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青の鼓動

青の鼓動


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks シリーズ: アイス・シリーズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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解説

 美術館で催されたパーティーで、学芸員のサマー・ホーソンは落ち着かない気分を味わっていた。今夜は誰かにずっと見つめられている気がする。パーティーに日本のカルト教団の教祖である“白様”が来ているのは知っていた。彼はサマーが所有する古い壺を手に入れたがっているのだが、それは今は亡き日本人の乳母からサマーが譲り受けたもので、いくら“白様”に乞われても渡す気はない。しかし、今感じているこの視線は、どうも彼ではないらしい。振り返ったサマーの瞳に映ったのは、エキゾチックな風貌の背の高い男だった……。

抄録

「それで、どうするつもり?」とサマーは言い、こちらを見つめかえした。まるでこれから起きることを知っているかのように。
 タカシは彼女の首筋に手をやった。うしろでひとつにまとめられた髪は、なんとも忙《せわ》しない夜を過ごすなかでいまにも解《ほど》けつつある。神経がぴくぴく引きつり、脈の波打っているのが指先を通して感じられたが、その反応が目の前にいる男を恐れてのものなのか、今夜のできごとを思いだしてのものなのかはわからなかった。その瞳のなかにはなにかが宿っていた。しかしそれがなんなのかは理解できなかったし、この状況では考えている余裕もなかった。彼女の肌はやわらかく、かすかに熱を帯びていた。自分の大きな手なら、容易にその首をつかむことができる。
「キスでもするつもり?」とサマーは言った。まるでそれが死よりもたちの悪い運命であるかのように。「だってあなたはわたしの命を救ってくれたわけだし、輝く鎧《よろい》をまとった騎士として、それなりのお礼を要求してもおかしくないもの。でも、できればそんなことはしてほしくないわ。それより、どうしてわたしのことを見ていたのか教えてちょうだい。どうしてあの男たちのあとをつけていたの? あとをつけてどうするつもりだったの?」
「きみにキスをするつもりなんて、はじめからない」
「それを聞いてほっとしたわ」とサマーは言い、そばかすの下にある肌をかすかに赤く染めた。「でも、あなたは何者なの? わたしにどんな用があるというの?」
 なにもプレッシャーを感じるようなことではない。相手がそれを求めているなら、同時に口づけをしたってかまわない。いずれにしろ、唇を離すころには死んでいるだろう。それはほんとうにたやすいことだった。すべては賢明な判断による措置にすぎない。
 美術館から壺を回収するにしても、彼女の助けは必要ないはずだった。“委員会”が才能を認めるスパイのひとりとして、警備システムにも感知されず建物に侵入することには絶対の自信がある。彼女が死ねば、危険をはらんだ秘密も共にこの世界から消えるのだし、今後の展開としてはそれがいちばん安全だった。彼女が生きているかぎり、いつ“白様”の手が及び、本人すら気づいていない秘密が悪用されないとも限らない。彼女が死にさえすれば、危険は回避できる。
 首筋にかけた手にほんの少し力を加えた瞬間だった。彼女の瞳がふと疑念にかげるのが見えた。片づけるなら早いところやってしまわなければならない。疑念が増幅して、恐怖に変わる前に。下手なためらいは、相手に痛みを与えるだけに終わる。
「わたしが推理するに、あなたはわたしの母親に雇われたボディーガードってところでしょう」質問に答えない相手を見て、サマーは言葉を続けた。「きっと母もあとで考え直したに違いないわ。尊敬する教祖が欲しいものを得るためならなんでもすることを知って、いずれわたしにも危害が及ぶと思ったのかもしれない。まったく愚かなものね。連中は美術館からあの壺を盗むのがどんなに簡単か理解していないんだから」

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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