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暴君の結婚宣言

暴君の結婚宣言


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

もう一度愛されると、私は信じてきた。彼は生涯一緒と言った……友人として。

仕事中に呼ばれたケイラは、人生最大のショックを受けた。社長のアンドレアスが結婚して家族をつくるというのだ。なぜその相手が、知り合って8年、彼を愛してきた私じゃないの?それはきっと私が、里親育ちの“雑種”だからだ。悲しみと屈辱のあまり、ケイラは無断で休暇をとって旅に出た。するとアンドレアスは会社を放り出し、彼女を追いかけてきた。「君は僕の人生の一部だ。結婚してもその事実は変わらない!」アンドレアスにとって、妻の横に私がいるのは当然なのだ。別の女性を選んだ彼を見るなんて、私には拷問でしかないのに。

■傲慢なヒーローに6年前、突然別れを告げられたヒロイン。傷心旅行中、当時の彼の真意を聞いたヒロインは昔に戻ったように、熱い誘惑に身を任せてしまいます。生涯の伴侶にはなれないと知りながら……。HQロマンスを代表する作家L・モンローの傑作をどうぞ!

抄録

「以前は親友だったの」
「いつまで?」ジェイコブがきく。驚くべき洞察力と思いやりだ。
「昨日の朝、会社を売ると聞かされるまで」
 ジェイコブがうなずいた。「残念だな」
「ありがとう。こんなことを言ってもしかたないかもしれないけれど、私、今夜を本当に楽しみにしていたわ」
「だけど、僕が望んでいたような終わり方はしなかったんだろうね」ジェイコブの声に非難の響きはなく、ただ失望だけが感じられた。
 ケイラは肩をすくめた。「たぶんね」
「ありえない」アンドレアスが話に割りこんできた。「彼女は行きずりのセックスなどしないんだ」
 ケイラは彼に食ってかかった。「あなたって本当に最低ね」
「そして、君は僕が知っている中で最高の女性だ。ジェイコブがこれまで出会った中でも最高だろうな」
 ケイラは言葉を失い、まじまじとアンドレアスを見つめた。
 ジェイコブが笑いだした。「君は本当になにも知らない、ろくでなしなんだな」
「僕は優秀な経営者だ」アンドレアスのむっとした口調には当惑が表れており、聞いていておかしくなるほどだった。
 ジェイコブはケイラを引き寄せ、映画に出てくるようなキスをした。「君に会えて本当によかったよ、ケイラ・ジョーンズ。街にいるあいだにボスから逃げられたら、連絡してくれ。一緒になにかしよう」
 ケイラはにっこりした。「そうするわ」
 その後、アンドレアスはずっとジェイコブをにらみつけていて、話しかけられても短い返事しかしなかった。ケイラが荷物をまとめおえると、横柄に手を伸ばす。「僕が持とう」
「大丈夫よ」
 アンドレアスはあえて反論せず、ケイラが荷物を渡すのを待った。彼の生来の礼儀正しさには、自立心の強いケイラもこれまで一度も勝てたことがなかった。
「さっきはずいぶん口がうまかったわね?」エレベーターに乗りこんだとき、ケイラはきつい口調で言った。
「どうすればいいか、わかっていただけだ」
「そうなの? じゃあ、どうしてあなたはいま、ニューヨークにいるのかしら? さっぱりわからないわ。会社を売りたいのよね? それは私にはとめられない。結婚コンサルタントに妻を見つけてもらいたくても、あなたがここにいたら、話は先に進まない。だったら、この街にいる目的はなんなの?」
「君のためだ」
「でも、どうして?」
 アンドレアスは答えなかった。エレベーターの中でも、混雑した通りに出たときも、タクシーに乗ったあとも、ホテルにつくまでかたくなに黙りこんでいた。
 ドアマンがやってくると、アンドレアスはケイラの荷物を渡し、気前よくチップを払ってスイートルームまで運ぶよう指示した。
「どこへ行くの?」またタクシーに戻ってきたアンドレアスを見て、ケイラはきいた。
「君は食事に出かけようとしていた」
「ルームサービスを頼んでもよかったのに」
「夜のニューヨークに出かけるのを楽しみにしていたじゃないか」
「あなたと一緒にじゃないけれどね」
「僕たちはまだ友人だ、ケイラ」
「どうかしらね」口にするのはつらかった。
「そんなことは言うな」
「大事に思っているみたいなふりはやめて」
「大事だとも!」
 ケイラはびくりとした。アンドレアスがこんなふうにかんしゃくを起こすなんて。
「六年前、あなたは言ったわね。あなたにとって、私がどれだけ大事な存在なのかを。でもあのときの私は、必死にそんなはずはないと思いこもうとしていたの」
「なんだって? 六年前? なんの話だ? 君は昨日のミーティングを怒っていると思っていたのに」
 ケイラは涙がこみあげてくるのを感じた。「そのことも怒っていたわ。でも、結局ぜんぶ同じなのよ。私はあなたにとって、目的のための手段にすぎない。いままでずっとそうだったんだわ。わからないのは、どうしてあなたがニューヨークにいるかよ。どうしてジェイコブのアパートメントに来て、私と彼の夜をだいなしにしたの? たぶん、私は本当のあなたを知らなかったのね。卑劣だなんて思ったことはなかったもの」
「卑劣?」アンドレアスが声をあげた。「僕の大事な女性を守ろうとしたから、あのいまいましいプレイボーイからブロードウェイの大役を奪わずにいてやったんだぞ」
「あなたは私を大事だなんて思っていない。いままでだってずっとそうだった」
 私はアンドレアスが起業するのに必要な、パズルの一ピースにすぎなかった。ソフトウェアを開発できる人材を使って会社を大きくすれば、バルナバス・ゲオルガスを見返せる。アンドレアス・コスタスは父親の金も名前も必要としなかった、と。
「車をUターンさせろ!」唐突にアンドレアスが叫んだ。
「どういうことだい?」タクシー運転手は大げさに手を動かした。「無理だよ。ここは一方通行なんでね」
「ホテルに戻ってくれ」
 ケイラは胸の前で腕を組んだ。「食事に出かけると思っていたのに」
「赤の他人がおおぜいいる場所で、重大な話をするわけにはいかない」
「聞いてると、話というよりも喧嘩みたいだがね」運転手が口を挟む。
 アンドレアスは運転手を無視し、ケイラを見た。「君はなにもわかっていない」
「その点に関しては認めるわ」
 それでも彼が落ち着くようすはなく、ホテルにつくまでは沈黙が続いた。
 ケイラは怖くなった。今夜を境に、家族だと考えていた唯一の男性は悪い思い出に変わるのかもしれない。しかし、いま思っていることが正しければ、私は六年間、ずっと自分をごまかしていたことになる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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