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日陰の秘書の献身

日陰の秘書の献身


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

秘めた想いが溢れだす――一夜かぎりの夢だとしても。

サラはこの2年、ギリシア富豪アレコスの秘書を務めている。たくましい長身、豊かな黒髪、官能的で美しい唇――そして、指を鳴らせば女性が寄ってくると信じて疑わない傲慢さ。うぶで真面目なサラでさえ、彼には密かに胸を焦がしていた。あるとき一大決心をしたサラは、長期休暇の間に体重を落とし、地味な服と眼鏡を捨てて、洗練された装いで職場に復帰した。数日後、彼に激しくキスをされ、サラは夢にまで見た唇に溺れた。アレコスの望みはいつもと同じ、つかの間の愛人だけ……。そうささやく心の声には気がつかないふりをして。

■決して手の届かない人を、どうしようもないほど愛してしまったら……?かなわぬ恋に身を捧げた乙女と冷徹なプレイボーイ富豪の、熱く切ないシンデレラストーリー。人気作家シャンテル・ショーが、不確かな愛の迷路で揺れ惑う女心を繊細かつ官能的に描き出します。

抄録

 アレコスはその夜ずっと、サラにキスをしたくてたまらなかった。正直言うと、今週ずっとそうだった。オフィスで、サラに触れずにいるのに苦労した。毎日、仕事が終わるころには全身がこわばり、ジムでトレーニングをしても、欲求不満は解消されなかった。
 体が震えるほどの欲求をしずめる方法は、一つしかなかった。サラが口を開くのを感じると、アレコスの興奮はさらに増した。背中の大きく開いたドレス姿のサラを見てからずっと想像していたとおり、激しくキスをした。食事会で、ほかの重役たちと話をしながらも、サラの背中に触れることばかりを考えていた。今、アレコスは思うがままサラの背筋に指を走らせ、むき出しの肩をつかんで抱き寄せた。
 少しでもサラが抵抗していたら、アレコスも正気づいたかもしれない。だがサラは両腕を彼の首にかけ、髪をつかんだ。サラの積極的な反応を見て、アレコスは完全に自制心を失い、うめき声をあげて舌を差し入れ、蜜のように甘い味に酔いしれた。それでも意識の片隅では、こんなことはやめるべきだと考えていた。サラは秘書で、立ち入ってはならない存在だった。だが、彼の心を乱す美しい魅惑的な女性と、これまで振り返ることもなかった個人秘書とが結びつくことなど、ありえなかったのだからどうしようもない。
 膝の上で、サラが身じろぎした。彼女のヒップが、硬さを増したアレコスのこわばりにこすれ、彼は再びうめいた。これほど興奮したのは、いつ以来だろう。今にも欲望がはじけそうだった。頭の中でかすかに聞こえる警告も、曲線に富むサラの柔らかな体をじかに感じたい欲望に、かき消されてしまった。
 アレコスはサラをベッドに横たえ、その体を覆うと、もう一度唇を重ねた。抑えがたい欲望のままに、キスを貪った。そのまま唇を喉元へ滑らせ、片手をうなじにまわして、絹のような髪の中に差し入れた。そして、ドレスのトップをつなぎとめている、小さな三つのボタンを発見した。ずっと彼をじらし、豊かな胸をあらわにするのを阻んでいたのは、ほんの三つの小さなボタンだけだった。だが気持ちがはやるあまり、指が思うように動かない。アレコスは小声で悪態をつきながら、ボタンを外そうとした。そのとき、何か柔らかなものが落ちてきた。
 顔を上げると、大きなピンクの兎と目が合った。ぬいぐるみがたくさん置かれている狭いシングル・ベッドで、女性と愛し合うという不釣り合いな行為を意識して、アレコスは我に返った。しかも相手は、ただの女性ではない。サラだ。冷静で有能な個人秘書は、意外なことにかわいいぬいぐるみが大好きらしい。アレコスが彼女の寝室にいるのは、サラが突然泣きだしたからだ。
 普通、泣いている女性を見ると、アレコスは反射的に、なるべく早く離れようと考える。だがサラの涙を見たとき、なぜか彼女を慰めてやりたくなった。なぜサラが泣いているかはわからない。だが家まで送ってくる車中で、サラはメールを読んで動揺した様子だったのを思い出していた。
 ぼんやりと記憶がよみがえった。週の初め、サラは誰かに会うと言って急いで退社した。休暇中は男性の“友人”の別荘にいたと言っていたし、コートダジュールから帰ってきたときには魅惑的な女性に変身していた。今夜、最初サラは楽しそうだったのに、何かがあって普段の彼女らしくない行動をとり、牛乳でも飲み干すようにウイスキーをダブルであおった。
 アレコスに考えつく説明は、休暇中に始まったロマンスが終わったということだった。だったらアレコスは……気持ちを紛らせるための相手なのか? アレコスはサラから離れて、上半身を起こして座った。何もしないうちに迷いから覚めてよかった。彼女と深い関係になる前に。キスは、たいしたことではない。キスについては忘れて、この二年の良好な仕事の関係を続けていけないはずがない。
 アレコスは紅潮したサラの顔を見た。キスのせいで腫れた唇が、何もかも忘れて情熱に身を任せてしまえばいいのにと誘いかけている。だがサラと深い関係になる前に考慮すべき事柄がたくさんあった。そのうえアレコスは、サラがほかの誰かを求めているのに、その男の代わりになるのは耐えられなかった。アレコスはこれまでさんざん、自分は兄のディミトリの代わりにすぎない、父にとっては常に兄より劣った存在だと感じてきた。
「アレコス」サラの小さな声を聞いて、アレコスは胸がうずいた。
 サラは起き上がり、顔にかかる髪を払った。サラはアレコスと同じように驚いている様子で、ひどく無防備に見えた。一瞬、寝室に男を入れるのは彼女にとって初めての経験かもしれないと、ばかげた考えが頭をよぎった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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