マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

ボスは独身貴族

ボスは独身貴族


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

 カーリーンは家政婦の職を求め、大牧場主の家で面接を受ける。雇い主のウィンは若くして富豪となり、しかも容姿端麗ときたら、どんな女性もほうってはおかないだろうと考えていると、彼女の心を見透かしたかのように、ウィンが警告した――妻の座につくのが目的なら今すぐ帰ったほうがいい、と。ところが、翌日から働くことになったカーリーンは、ウィンの誘いをかけるような執拗な視線にとまどう。結婚には関心がないけれど、一夜の関係は望むというのね! 怒ったカーリーンが辞職を申し出ると、ウィンは言った。「一夜の関係と結婚のあいだにはたくさんの領域があるんだよ」
 ★ハーレクイン・ロマンスで大活躍のルーシー・モンローが、アフロディーテに初登場! 本作は2007年11月に刊行された「遠まわりの初恋」(RX−7)の関連作品です。★

抄録

 ウィンは後ろからそっと近寄ると、カーリーンの両脇《りょうわき》から腕をまわし、シチュー鍋の取っ手をしっかりと握って持ち上げた。「こんろにかけたいのかい?」
 罠《わな》で捕らえられたうさぎのように、カーリーンは身じろぎもしなかった。「ええ、お願いします」
 彼女の声はやわらかく、かすれていた。ウィンは身をかがめて彼女の首筋のなめらかな肌にキスをして、彼女の声がどうなるか確かめたかったが、思いとどまった。調教師が早い段階で性急な要求をして、応じる心の準備ができていない雌馬を驚かせてしまったら、調教など少しもできない。
 ウィンは後ろに下がって片手でシチュー鍋を運び、彼女のためにこんろの上にのせた。
 彼に向き直ったカーリーンの頬はばら色に染まっていた。これもまた、ウィンが間近にいると彼女の感情をかき立てるという証《あかし》だ。カーリーンのすぐそばに立っていることで、ウィンもおおいなる影響を受けていた。気をつけないと、鞍《くら》ずれを起こした新米みたいな歩き方になってしまいそうだ。ふだんは履き心地のよいジーンズが、いまはどうにかなりそうなくらいきつく感じられる。
「ありがとうございました」
「おやすいご用さ、ハニー」
 せっせとシチューの用意をするカーリーンをウィンはじっと見守った。彼女の身のこなしはすばらしい。動きがなめらかで優雅だ。カーリーンは牛肉を取るために冷蔵庫を開けると、身をかがめるのではなく、しゃがんで取った。その様子を見て、ウィンは笑いそうになった。もしブルーデニムを張りつめさせる腿の眺めのほうがヒップより刺激が少ないと思っているのなら、カーリーンは男についてまだまだ勉強が足りない。
 彼女は体をまっすぐにして牛肉をまな板にのせた。「なんでしょう?」
「どうかしたかい、ハニー?」
 カーリーンは深く息を吸い、目を閉じて吐いてからまた目を開けた。「ここで何をしていらっしゃるんですか? お料理の講義をお望みなわけではないでしょう。それなら、厩舎に戻らなくてはならないはずなのに、なぜぶらぶらして夕食の支度をするわたしを眺めていらっしゃるんですか?」
 彼女の不機嫌な口調に、ウィンはにやりと笑った。「きみはいばっているね?」
 ウィンには彼女の歯ぎしりが聞こえるようだった。「あなたは仕事を中断されないで――家庭内のことに煩わされない状況で働きたいとおっしゃったじゃありませんか。家に来たのには何か理由があるはずでしょう」
「ああ」
「ご用はなんですか?」カーリーンはまるでウィンの首のまわりに指を巻きつけたいとでもいうような顔つきだ。といっても、気持ちのよいことをするつもりではなさそうだった。
 ぼくはなぜ家に来たのだろう? ああ、そうだ。「週末のために、キャセロール料理をふたつほど用意してもらえないかと思っていたんだ。ローサはよく作ってくれた。用意してもらえるとぼくはずいぶん助かるんだが」
 カーリーンはうなずいた。「そのくらい、おやすいご用ですわ」
「よかった」ウィンは背を向けて立ち去ろうとして足を止めた。「明日、ぼくが自分でその戸棚を取りつけようかな」
「いいえ、とんでもない……さっきの、大工に電話するというのは名案だと思いますわ」
「きみがどうしてもそう言うなら」
 キッチンをあとにするウィンの脳裏には、カーリーンの驚愕《きょうがく》した表情がはっきりと焼きついていた。この体の興奮状態に気づかれてしまったが、まあいいだろう。カーリーンはただひどくびっくりしただけで、怯《おび》えた顔はしていなかった。これはいい徴候だとウィンは思った。
 あのお嬢さんを手なずけたいのはやまやまだが、まずはぼくがそばにいることに慣れさせることが先決だ。実際に手を触れる段階に入るのはそれからだ。
 ちょうど神経をとがらせている雌馬を扱う要領だ。そして神経をとがらせている雌馬の扱いにかけては、ぼくはほかの人にはない才能を備えている。誰にでもたずねてみるがいい。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。