ブランデーとミントの甘い味がする。彼女の唇が一瞬だけあらがってから屈した。またもやブライアンは彼女の口が与えてくれる潤いと温かさ、目のくらむような陶酔感におぼれそうになるのを感じた。彼は自分を分別と理性の持ち主と考えていたが、そのどちらもどこかへ消え去った。カミールの髪に指を絡めたときのシルクのような手ざわりもまた、彼の肌にこらえがたい欲望の炎を点火した。ブライアンの手はカミールのなめらかな背筋を撫でおろしてヒップにあてがわれ、彼女をいっそう近くへ引き寄せた。カミールの指が彼の首筋を這《は》いまわる。彼女もまた、ふたりのあいだにわずかでも空間が残っていることに耐えられないようで、肌と肌の官能的な接触を求めて体を押しつけてきた。ブライアンの心の奥で警告の声があがったが、再び波となって襲来した灼熱《しゃくねつ》の欲望がその声をすぐに追い払った。
 彼はカミールを抱えあげ、隣の部屋へ大股で歩いていった。そこには消えつつある燃えさしのほのかな明かりに照らされて、巨大なベッドが待っていた。彼女をそこへおろしたときには、ブライアンは激しい欲望にさいなまれていた。あたかも体の奥底で長いあいだ眠っていたエネルギーが爆発したかのように、生命と熱望の力が強烈な電流となって体内を荒々しく走るのを感じた。指でカミールの顔を撫でまわし、再び彼女と唇を重ねた。カミールのまとっている薄いナイトガウンの上をさまよっていた彼の手が、その下の炎を、彼女の焼けるような肌を、完璧《かんぺき》な女性の肉体を見いだした。カミールの鎖骨と豊かな胸のふくらみをもてあそぶ。彼女はしなやかな体をブライアンに押しつけてくねらせ、欲望に駆られるまま、狂ったようにキスを浴びせられて、小さなあえぎ声をもらした。
 突然、正気をとり戻したブライアンは筋肉をこわばらせて身を引いた。「きみは自分の部屋へ戻らなくちゃいけない」声はかすれていて、荒々しく響いた。けれどもカミールは動かなかった。ブライアンは彼女の激しい鼓動と速い呼吸を意識した。
 カミールが彼の顔にさわった。「この仮面」彼女はささやいた。「お願い……わたしにとってあなたは獣なんかじゃないわ」
 ブライアンは一瞬途方に暮れたあとで、自分の敗北を悟った。今さら体裁を繕ったところで仕方がない。結果がどうなろうとかまわないではないか。彼は顔から仮面をはぎとって無造作に床へほうると、再びカミールにキスをし、本物の陶酔におぼれていった。
 彼女の手がブライアンの顔をやさしく這いまわり、目に見えないものを探し求めた。カミールは傷を端から端まで愛撫《あいぶ》するようになぞってから、彼の髪に指を絡ませて自分のほうへ引き寄せた。
 ブライアンは彼女の唇に、喉に、胸の谷間にキスをした。両手で体をまさぐり、口と舌で肌を味わっているうちに、募る一方の情熱がやさしさを押し流した。今にも切望が炸裂《さくれつ》しそうだったが、苦悶《くもん》を自らに強いて、探し求めることに喜びを見いだし、薄い布地の上からキスを浴びせる。体じゅうの血が熱くたぎるのを感じながら、口をカミールの腹部へ、腰へ、太腿へと這わせていった。カミールが反応し始めるにつれて、彼女の手がブライアンの髪や肩に軽くふれる。やがて彼女は体を弓なりにしてあえぎ声をもらし、彼の欲情をますます激しく燃えあがらせる。ブライアンの胸のなかで心臓が荒々しい太鼓の音のように打っていた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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