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イタリア富豪の凍った心 黒い城の億万長者 V

イタリア富豪の凍った心 黒い城の億万長者 V


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア黒い城の億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

彼が夢の中にまで現れるなんて! これが狂おしい欲望というものなの?

リリは怒りの炎に身を焦がしていた。勤務先の会社を買収した大富豪アントニオが会議を招集したのだ。地道な研究よりも収益性の高さを優先する彼は、きっと私たちを利益追求のためだけに働かせる魂胆だわ! しかし、現れたアントニオは目も眩むような美貌に謎めいた笑みを浮かべ、集まった人々の心をまたたくまに掌握してしまった。神々しいまでに華麗な彼に強烈に引きつけられるのを感じながらも、リリは反論したあとその場を飛び出す。追いかけてきた彼は言った。「きみはいまから経営者の一員だから、絶対に辞めることはできない」なんて冷酷なの。だが、言いしれぬ情熱に全身は燃え上がりそうで……。

■大人気の作家O・ゲイツがドラマチックで濃密な愛の世界を描いたミニシリーズ〈黒い城の億万長者〉。ご好評の声にお応えして続編をお届けいたします。イタリアの名門貴族を父に持つ富豪ヒーローが執拗なまでにヒロインのハートを射止めようとする理由とは?

抄録

「きみは憶測でものを言っている。しかも、その憶測は不正確ときている」
「どこが不正確だというの?」
「問題のいちばん重要な部分さ。ぼくがここに来たのは、いままでの研究を続けてもかまわないと、きみに言うためだ。そして、それに対する見返りを要求するつもりはない、と」
 リリは言葉を失った。それでも、何度か調子はずれの声を出したあと、ようやく尋ねた。「これはどういう罠?」
「きみはまた憶測でものを言っているな」
「それなら、洗いざらい話して。わたしは予想外の展開が嫌いだから。千キロの道を歩くのなら、事前にその事実を知っておきたいのよ」
「罠なんてひとつもないさ、ドクター・アッカルディ。きみの圧力がものを言ったんだ」
「わたしの圧力?」
「ぼくはきみに押し切られたということさ」
「わたしは、あなたに押し切られまいと努力していただけよ」
「その努力があまりに強烈だったから、状況がひっくり返ってしまったんだ。自分の負けに気づくまで、少し時間がかかったよ。いままで負けた経験がなかったから。というわけで、ぼくは白旗を掲げてここに来た。ただ、ひとつぼくが要求したいのは、これからは仕事とプライベートは切り離して考えてほしいということだ」
「わたしたちにはプライベートな関係なんてないはずよ」
「そのあたりを改善するために、いまからランチに行こう」
「どうしてあなたは食事ばかりしたがるの?」
「人は食べずには生きていけない。だから、いっしょに食事をしよう」
 リリは話の展開が信じられず、首を左右に振った。わたしのことを厄介な存在と思っていたんじゃないの? ところが彼は、わざわざわたしの家を訪ね、辛抱強く説得を続けている。
 彼が、どんなつもりでこんなことをしているのかはわからない。けれど、誘惑の雰囲気は少しだけ感じられた。
「食事は別にかまわないけど、もっと簡単にすまさない? ここでコーヒーを飲むとか?」
「外でランチだ」
「マフィンを食べさせてあげてもいいわよ」
 アントニオが笑うと、母親の遺したカットグラスが、その声に共鳴したような気がした。
「時間をかけて、ゆっくりランチを楽しむんだ。だから、午後のスケジュールは空けてくれ」
「スケジュール? わたしは失業中なんだけど」
「きみは失業なんかしていない。ぼくたちは、きみの輝かしい職場復帰を祝うのさ。反論は受けつけないぞ、リリアナ」
 彼女の心臓は、いまにも胸を突き破って飛び出しそうだった。
 息苦しさにリリが思わず咳をすると、たちまちアントニオが二人の距離を詰め、心配そうな顔で彼女を抱きしめた。「大丈夫か?」
 彼女はうなずき、後ずさりしようとした。
 しかし、アントニオは彼女をしっかりと抱きしめた。「リリアナ……」
「リリよ。ドクター・アッカルディと呼ぶつもりがないのなら、みんなと同じようにリリと呼んで」
「ぼくにとってきみはリリアナだ。これからもそう呼ぶつもりさ。この件に関しても、反論は受けつけない」
「わかったわ。好きなように呼んでちょうだい。その代わり、わたしもあなたのことを好きなように呼ぶわよ」
「どう呼ぶつもりだ?」
「面と向かって言うつもりはないけど」
「それなら、顔を合わせたときはどう呼ぶんだ?」
「というか、あなたを名前で呼ばないように注意するつもりよ」
 彼はリリの手を取ると、寝室に向かうように促した。「ぼくのことは、好きなように呼んでかまわない。きみに何と呼ばれるのかを、楽しみにしているよ。さあ、服を着るんだ」
「ランチに行くとは、誰も言っていないわよ」
「いや、きみは行くのさ」
「あなたは億万長者だから強引なの? 外科医だから尊大なの? それとも、生まれつきそういう人なの?」
「ぼくとランチを食べると、そのあたりがわかるかもしれないぞ。ほら、何かおしゃれなものに着替えるんだ」
 彼女はアントニオの手を振り払った。「おしゃれな服なんて持っていないわ。少なくとも、あなたが納得するようなものは」
「見苦しくなければ何だっていいさ。そのくらいの服なら、きみだって持っているだろう」
「このバスローブだって見苦しくはないわよ。これじゃだめ?」
「ぼくは気にしない。だが、きみはどうなんだ?」
 バスローブ姿で、靴もはかずに外に出てみるのはどうかしら? それでも、彼はわたしをランチに連れていこうとするだろうか? 
 一瞬、リリはそんなことを考えたが、あきらめたようにため息をついて寝室に向かった。
 わたしがバスローブに裸足という格好で出かけても、彼は眉ひとつ動かさないでしょうね。それどころか、裸だったとしても制止しないはずよ。いいえ、もしかしてその手を使えば、彼も外にランチに行くという考えを捨てて……。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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