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和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>御曹司

解説
フランスの大財閥の御曹司リヴィエルに熱心に口説き落とされ、恋人同士になった日本人留学生のタカミはいまだに彼のお金の使い方に慣れない。タカミのためにお金を使うことが大好きで、一瞬の満足のために湯水のごとく使ってしまう。誕生日を前に戦々恐々とするタカミは、恋人自らの手料理をおねだりしてみるが……!? 思いがけない事件続出で、二人の行く手はつねに波瀾な展開に!!
※こちらの作品にはイラストが収録されています。
尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。
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目次
act1 幸せのたまご
act2 天国は秘密
act3 ハーレム・ダンジョン
act2 天国は秘密
act3 ハーレム・ダンジョン
抄録
そのあとカフェに行って、話題の映画を見て、甘いものを食べて、蚤《のみ》の市をひやかして、それから小さなビストロを見つけて入って食べて、そしてホテルに行って。
「セミスイートしかとれなくてごめん」
「……いや、充分だよ」
パリの夜景を見下ろす高級ホテル。食事を作るのに失敗したリヴィエルの落ち込みようがあまりに深かったので、甘やかす意味で抵抗はしなかったのだが、やはりリヴィエルはリヴィエルで。
「予約もなくこんなホテルがとれただけでもびっくりだよ」
「タカミ」
「ん?」
「これ、さっき蚤の市で買ったんだ。受け取ってくれる?」
簡単に紙で包まれていたそれは、銀でできたにわとりの形のエッグスタンドだった。その愛らしさに鷹実が微笑む。
「これを見るたびに今日のことを思い出しそうだな」
「俺の料理は忘れていいよ。これはタカミのオムレツに敬意を表して」
鷹実はそれを両手で抱くと、リヴィエルの唇にキスをした。
「ありがとう」
「……ん」
リヴィエルがキスに応える。もぐり込んできた舌先を軽く噛み、鷹実はそれを受け入れた。口づけが深くなった。
リヴィエルは両手で鷹実の細い腰を抱き、体重を乗せるようにしてキスを続ける。コツン、と鷹実の頭がガラス窓にぶつかった。
リヴィエルは顔を放すと息を切らせている鷹実に笑いかけ、「ベッドへ?」と聞いた。
鷹実が赤くなってうなずくとそっとその身体を抱き上げる。
「メッソーが言ってた。料理は恋人に似ているって」
「メッソー?」
「俺の家のシェフ。料理を教えてもらってたんだ」
寝室のドアを蹴飛ばし、リヴィエルはダブルベッドに鷹実をおろした。
「たまごを鍋に入れる時は恋人をベッドに横たえるようにそっと。そして、優しくするときは優しく、力をこめるべきところは渾身の力で。気を配り、手間をかけ、手際よくことを進める――」
「へえ」
「それを聞いた時は俺は料理人に向いていると思ったんだけどなあ」
リヴィエルのぼやきに鷹実は吹き出す。
「わかったよ、リヴィエル。俺が確かめてやるよ。お前が一流の料理人かどうか」
「言ったな、タカミ。容赦しないよ?」
鷹実はリヴィエルに両手を広げた。リヴィエルはその腕の中にゆっくりと身体を沈めた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「セミスイートしかとれなくてごめん」
「……いや、充分だよ」
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「ん?」
「これ、さっき蚤の市で買ったんだ。受け取ってくれる?」
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鷹実はそれを両手で抱くと、リヴィエルの唇にキスをした。
「ありがとう」
「……ん」
リヴィエルがキスに応える。もぐり込んできた舌先を軽く噛み、鷹実はそれを受け入れた。口づけが深くなった。
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リヴィエルは顔を放すと息を切らせている鷹実に笑いかけ、「ベッドへ?」と聞いた。
鷹実が赤くなってうなずくとそっとその身体を抱き上げる。
「メッソーが言ってた。料理は恋人に似ているって」
「メッソー?」
「俺の家のシェフ。料理を教えてもらってたんだ」
寝室のドアを蹴飛ばし、リヴィエルはダブルベッドに鷹実をおろした。
「たまごを鍋に入れる時は恋人をベッドに横たえるようにそっと。そして、優しくするときは優しく、力をこめるべきところは渾身の力で。気を配り、手間をかけ、手際よくことを進める――」
「へえ」
「それを聞いた時は俺は料理人に向いていると思ったんだけどなあ」
リヴィエルのぼやきに鷹実は吹き出す。
「わかったよ、リヴィエル。俺が確かめてやるよ。お前が一流の料理人かどうか」
「言ったな、タカミ。容赦しないよ?」
鷹実はリヴィエルに両手を広げた。リヴィエルはその腕の中にゆっくりと身体を沈めた。
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