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イタリア富豪の熱愛 四富豪の華麗なる醜聞 II

イタリア富豪の熱愛 四富豪の華麗なる醜聞 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス四富豪の華麗なる醜聞
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 レイチェル・トーマス(Rachael Thomas)
 10代の頃、彼女の人生の大半を占めていたのはハーレクインの小説だった。その後、自身でも小説を書いてみるが挫折。2008年から本格的に執筆を始め、2013年にはハーレクイン主催の新人作家コンテストのファイナリストに選ばれた。現在はウェールズ在住。執筆と農作業の合間には、写真を撮ったり、城や歴史的な建造物を訪ね歩いたりして過ごすという。

解説

純潔を捧げたイタリア富豪に、愛なき結婚を強いられて……。

「君のおなかに僕の子がいる以上、結婚するしかない」仕事の都合で妻を必要としているダンテの苦々しげな言葉に、パイパーははるばるローマまでやってきたことを悔やんだ。2カ月前、パーティ会場でウエイトレスをしていたパイパーは彼の誘惑に抗う術もなく純潔を捧げ、小さな命を宿したのだった。悪名高いプレイボーイ富豪のゴシップ報道を沈静化するため、彼と熱烈に愛し合っている婚約者のふりをするなんて……。とまどい、傷つきながらもパイパーは契約書にサインした。わが子の人生に愛情深い父親を与えてやりたい一心で。

■人気作家競作シリーズ〈四富豪の華麗なる醜聞〉の2話目にあたる本作では、ローマの華やかな社交界で熱愛中の婚約者を演じるはめになった二人の熱く切ない愛が描かれます。前作同様、どこまでもゴージャスでセクシーな大富豪ヒーローの魅力をご堪能ください!

抄録

「結婚?」パイパーは目を見開いてダンテの顔を見つめた。背中に置かれた彼の手が服の上からも肌を焦がし、今は思い出したくない記憶が堰を切ったようにあふれだす。
「お金のために来たんじゃなければ、指輪をはめたいからだ。そうに決まっている」
 なまりのある非情な声はひどく苦々しげだ。パイパーはそれを聞いただけで、ロンドンでともにしたひとときが何かの始まりになったとはとうてい思えなくなった。この無謀なプロポーズが本当ならいいとさえ願っていたのに。
 自分をだましてどうするの? 彼にとってわたしはただ、退屈なディナーパーティの気晴らしにすぎなかった。だからこそ、彼の寝顔を名残惜しげに見ながら、明け方にベッドを抜けだしたのだ。ホテルが活気づく前に出ていけば仕事と評判は保てるかと思ったけれど、それすら無駄な努力だった。
「どれだけうぬぼれているの?」
 パーティをあとにしたときのあの思いやりのある魅力的な男性はどこに行ったのだろう。これが真のダンテなのか、あるいは寝耳に水の知らせにショックを受けているだけ?
 二度と会うこともない男性との一夜で妊娠したことに、パイパーも大きなショックを受けた。だからこそ、近所の小さな薬局で妊娠判定キットを四つも買い、何かの間違いだと自分に言い聞かせた。気ままな情熱の一夜で身ごもるわけがないと。ところがキットを一つ使うたびに、パニックの度合いは深まった。
「きみこそ、こんなことを知らせに来ておきながら、あっさり出ていけると思っていたのか?」怒りのせいでなまりが強くなる。「前はぼくを一人残して部屋を出ていけたかもしれない。だけど、今度はそうはさせないよ、|ぼくのかわいい人《カーラ・ミーア》」
「だからって結婚までするの?」その考え自体、どんなにありえないか、パイパーは必死に訴えた。あなたは父親になるとじかに言いたかっただけなのに。亡き父もそうしてほしかったはずだ。「見ず知らずの人間なのよ」
「きみがどこにキスされるのが好きか、一糸まとわぬきみがどんなにセクシーか、ぼくは知っている。出発点としてはそれで充分じゃないか?」
 彼がゆっくりと魅惑の笑みを浮かべるのを見て、パイパーの鼓動は今にも止まりそうになった。彼のキスがどうだったか、もっとしてほしくてどんなに泣きすがったか、どんなにやめてほしくなかったか、彼の情熱に溺れ、我を忘れたいとどれほど願ったか、今でもよく覚えていた。
「あなたみたいな男性が言いそうなことね」パイパーは怒りをぶつけ、それから深く息を吸いこんだ。こんなときでも彼は信じられないほどの魅力を放っている。それに負けてはいけない。
 彼の目が陰り、眉根が寄せられた。「ぼくみたいな男性?」納得のいかない口調だった。
「『セレブリティ・スパイ!』のあの記事も必ずしも嘘ばかりじゃないはずよ」彼の目がすぼまると、パイパーは口ごもった。触れてはならないことなのだろう。けれど彼が誘惑したのは事実だ。名前さえ教え合わずに。
「ああいう雑誌に書いてあることをなんでも信じるほうなのか?」
 ダンテがにじり寄った。パイパーはあとずさりたくなるのを我慢した。さもないと、彼の男らしい力に屈しそうだった。
「とんでもない」パイパーはきっぱり否定した。彼の口元に残る笑みからして、一本取り返したつもりでいるらしい。
「どうせなら、もっと……なんというか……健全なものを読んだらどうだ」
 ありがたいことに、彼のほうから一歩下がってくれた。パイパーは知らずに止めていた息を吐いた。ただ、自己弁護せずにはいられない。「普段、あんなものは読まないわ。職業紹介所の待ち時間にめくっていただけよ」
「職業紹介所?」彼が急に注意を戻した。嘘だと言わんばかりの目だが、途方もなく魅力的なことに変わりはない。
 パイパーは軽率な舌を噛みたくなった。あの夜のせいで失業したことを彼には知られたくない。なのに、墓穴を掘ったも同然だった。
「契約が切れたのよ。ロンドンのディナーパーティは一度きりの仕事だったから」
「すると」彼のそのひとことには得意げな響きがあった。「きみは妊娠し、しかも無職なわけだ」
 パイパーは怪しむように彼を見て、急いで彼の言葉を正した。「求職中よ」
「おなかが大きくなるにつれて、別の仕事は見つけにくくなるだろうな」
 決めつけるような声に、パイパーは自分でも認めたくないほどいらだった。図星だからだ。妊娠がわかってから毎晩、寝苦しい思いをしているのもその心配があるからではないのか。生まれ育ったシドニーに今もいるならともかく、母親の生まれた街、ロンドンにはなんのつてもない。いくらオーストラリアに戻りたくても、母親と住む必要がある。
「その心配をするのはわたしよ」ここを出てからも心配は尽きないだろう。自分が父親と強い絆で結ばれていたせいか、我が子が父親を知らずに生まれてくるなど想像もつかない。ダンテに会うべきだという思いも、そういう父と娘の関係があったからこそだった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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