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強いられた情事【ハーレクイン・セレクト版】

強いられた情事【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

解説

メグは飛行機で黒髪のハンサムな男性ニクラスと隣り合わせた。機内が消灯した後も話は弾み、いつしかキスを交わして……。濃密な愛撫は地上に降りたあとも続き、メグはこの見ず知らずの裕福な男性に求婚されると、魔法にかかったようにバージンを捧げ、二人は一夜で夫婦になった。だが翌朝、夫は忽然と消えた――新妻をベッドに残したまま。1年後、心を閉ざしたメグの前にニクラスの弁護士が現れ、彼が無実の罪で拘置所にいるという驚くべき事実を告げた。ニクラスに会えるのは法的な妻であるメグだけで、面会を許される唯一の理由が、“夫婦の営み”の要求だというのだ!

■メグは悩んだ末、ニクラスを救うために拘置所を訪れます。ところが、夫婦用面会室で情熱的な再会を果たしたあと、彼は離婚話を切り出し……。HQロマンスとイマージュの両方で活躍する人気作家キャロル・マリネッリの衝撃的なロマンスをお楽しみください。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「あなたはドス・サントスというの?」
 客室乗務員が立ち去るのを待ってメグはきいた。すると、それは孤児によくつけられる姓だとニクラスは説明した。
「ポルトガル語で“聖人にちなんで”という意味なんだ」
「どうして孤児になったの?」
「わからない。おそらく捨てられたんだろう。孤児院の前に置き去りにされていたんだ。ぼくは何も知らない」
「家族を捜そうとしたことは?」
 その話はしたくないと言いかけて、ニクラスは思い直した。「実を言うと捜したことはある。だが、何もわからなかった。顧問弁護士のミゲルに頼んだが、成果はなかった」
 そういう境遇で育つのがどんなものかメグは尋ねたが、たぶん答えてもらえないだろうと思った。ニクラスの人柄が少しずつわかってきたからだ。案の定、彼は言った。
「その話はしたくない」
 話はまたメグのことに戻った。ニクラスとならいつまでも話していられそうだと思う。だが、いくら親しくなったとはいえ、恋人がいるかときかれたときは答えに窮した。
「そういう人はいないわ」
「誰かと親密な関係になったことは?」
「それもないわ」一応そう答えたものの、事実はちょっと違う。「婚約する寸前だったけれど、わたしのほうから取りやめにしたの」
「どうして?」
 メグは答えなかった。
「どうして?」ニクラスが重ねてきいた。
「その人は両親のお気に入りだったの」メグはごくりと唾をのみこんだ。「つまり会社の同僚だったのよ……」
 彼女のためらいがニクラスにも伝わってきた。
「さっきも世界が狭いとかいう話をしたけれど……彼と結婚したら、その小さな世界でずっと暮らす羽目になると思ったの」
「彼は怒っただろう?」
「いいえ、それほどでもなかったわ」メグは正直に答えた。「そんな情熱もなかったし……」メグは口ごもった。この話はもうしたくない。
 メグはその気持ちを正直に伝える代わりに、もう眠りたいと言った。機内は暗くシャンパンの酔いも手伝って、会話は途切れがちになり、やがて二人は眠りに落ちた。
 どれくらい眠っていたかわからない。目を開けたとたん、メグは後悔に襲われた。
 話した内容よりもその終わり方に。一緒にいられる時間は限られているのに、眠って貴重な時間を無駄にしてしまった。
 やがてコーヒーの香りとエンジン音がメグをはっきりと覚醒させた。メグはニクラスに目をやった。彼はまだぐっすり眠っている。なんと美しい寝顔だろう。間近に彼をじっくり観察できる初めてのチャンスだ。黒い髪はかき上げられ、きれいな輪郭を描いた唇はリラックスしてわずかに開かれている。メグは黒く長いまつげを見て、そこに隠された美しい瞳を想像した。今、夢のなかで彼は何語を話しているのかしら?
 そのとき彼のまぶたが上がった。
 ニクラスは、目を開けるとメグの顔がそこにあったので喜んだ。彼女に見つめられているのを感じて、視線を合わせる。
「英語だ」きかれてもいないのにニクラスは答えた。そのひと言で充分だった。確かに彼は英語で夢を見ていた。メグの夢だ。そして彼は美女の隣で目覚めたときにいつもすることをしようとした。
 だがシートのあいだには隙間があり、今それをするのはちょっと難しい。彼女を引き寄せることもできない。それでも努力するだけの価値はある。ニクラスは肘をついて横向きになり、彼女の顔が正面に来るまで体の位置をずらし、上からのぞきこんだ。
「きみは言いかけたことを終わらせていない」
 メグは彼を見返した。
「情熱はなかったときみは言ったが……」
 彼に背を向け、話を打ち切ろうとメグは思った。彼の質問は実に不適切だ。きいたのがニクラスでなければ、そう思わなかったかもしれない。だが彼の息が頬をくすぐり、美しい唇がすぐ目の前にある状態では、不適切としか言いようがない。
「情熱がなかったのはわたしのほうなの」
「そうは考えられないが」
「でも、実際そうだったのよ」
「きみは彼のことを求めていなかったのか、ぼくほどには?」
 ニクラスが何をしようとしているか、メグにはわかった。
 彼女もそれを望んだ。心から望んでいた。
 ニクラスは実行した。
 唇が触れ合ったとき、知らない人とキスをしている感じはしなかった。何もかもがすてきだった。
 彼のキスは驚くほど優しかった。こんなふうにそっと唇に触れてくるとは思わなかった。メグは一瞬安堵を覚えたほどだった。しかし、唇のあいだに滑りこんできた舌の感触はあまりにも刺激的で親密だった。
 これは探りを入れるためのキスではない。メグは不意に悟った。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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