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薔薇の冠

薔薇の冠


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫ヒストリカル
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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解説

 ★修道院育ちのジネヴラは破産寸前の実家へ連れ戻された夜、若き領主に求婚された。運命は、世間知らずの彼女が想像もつかない方向へ動き出していた……。★
 十四世紀、ヨーロッパがペストや飢饉、戦争に苦しんでいたころ、イングランド王国のヨーク近隣にある、とある修道院では、預けられた多くの少女が清らかな毎日を送っていた。ジネヴラも、五歳のときから十二年間そこにいる。しかし、平和な日々はふいに終わりを告げた。身なりの立派な男性客を見かけたその日、院長から、ここを出て家に帰るようにと言われたのだ。やむなく兄の家に身を寄せてほどなく、その男性が訪ねてきた。彼は領主で、ジネヴラを妻に望んでいるという。横柄で失礼な人。だが領主の所望を拒むことは許されない。

抄録

「落ち着いて、小鳥さん。しいっ、だいじょうぶだよ」ジェイスは彼女があわてふためいて飛び立とうとしている野生の鳥かなにかのような言い方をした。「ただの嵐だ。だいじょうぶだよ、ハニー」ジネヴラの髪にそうささやきかけ、こめかみを撫でて、あごや頬にやさしく唇をあてる。やがてふたりの体はぴったりと重なった。雷鳴がとどろき、激しい雨が窓を打っている。ジェイスはジネヴラの体を温めて震えを静め、その手とやさしい言葉でそとの嵐と彼女の胸の中の嵐の音をかき消した。
 引きしまった彼の体は硬かったが、ジネヴラはその重みをいとわしいとは思わなかった。上がけに包まれて彼の下に横たわり、赤ん坊のようにあやされるのはうっとりするような体験だった。顔を撫でる彼の唇の感触や、温かい息や、のどをかすめるあごひげがジネヴラを快感に震わせて手足を熱くほてらせた。雷が遠ざかり、稲光がごくたまに夜空を明るくするだけになると、ジェイスの声はささやきに変わった。ふたりは長いあいだ身じろぎもせず、存在を主張するように窓を打つ雨と風の音に耳を傾けていた。
「眠ったのかい、小鳥さん?」しばらくしてジェイスがジネヴラの耳元でささやいた。
「よくわからないの。眠っているわけじゃないと思うわ。ただ夢を見ているだけじゃないかしら」ジネヴラは小声で答えた。
 ジネヴラがふざけた言い方をすると、笑みが返ってきた。さっきまでの不安はふしぎに思う気持ちへ変わっていた。きのうまではまったくの他人だった相手とこんなにぴったり寄り添って横たわっているなんて。そんなことがありえるのかしら? 結婚したときにするというのはこのことなの? これがジョアンナの言っていた契りを結ぶということ? 思いきってきいてみようかしら? こんな暗い中できいてだいじょうぶ?
「ジェイス?」
「なんだい、小鳥さん?」
 ジネヴラはささやくような小声でたずねた。「もしかして、これがその……あの……」言葉は尻すぼみになった。やっぱりきくべきではなかったのだ。
「これ……?」ジェイスは頭をあげてジネヴラの目をのぞきこんだ。彼女がなにをききたいのかはわかっている。
「あの、これが結婚したときにすることなの?」
 ジェイスは頬をゆるませてジネヴラの鼻のてっぺんにキスをした。「いや。これはそのほんの一部だ」
「じゃあ、これ以上のことがあるのね?」ジネヴラが顔をしかめた。
「ああ、まだまだ先がある!」ジェイスはふたたびジネヴラの鼻にキスをして含み笑いを漏らした。
 ジネヴラは暗くて顔を見られる心配がないことにほっとした。明るいところでとてもこんなことはきけない。「どれくらい?」
「それを教える楽しみは別の機会にとっておこう」ジェイスは暗闇の中でにっこりした。「きょうはじゅうぶんすぎるほどいろいろなことがあっただろう。もう眠ったほうがいい」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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