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代理恋愛【ハーレクイン文庫版】

代理恋愛【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

田舎から出てきたばかりのアメリアは、親友に頼まれて、やむなく、奇妙ないたずらを引き受けることに。肌もあらわな格好で、ビジネス一辺倒の、横暴と噂のワース社長のオフィスに乗り込んだのだ。当然のことながら、ワースには激高され、罰として、彼の祖母のための住み込み秘書兼恋人役を命じられるのだった。代理の恋人なのに、彼に触れられると落ち着かないのはなぜ? そんなある日、彼の祖母が倒れる。アメリアは慰めたい一心で純潔を捧げるが、翌日、ワースは露骨に冷たくなって……。
*本書は、ハーレクイン・セレクトから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「生まれながらにして、いまの仕事をするように運命づけられていたような気がするんだ、ぼくの場合。両親は、子供のころに、亡くなったんだけど、育ててくれた祖母がなかなかの人間でね、金では仕事を選ぶな、自分がほんとうに好きかどうかで決めろ、と言ってくれたんだ。ぼくは、いろんなものを組み立てたり、築き上げたりすることが好きだったから、建築をやりたいと言ったんだ。そうしたら彼女、設計事務所をやっている従兄弟を即座に思い出してくれてね、ぼくを紹介してくれたんだ。気に入ってもらえたと見えて、ぼくはその場で採用さ。そして大学に通いながら、その会社で働くことになったんだ。だから卒業するころには、ぼくはもう重役になっていた」ウェントワースは、ここで息をついだ。「彼は家族がいなかったので、亡くなったときに、ぼく宛に会社を譲る旨の遺言状を残していったんだ。渡りに船とはまさにこのこと、ぼくはその会社を引き継ぎ、どんどん大きくしていったというわけさ。もっとも、いまじゃちょっと大きくしすぎたという気もしないではないがね。重役会なんてのができて、ことあるごとにぼくの方針に逆らいやがる。連日、連中とやり合ってるんだ、ぼくは」
「人に使われる身でよかったわ。わたしじゃ、とても神経がもたないもの」
「ぼくは反対だな。やり合うのが楽しくて仕方がないんだ。挑戦だよ、挑戦。まったくからだじゅうの血が騒ぐよ」
 この年で、これだけ元気……普通なら、その背後には家族の支えがあるにちがいないのに――アメリアは好奇心もあらわに相手の顔を見つめつづけた。
「なに? まだ聞きたいことがあるんだろ、遠慮なくどうぞ」
 アメリアは、椅子の上でもじもじと身をよじった。彼に見つめられると、カフタンの中身まで見透かされてしまいそうな気がする。
「まだ独身なんですってね。どうして結婚しないのかと思って……」
「結婚したくないからさ」相手の答えは簡単明瞭だった。黒い目がいたずらっぽく輝いている。「それとも、きみは、ぼくがもう男盛りを過ぎているとでも思ってるのかい? 言っとくがね、そうじゃないよ。少なくとも、きみが考えているような意味じゃないから」
 ウェントワースはそう言うと、残っていたコーヒーを一気に飲み干した。
「さあ、それじゃ……。いいね、“ラ・ピエール”には行ってくれるね! それとも、ぼくにあるところへ電話をさせるかい?」
 アメリアは、ため息をついた。
「わかったわ、行くわ。でも、わたし、あなたを許せない」
「それはどうぞご自由に。なぜなら、ぼくたちはもう二度と会うことはないだろうからね。それじゃ、今日はどうもごちそうさま」
「どういたしまして」
 アメリアは、ウェントワースを送って、ドアのところまでついていった。そのまま帰っていくものと思っていた彼は、そこでとつぜんふり向き、両手でアメリアの頬を挟んで上を向かせた。あっと思うまもなかった。
「さあ、もうひとつお返しをしとかなくちゃ」
 男の唇がかぶさってきた。強引で、手慣れたキスだった。アメリアは、あっと言うまもなく唇を上下に割られ、舌を差し込まれていた。二秒もしないうちに、アメリアはうっとりとして、目を閉じ、心臓を高鳴らせていた。何度か男にキスをされたことはあったが、こんなキスは初めてだった。彼女は自分も唇を動かして、相手のかたく締まった唇の動きに応えていた。
 しかし、相手はすぐ唇を引き離すと、アメリアの目をのぞきこみながら言った。
「このお転婆娘め。今日のことはほんのお遊びのつもりだったんだろうが、まだほんとうのキスの味も知らないくせして――」
 アメリアは、もう少しで、じゃあ、あなた教えて、と言うところであった。へたをすると、唇をさらに差し出しかねないところだった。しかし、彼女はかろうじて現実に戻り、男のからだから身を離した。
「さあ、気がすんだでしょ? これで」
「まあな」ウェントワースはそう言うと、いかつい顔に不気味な微笑みを浮かべた。「奇しき出会いだったね。別の方法できみと知りあえなかったのが残念だよ。そうすれば、きみにもっといろんなことを教えてやれたのにね。二八歳の世間知らずのお孃さん」
「大きなお世話よ。さっさと帰って、コンクリートでもこねなさいよ。わたし、あしたの夜は、あなたに言われたとおりにするから、男のストリッパーにはうちのオフィスに来させないで。いいわね? これでも、まだ首になりたくないのよ、わたし」
「七時ちょうどだよ、いいね。しかし、惜しいな。きみは、ベリーダンサーをしても十分食っていける。今日、きみのからだを見たときは、正直言って、ゾクッとしたよ」ウェントワースは、そう捨て台詞を残すと、ドアを閉めて出ていった。
 アメリアは、一分ほどドアに立ち尽くしていた。冷酷な怪魚――いや、いっそのこと、休火山のような男といったほうがいいかもしれない。彼女は呆然とした頭で、ウェントワースのことをそんなふうに考えていた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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