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花嫁になれる日【ハーレクイン文庫版】

花嫁になれる日【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

二人が結婚しなければ、牧場を競売にかける――そうお互いのおじに遺言を残された、ジリアンとセオドア。幼いころから知っているセオドアを慕ってはいたけれど、ジリアンには彼との結婚を素直に喜べない事情があった。
彼女には、暴行されかけた過去があったのだ。しかも二度も。一度目は15歳のときに。次は16歳のときに。そのときのトラウマのせいで、どうしても男性を恐れてしまう。しかも、犯人のひとりが出所し、過去を吹聴し始めたせいで、セオドアにも白い目で見られている気がして……。

*本書は、ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ジリアンは生え際まで真っ赤になってぱっと退くと、なすすべもなくセオドアを見つめた。かつて会計士は悪態をつきつづけ、知り合いの男全員におまえは不感症だと言いふらしてやるとののしった。
 けれどもセオドアは違った。それどころか、ほほえんでいた。とてもやさしく。
 セオドアはジリアンの赤くなった顔を大きな両手ではさむと、頭を下げて額にそっとキスをした。それからまぶたにキスをして目を閉じさせた。
「僕たちはみな秘密の傷を抱えているんだよ、ジェイク。いつの日か、君は僕に打ち明けたくなる。そのとき僕は耳を傾けるから」彼は顔を上げた。「しばらくは最高の相棒でいよう。ただし、君がスカートをはいているときは別だ。告白すると、僕には女性用の化粧室を使う相棒はあまりいないんだ」
 一瞬ジリアンはぽかんとしたが、吹き出した。
「そのほうがいい」セオドアはにっこりした。彼は首を曲げて、いかにも男性らしい品定めの視線をジリアンに向けた。「本当にすてきだ」
「借り物なの」ジリアンは口走った。「サッシー・キャリスターの」
「なるほど」
 ジリアンは笑った。「彼女のクローゼットには着たこともない服が詰まっているらしいわ。私は借りたくなかったんだけれど、彼女に押しきられて。あの夫婦はよく似ているわ」
「彼はペチコートをはくのか?」
「最近は女の人だってペチコートやふくらんだスカートははかないわよ、セオドア」
「失礼、時代を間違っていたようだ」
 ジリアンはにっこりした。「そんな時代に生きていなくてよかったわ!」
 セオドアは肩をすくめた。「僕は祖母とおじに育てられた。二人とも、女性が肌につけるものについて口にしたことがなかったよ」
「私だって同じだけど」
「君のジョンおじさんも、そういう昔かたぎの人だったからね」
「私たちは二人とも、古い考え方を受け継いでいるということね」ジリアンはセオドアの完璧なダークスーツと染み一つない白いシャツ、ブルーのネクタイに目をとめた。「あなたもとってもすてきよ」
「このスーツはジョン・キャリスターの結婚式に出席するために買ったんだ。ドレスアップする機会はあまりなくてね」
「私も同じ」ジリアンはため息をついた。
「一緒に出かけることはできると思うよ」セオドアが言った。「僕はハンティングと釣りが好きだ」
「私は銃が嫌いなのよ」彼女はそっけなく言った。
「僕の仕事では必需品なんだよ、ジェイク」
「そうね。悪かったわ」
「いいんだ。君は釣りが好きだったね」
「最近はかわいそうな虫を水に沈めていないわ」
 セオドアはくすりと笑った。「命のあるものはすべて意味があるんだ。虫は人間がうまい魚をつかまえるのに役立ってくれる」
「虫はその意見に賛成しないんじゃないかしら」
「今度会ったら、きいてみるよ」
 ジリアンは声をあげて笑った。これまでにないほど気分がよくなった。セオドアは私がだめな女だと思っていない。キスをされた私が拒絶しても、怒っていない。もしかしたら、もしかしたらだけれど、私にも希望はあるのかもしれない。
 セオドアの黒い瞳はやさしかった。「君がハイヒールをはいていなくてよかった」
「どうして?」
 彼は自分のやわらかな黒革のブーツを見おろした。「これは仕事ではいているものほど頑丈じゃないんだ。ダンスフロアで君が僕の足を踏んで、ピンヒールの穴だらけになったらいやだからね」
「私はあなたの足を踏んだりしないわよ」ジリアンはわざと自信たっぷりに言った。「つまずいて花のプランターの上に着地する可能性はあるけれど」
「その話は聞いたことがある」セオドアは笑いながら答えた。「哀れなハリス・トウェインのことだろう。彼は二度とレストランの入口で足を突き出したりしないと保証するよ。彼の話では、君は盛大にプランターの土をかぶったそうじゃないか。頭から突っこんだって……?」
 ジリアンはため息をついた。「みんなと違って、私は体の動きがばらばらなのよ。人の足どころか自分の足にだってつまずけるわ」
 セオドアにはそういう不器用さが不思議だった。ジリアンはある面では非常に有能だが、ころぶことが多い。彼は顔をしかめた。
「私のこと、不器用だと思っているんでしょう。まったくもってそのとおりよ」
「君の平衡感覚に疑問を持ったんだ。内耳に問題があるんじゃないか?」
 ジリアンは目をしばたたいた。「私の耳とどんな関係があるというの?」
「大いにあるよ。内耳に障害があれば、平衡感覚に影響をおよぼすから」
「耳に痛みはないわ」ジリアンはそう言って目をそらした。「もう出かけたほうがいいんじゃない?」
 彼女はなにかを隠している。もしかしたら多くのことを。セオドアは受け流すことにした。
「ビリングズのラテンダンスクラブなんて」ジリアンは笑った。「すごくエキゾチックね!」
「オーナーはもっとエキゾチックだよ。君もきっと彼が好きになる」セオドアが身を乗り出す。「彼は若いころ、銃の密輸にかかわっていたんだ」
「すごい! あなたの知り合いって、そんなおかしな人たちばかりなのね」セオドアのトラックに向かいながら彼女は言った。「洗車してワックスをかけたのね?」トラックを見て、からかった。
「そりゃ、すてきな女性を汚いトラックでダンスに連れていくわけにはいかないだろう」
「私は気にしないわよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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