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永遠の絆

永遠の絆


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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解説

 ★一目で引かれ合った変わり者の令嬢と実業家。しかし、彼には美しい妻がいて……。★
 大火災から五年。父を亡くし財産を失ったルーシーは、養女マギーを育てながら、女性のための書店〈ファイアブランド〉の経営に情熱を燃やしていた。資金繰りの苦しい中、融資の話し合いに現れた銀行家は二度と会いたくなかった男――ランドルフ・ヒギンズ。あの大火の夜、彼に愛人になってほしいと申しこみ、あっさり断られたのだ。しかし、再会は思いがけない運命の転換をもたらした。ランドルフが大火で亡くしたという娘とはマギーのことだったのだ!

抄録

 とても怖い。でも、それ以上に彼を欲しいという気持ちのほうが強かった。「つまり、こういうことなんです、ミスター――じゃなくて、ランド。さきほど議論になったとき、私は情熱について話しましたよね」
 ヒギンズの顔から血の気が引いた。唇が動いたが、声は出てこなかった。
 ルーシーは早口に言葉を続けた。「私はずっと恋人が欲しいと思っていました。生涯をともにすごしたいと思う男性にはいまだに出会っていないし、恋人がいれば、むりに夫を持つ必要もないと思うんです」
「それはまたけっこうなことだ」ヒギンズのととのった顔に血の気と尊大さが戻った。
 彼の皮肉っぽい言葉の下に笑いが隠されているのが感じられた。「でも、だれでもいいというわけじゃないんです。魅力を感じる男性に出会うのをずっと待っていたんです」ルーシーはまっすぐヒギンズの目を見つめた。「で、ついに見つけました」
 ヒギンズの顔から、おもしろがっているような表情が消えた。「ルーシー」彼の低い声が、愛撫《あいぶ》の手のようにルーシーの肌を刺激した。
「はい?」
「ルーシー、君はとても魅力的な女性だ」
 無我夢中でルーシーは両手を握りしめた。「ほんとうにそうお思いになって?」
「ほんとうです」
「すてきだわ。これまで私を魅力的だと思ってくれた人は一人もいなかったの」興奮のあまり、言葉がほとばしりでて止まらなかった。「母が言うには、私は感情が激しすぎるし、なんでも思ったことをそのまま口にしすぎるんですって。だけど、私は――」
「ルーシー」ヒギンズがルーシーの腕をつかんだ。
 体じゅうの力が抜けてしまいそうだったが、ルーシーは足を踏んばり、キスを待ちうけた。キスの経験は一度もなかった。ずいぶん前にコルネリウス・コットンにキスされたことがあったが、あとになって彼の兄が弟に無理強いしたせいだとわかったので、ほんとうのキスとはいえない。今度のキスは違う。世にもすてきな男性から受けるほんもののファーストキスだ。
 よく消灯時間がすぎてから寄宿学校の友人たちと、キスの感触や男性の愛撫についてひそひそささやきあったものだった。そのなかで一つだけルーシーの記憶にあるのは、目を閉じるということだった。こんなにすてきな顔を前にして目を閉じるのは残念な気がしたが、ルーシーは正真正銘のほんとうのキスをしたかった。だから、目を閉じた。
「ルーシー」どことなく焦りのこもった声で、ふたたびヒギンズが言った。「ルーシー、僕を見て」
 ルーシーは大喜びで目を開けた。なんとすばらしい顔だろう。個性と頑健さと感動的なほどの誠実さにあふれた、生き生きした顔。ほほ笑むときの唇の動きが官能の喜びを暗示し、目にあふれているのは……哀れみ? 彼の目に哀れみなど浮かんでいるはずはない。絶対に違う。
「ランド――」
「なにも言わないで」ヒギンズはひどく優しくルーシーの唇に指を当てて、彼女の言葉をさえぎった。
 彼の指の感触に、ルーシーの唇は火傷《やけど》でもしたように熱くなった。が、彼はすぐに指を引っこめた。
「ルーシー、君の話の続きを聞く前に、僕から言っておかなくてはならないことが――」
「ランドルフ!」戸口からヒギンズを呼ぶ声がした。「ここにいたのね、ランドルフ。ずっと捜していたのよ」
 ルーシーがふりむくと、そこには驚くほど美しい女性が立っていた。小柄ですらりとした体つき。髪は金髪。豊かな胸としなやかな細い腰を強調するように頭をぐっとそらし、パリの有名オートクチュール〈ワース〉のものであることを示す薔薇の花飾りのついたドレスに身を包んでいる。いい香りのするシルクのドレスの衣擦《きぬず》れの音を響かせながら、その女性は二人に近づき、ヒギンズに向かって片手を差しのべた。
「やっと見つけたわ」すばらしい金髪美人が言った。それは、皮肉にもさっきルーシーが使った言葉によく似ていた。
 蒼白《そうはく》になった顔を今度は赤く染めて、ヒギンズがその女性の手をとった。「ミス・ルーシー・ハザウェイ、ダイアナ・ヒギンズをご紹介します」彼は女性の細い腰に腕をまわしながら言った。「僕の妻です」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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