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愛をなくした夜 華麗なるシーク I

愛をなくした夜 華麗なるシーク I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス華麗なるシーク
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 サンドラ・マートン(Sandra Marton)
 アメリカの作家。少女のころから書くことが大好きで、早くからラブストーリーを書いていた。ロマンス作家としてのデビューは一九八六年。その後次々と作品を発表している。

解説

 キャリアウーマンとして充実した日々を送るマディソンにとって、自分に足りないと思うのは、今や子どもだけだった。とはいえ結婚して夫に縛られたくはない。彼女は精子バンクを利用して人工授精を受けることを決意した。願いがかなって妊娠が判明した直後、一カ月前のパーティで彼女を侮辱した男性が訪ねてきた。ドゥバーク王国皇太子、シーク・タリクだ。なんの用かといぶかるマディソンに彼は告げた。「君は僕の子を妊娠している」ありえない。一笑に付したものの、彼の目は真剣だった。
 ★サンドラ・マートンがお届けする三部作はアラブのシークたちがヒーロー。全員がアメリカの大学で学び、固い友情でむすばれています。彼らの結婚観とは? 興味の尽きないミニシリーズです!★

抄録

 マディソンが示した反応は、タリクの予想をくつがえすものだった。確かに彼女は驚き、恐怖の念もいだいている。事実、顔は青ざめ、体は震えて、目は見開かれている。だが、その態度は挑戦的で、美しくもあった。
 シャワーを浴びた直後であるのは明らかだ。濡れた髪はブロンズ色に輝き、乱れて顔にかかっている。着古したバスローブはセクシーさとは無縁だが、濡れた体の輪郭をくっきりと映しだしていた。鋭くとがった胸の頂も、ウエストのくびれも、ふっくらとした腰も、長い脚も同様だった。
 熱い血が奔流となって体内を駆け巡る。タリクは我が身の反応を呪《のろ》った。欲望に駆られている場合ではないのに、反応してしまう。そういう影響力を持つ目の前の女性に対して怒りがつのった。
「あなた、プリンスなの?」
 やはりそうか。美しく挑戦的だが、今まで会ったほかの女性と同じだ。こちらを王族と認めたからには、もう僕の意のままだ。
「そうだ。僕はドゥバーク皇太子、タリク・アル・セイフだ」
「プリンスとはね!」マディソンは吹きだした。
「何がおかしい?」タリクは威圧的な口調で尋ねた。
「やっとわかったわ。バーバラがあなたを送りつけたのね」
「誰だって?」
「彼女はわたしたちが会ったことがあるって知らないのよ。たぶん、あなたこそ女性にとって天の恵みだと思ったんだわ。まあ、確かに──」
 タリクはいきなり進み出て、マディソンの肘をつかんで持ちあげた。彼女の体が浮き、爪先立ちになる。「僕を笑うな!」
 だが、マディソンは笑い続けている。タリクはますます腹が立ってきた。
「黙れ。聞こえたか? 黙れと言ったんだ!」マディソンの体を揺さぶる。
「無理よ。バーバラがあなたの正体を知っていたら──」
「正体はこれだ」言うなり、タリクはマディソンの口をキスで封じた。その瞬間、この四週間というもの、女性をベッドに誘う気になれなかった理由がわかった。僕が求めていたものはこれだったのだ。腕の中にいるこの女性。ふっくらとした胸は僕の胸に押しつぶされ、腹部には欲望のあかしが当たっている。
 マディソンは抵抗しているが、かまうものか。僕は欲しいものを必ず手に入れる。そして何度も何度も……。
 ついにマディソンはすすり泣きをもらし始め、両腕をタリクの首にからませて口を開けた。
 僕をからかって恥をかかせたあの晩とまったく同じ展開だ、とタリクは思った。だが、あんなまねは二度とさせるものか。彼はマディソンの両手首をつかんで体のわきに下ろし、腕に指を食いこませた。
 過ちを犯したら、そこから教訓を得る。同じ過ちを繰り返すのは愚か者だけだ。
 マディソンが目を見開いた。夜の闇《やみ》を思わせる瞳がタリクを見つめる。
「またゲームを仕掛けるつもりだったのか?」
「ゲーム?」
 彼がさらに指を食いこませると、マディソンは痛みにあえいだ。
「また僕をもてあそべると思っているなら、今に後悔するぞ」
 マディソンが顔を赤らめ、唇を震わせた。タリクはもう一度柔らかな体を抱きしめ、甘い唇を自ら開くまでキスをしたかった。だが、この女性はこうしたことに長《た》けている。タリクの顎がこわばった。
「放して!」
 彼女の必死の叫びに、タリクはおもむろに手を離した。
「後悔するとしたらあなたのほうよ。今すぐここから出ていって」
「僕を脅すつもりか?」
「私を見くびらないで。あなたは招かれもしないのにやってきた。帰ってちょうだいと言っているの。帰らないなら警察を呼ぶわよ。これは単なる脅しじゃないわ」
「警察など呼べやしない」
 マディソンは冷静さを取り戻しつつある、とタリクは思った。つんと上げた顎や冷たいほほ笑みがそれを物語っている。
「称号がものを言うと思っているの? ここはアメリカなのよ。法律が──」
「演説をしたいのか?」タリクは遮り、腕組みをした。「それとも、僕がここに来た理由を知りたいのか?」
 マディソンは不愉快そうに笑った。「理由くらいわかっているわ」
「君をくどきに来たとでも思っているのか?」タリクはうっすらと笑みを浮かべた。「もしそうだとしたら、今ごろ君は仰向けになり、体の奥深く僕を迎え入れている。二分ばかり前のことを忘れたとは言わせない」
 マディソンが一歩近づき、手を振りあげた。タリクはその手をとらえ、軽くひねった。
「君がこの前ゲームを仕掛けてきたときは、まわりに人が大勢いた。だが、今は違う。最後まで進むつもりなら、とっくにそうしている。わかったか?」
「そんなことより、まずは手を放して。痛いわ!」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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