マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

罪なボディガード

罪なボディガード


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 テレサ・サウスウィック(Teresa Southwick)
 カリフォルニアで夫とともに暮らしている。少女のころから読書が大好きだった。フルタイムの作家になるという夢が実現し、無上の喜びを感じている。お気に入りは、ジャスミンの香り、浜辺の散歩、屋根に当たる雨の音、そして何よりもハッピーエンドだという。

解説

 ジェイミーはやり手の弁護士として多忙な日々を送っていた。最近は誰かにときめくこともなく、浮いた噂一つない。ある日突然現れたサムにも、最初はいらだちを覚えただけだった。サムは両親が送り込んできたロス市警の元刑事。深夜の無言電話のことを知って心配した両親が、娘のためにとチャリティオークションで落札した男性だ。三十日間、私のボディガードをするように仕組んだらしい。だったら、せめて彼があんなにハンサムでなければよかったのに。目が合った瞬間に頬が熱くなり、ジェイミーは自分を哀れに思った。いつかいなくなってしまう男性に、また惹かれている……。

抄録

「おいおい、怪我《けが》するなよ」
「心配ご無用よ」
 サムがキッチン用具や鍋《なべ》を食器洗浄機に入れている間、ジェイミーはテーブルをきれいにした。シンクの前で二人の視線がふっとからむ。その瞬間、互いの間にぴりぴりと電流のようなものが走ったのをサムはたしかに感じた。まずいな。
「こんな時間だ。君はもう眠ったほうがいい」
「そうね。でもあなたが泊まると思っていなかったから、客用寝室の用意をしていないの」
 ジェイミーの寝室から廊下を隔てた向かい側の部屋が客用寝室だった。彼女はシーツや毛布、枕《まくら》などをかき集めて客用寝室へ行き、サムに渡した。
「ベッドはキャスターつきよ」やや小さめのツインベッドを指し示して説明する。「もし必要なら下のベッドを引き出せば、キングサイズになるわ」
「あのランニングマシンを実際に使っているのかい?」ベッドを整えて、サムは尋ねた。
「ええ。衣類をかけるだけのものじゃないわ。でも、あなたのじゃまはしないから」
「今さら遅いよ」ついつぶやいてしまった。
「えっ?」
「もう遅い。ベッドに入ったほうがいいよ」ジーンズのポケットに指先だけ突っこみ、サムはドアの柱に肩をもたせかけた。
「ええ」彼女は少しためらってから下唇を噛《か》んだ。「サム?」
「なんだい?」
「あなたに迷惑をかけているのはわかっているの。でも、今朝コンピューターに送られてきた写真が気味悪くて。あなたがいてくれて心強いわ」
「どういたしまして。さあ、眠ろう」
 ところがジェイミーの口元をちらりと見たサムは、彼女にキスをするべきかどうか迷った。“立ち往生する”とはこういうことなのだろうか? 他人を守ろうとする困った性格のせいで僕は法廷に引き出され、判決によってジェイミーと三十日間も過ごすはめになった。ハリー判事はたいしたものだ。彼は罪に見合った罰を与えた。
「本当にありがとう。もしほかに必要なものがあれば、自由に使ってね」
 ジェイミーはちょっとためらってから、サムの頬にキスをしようと爪先立ちになった。その気配を察し、サムは彼女の唇が頬に触れる瞬間唇を合わせた。爪先立ちしやすいように両手をサムの肩に置いていたジェイミーを、抱き寄せて支える。
 キスは燃えあがる炎のようで、サムは息をするのも忘れた。押しつけられたジェイミーの胸は温かくてやわらかく、すてきな感触だった。天国みたいな彼女の香りがサムの鼻を、音楽のような荒い呼吸が耳をくすぐる。正気を奪うほど激しくキスを浴びせ、ついにジェイミーが喉からあえぎ声をもらしたとき、彼は理性を捨てそうになった。
 だが、捨てはしなかった。唇を離し、一歩あとずさるだけの理性は残っていた。
 サムは長い息を吐いて後ろに下がると、てのひらに食いこむほどドアノブを握りしめた。
「ボディガードとして、してはならないことだった。今後社会奉仕期間中に、いっさいこんなまねはしないから」

 ジェイミーは鏡をのぞくなり、うんざりして頭を振った。目の下にはコンシーラーをつけたが、くまは隠しようがなかった。父と母は今ごろ安心して眠っているかもしれないけれど、私ときたらどう? 彼女の気分は楽になるどころではなかった。
 まるでアンデルセン童話に出てくるえんどう豆の上に寝たお姫様よろしく、ジェイミーは一晩じゅうサムがいることを意識していた。それだけであやしい気持ちになり、どうしようもなくサムに触れたかった。彼の胸に両手を這《は》わせてうっすら伸びたひげのざらざらした感触をてのひらに感じ、髪に指をくぐらせてキスをもう一度味わいたかった。とんでもないことだけど、あのときの私はキスに酔いしれ、彼とともに果てしなく落ちていくつもりでいた。でもと、ジェイミーは思った。彼は夢中になったりせず、冷静で落ち着いていた。二度とキスしたくないと思ったからに違いない。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。