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シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル
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和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・ヒストリカル

夢の求婚者
著: ジョージーナ・デボン 翻訳: すずきいづみ発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル
価格:700pt
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレットみんなの評価 (未評価)
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著者プロフィール
ジョージーナ・デボン(Georgina Devon)
米アリゾナ州のツーソンで暮らす。個性的で優しさを秘めた人物像が好きで、自分でも描きたいと願っている。
米アリゾナ州のツーソンで暮らす。個性的で優しさを秘めた人物像が好きで、自分でも描きたいと願っている。
解説
エマたち姉妹にとって、社交シーズンは苦難の連続だった。賭事に溺れる兄の借金返済のため、裕福な結婚相手をひたすら物色。恋を楽しむ余地などない。それを元婚約者の弟、チャールズ・ホーソンにからかわれ、エマはいらだった。婚約解消した屈辱を早く忘れたいのに。その後も相変わらず放蕩三昧の兄が泥酔して帰宅したある晩、エマは兄の言葉に耳を疑った。決闘をすると言うのだ。それもよりによって、射撃の名手チャールズが相手とは。是が非でも決闘をやめさせたくて屋敷を訪ねたエマにチャールズは愛人になるよう提案した。
★謎めいた過去を持つ放蕩者に魅入られた清純なヒロイン、エマ。不遇に耐えるその健気さには胸をつかれます。ジョージーナ・デボンの描く夢のシンデレラストーリーをご堪能ください。★
★謎めいた過去を持つ放蕩者に魅入られた清純なヒロイン、エマ。不遇に耐えるその健気さには胸をつかれます。ジョージーナ・デボンの描く夢のシンデレラストーリーをご堪能ください。★
抄録
「わたしはもう一度お願いしなくてはならないんです。兄はあなたほど射撃がうまいわけではありませんので」
チャールズは肩をすくめた。「だったら、前にも言ったとおり、わたしに決闘など申し込まなければよかったんだ」
エマはため息をついた。「わかっています。でも兄は申し込みました。あなたは決闘を取りやめにできます」
ワイングラスを持つ手がこわばったが、彼はぐいと飲んだ。「二日前の晩、わたしは取りやめにしない理由をきみに話したね、ミス・ストックトン……エマ」
親密に名前を呼ばれて、エマの胃が締めつけられた。彼は女性を焦《じ》らして苦しめる方法を知っている。それと同時に社交界の約束事を破っている。「わたしをファーストネームで呼んでもいいとは申していませんが」
チャールズは彼女に微笑みかけた。あの、女性をうっとりさせる官能的な笑みだ。エマは乾いた唇を湿らせて、どうしてわたしはこの話し合いの主導権を失ったように感じるのだろうととまどった。
「ああ、許しをもらっていない。だがきみはわたしにぜひともしてほしいことがある。だからわたしはきみをファーストネームで呼ぶ権利をもらってもいいのではないかな」
神よ、お助けください。この瞬間、エマは彼にふたつでも三つでも権利を与えたくなった。エマは頭を振って、脳裏に浮かんだ心をかき乱すような光景を払った。その光景というのは、彼が彼女の手を取り、それから……。「もしあなたがわたしをファーストネームで呼ぶのを許したら、決闘を取りやめにしてくださるの?」
彼は眉を片方上げた。「その気になると思うね」
彼は約束を守るつもりはないだろう。エマは失望といらだちを覚えた。「でも、結局あなたは取りやめになさらない」
「ああ、取りやめにしない。この前きみに言ったように、取りやめにしたら、わたしの評判に好ましくない傷がつくだろう。わたしはすべてを失って、残されたものは名声だけだった時期がある。それを危うくする気はない」
エマは彼の論法は理解できたが、気に入らなかった。「では、わたしの目的が何かおわかりで、拒否なさるおつもりだったら、どうしてここにいらしたの?」
チャールズはワインを飲み干し、デカンターから自分でお代わりを注《つ》いだ。「わたしの気持ちを変えさせるために、きみがどんな見返りを申し出るのだろうと思ったんだ」
エマは彼が深紅色のワインを飲むのを眺めた。緊張で手を握り締めていた。もうすぐよ。
エマは彼の顔を見た。彼の目に浮かんでいるのは欲望かしら? 彼のような官能的な男性がわたしみたいな女を求めるはずがない。彼の兄でさえわたしを求めなかったのだ。ジョージ・ホーソンはこの人と比べたら少しも官能的ではない。
ともかく、エマはなんとか尋ねた。「それでわたしはどんな見返りを申し出ればいいんですの?」
チャールズはエマの目を見返した。暖炉の火で部屋は暖かいのに、エマは震えた。
「わたしの愛人になる」
エマは驚いて息をのんだ。これは予想していなかった。体の奥に熱いものを感じ、それが手足に広がった。体は喜びと期待が複雑にまじり合った興奮に震えた。理性が、彼はおまえを侮辱しただけだと言ったが。
「よくもそんなことを」言葉が足りないのはわかっていた。これだけでは自分の動揺や、感じるべきなのになぜかそれほど感じていない怒りを表していない。
チャールズは笑った。太い声が彼女の体の芯《しん》にからみつくようにして下りていった。エマは体がほてり、初めて経験する感覚に困惑した。
チャールズが椅子に座ったまま身を乗り出した。
エマは椅子の中で可能なかぎり身を引いた。
「怖いかい?」チャールズは嘲るように言った。
エマは突然息苦しさを感じて、息を吸い込んだ。暖炉の火が消えないかしら。熱くて燃えてしまいそうだ。だがエマは虚勢を張った。彼がしていることに対して自分にできる唯一の防御だ。「いいえ」
「それを証明してみたまえ」
エマは彼を見つめた。全身が恐ろしくて……あるいはもっと悪いことに、期待でぞくぞくした。「どうしろとおっしゃるの?」
「キスを一回」
エマはキスをしたら一度だけではすまなくなるとわかった。なぜか彼には引きつけられる。ほかの男性にはこんなふうに引きつけられたことはないのに。
「キスをしたら、決闘をやめてくださるの?」
「またそこに戻るのか」
「当然でしょう」
*この続きは製品版でお楽しみください。
チャールズは肩をすくめた。「だったら、前にも言ったとおり、わたしに決闘など申し込まなければよかったんだ」
エマはため息をついた。「わかっています。でも兄は申し込みました。あなたは決闘を取りやめにできます」
ワイングラスを持つ手がこわばったが、彼はぐいと飲んだ。「二日前の晩、わたしは取りやめにしない理由をきみに話したね、ミス・ストックトン……エマ」
親密に名前を呼ばれて、エマの胃が締めつけられた。彼は女性を焦《じ》らして苦しめる方法を知っている。それと同時に社交界の約束事を破っている。「わたしをファーストネームで呼んでもいいとは申していませんが」
チャールズは彼女に微笑みかけた。あの、女性をうっとりさせる官能的な笑みだ。エマは乾いた唇を湿らせて、どうしてわたしはこの話し合いの主導権を失ったように感じるのだろうととまどった。
「ああ、許しをもらっていない。だがきみはわたしにぜひともしてほしいことがある。だからわたしはきみをファーストネームで呼ぶ権利をもらってもいいのではないかな」
神よ、お助けください。この瞬間、エマは彼にふたつでも三つでも権利を与えたくなった。エマは頭を振って、脳裏に浮かんだ心をかき乱すような光景を払った。その光景というのは、彼が彼女の手を取り、それから……。「もしあなたがわたしをファーストネームで呼ぶのを許したら、決闘を取りやめにしてくださるの?」
彼は眉を片方上げた。「その気になると思うね」
彼は約束を守るつもりはないだろう。エマは失望といらだちを覚えた。「でも、結局あなたは取りやめになさらない」
「ああ、取りやめにしない。この前きみに言ったように、取りやめにしたら、わたしの評判に好ましくない傷がつくだろう。わたしはすべてを失って、残されたものは名声だけだった時期がある。それを危うくする気はない」
エマは彼の論法は理解できたが、気に入らなかった。「では、わたしの目的が何かおわかりで、拒否なさるおつもりだったら、どうしてここにいらしたの?」
チャールズはワインを飲み干し、デカンターから自分でお代わりを注《つ》いだ。「わたしの気持ちを変えさせるために、きみがどんな見返りを申し出るのだろうと思ったんだ」
エマは彼が深紅色のワインを飲むのを眺めた。緊張で手を握り締めていた。もうすぐよ。
エマは彼の顔を見た。彼の目に浮かんでいるのは欲望かしら? 彼のような官能的な男性がわたしみたいな女を求めるはずがない。彼の兄でさえわたしを求めなかったのだ。ジョージ・ホーソンはこの人と比べたら少しも官能的ではない。
ともかく、エマはなんとか尋ねた。「それでわたしはどんな見返りを申し出ればいいんですの?」
チャールズはエマの目を見返した。暖炉の火で部屋は暖かいのに、エマは震えた。
「わたしの愛人になる」
エマは驚いて息をのんだ。これは予想していなかった。体の奥に熱いものを感じ、それが手足に広がった。体は喜びと期待が複雑にまじり合った興奮に震えた。理性が、彼はおまえを侮辱しただけだと言ったが。
「よくもそんなことを」言葉が足りないのはわかっていた。これだけでは自分の動揺や、感じるべきなのになぜかそれほど感じていない怒りを表していない。
チャールズは笑った。太い声が彼女の体の芯《しん》にからみつくようにして下りていった。エマは体がほてり、初めて経験する感覚に困惑した。
チャールズが椅子に座ったまま身を乗り出した。
エマは椅子の中で可能なかぎり身を引いた。
「怖いかい?」チャールズは嘲るように言った。
エマは突然息苦しさを感じて、息を吸い込んだ。暖炉の火が消えないかしら。熱くて燃えてしまいそうだ。だがエマは虚勢を張った。彼がしていることに対して自分にできる唯一の防御だ。「いいえ」
「それを証明してみたまえ」
エマは彼を見つめた。全身が恐ろしくて……あるいはもっと悪いことに、期待でぞくぞくした。「どうしろとおっしゃるの?」
「キスを一回」
エマはキスをしたら一度だけではすまなくなるとわかった。なぜか彼には引きつけられる。ほかの男性にはこんなふうに引きつけられたことはないのに。
「キスをしたら、決闘をやめてくださるの?」
「またそこに戻るのか」
「当然でしょう」
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