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愛は時空を越えて【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】

愛は時空を越えて【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・サラ(Sharon Sala)
 強く気高い正義のヒーローを好んで描き、業界のみならず読者からも絶大な賞賛を得る実力派作家。息子と娘、それに孫が四人いる。“愛も含め、持つ者は与えねばならない。与えれば百倍になって返ってくる”が信条。ダイナ・マコール名義の著書も出版されている。

解説

メアリーは夫ダニエルと生後3カ月の愛娘ホープを事故で亡くし、この6年、ずっと悲しみと孤独から抜け出せずにいた。ある日、ふと入った古道具店でにわかにめまいを感じて気を失い、目覚めると、6年前の事故直前の世界に戻っていた。なりふり構わず、メアリーは身を挺して愛する夫と娘の命を救った。夢か現実かもわからぬまま、ただこの時が続けばいいと願うが、気づけばもといた店にまた戻っており、彼女は現実に打ちのめされる。だが帰ろうとしたそのとき、幼い少女と男性の姿が目に飛びこんできた。なんとそれは、愛してやまないダニエルと、6歳になったホープだった!

■涙の感動作で読み手の心を癒やしつづける偉大な作家、シャロン・サラの名作をお贈りします。“あなたに永遠の約束を”と刻まれた美しいアンティークの指輪に指を通した瞬間、不思議なできごとが起こり……。後悔、夢、そして希望が描かれた、深い愛の物語です。

*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「母さん?」
 フィリスは憤然とした顔で振り返った。
「一時間くらい前に電話をしたんだけど、あなた聞いてる?」
「ああ、聞いたよ。あとでこっちからかけると、メアリーが言わなかったかい?」
 フィリスはまるで飛び蹴りをされたような顔をした。メアリーをちらりと見て、息子に視線を戻した。
「え、ええ……そう言っていたとは思うけど、あなた電話をくれなかったし、用事があったから……」フィリスは自分のまちがいは認めずに、深呼吸をしてふたたび口を開いた。「イブリンおばさんが町に来ているのよ。彼女と夫のハバートが今夜夕食に来るから、あなたたちにも来てもらいたくて」
 ダニエルは母親を見て、そしてメアリーを見た。メアリーは命綱にすがるかのように、まだテーブルにしがみついている。そのとき、不意に状況がのみ込めてきた。
 メアリーは心の準備をしてダニエルが招待に応じるのを待った。義父母の家に出かけたら、みじめな夜を耐え忍ぶことになるのがわかっている。しかし、驚いたことにダニエルは誘いを断った。
「すまない、母さん」彼は母親の横を通りすぎて、メアリーの体に腕を巻きつけ、ぎゅっと抱きしめた。「今夜はもう予定があるんだ」
 フィリスの口がぽかんと開いた。たとえ息子にひっぱたかれたとしても、これ以上驚きはしなかっただろう。彼女はメアリーをにらんだ。ダニエルが断ったのは、この女のせいにちがいない。
「でも、イブリンはまだあなたの娘に会ってないのよ。それに、次にいつこっちに来られるかわからないし」
 ダニエルは母親の泣き言を意に介さず、メアリーの体にかけた手に力を込めた。
「ホープは僕ひとりの子どもじゃないよ。僕とメアリーの子どもだ。行けなくてほんとうにすまない。イブリンおばさんに、写真を送るって伝えてくれるかな?」
 メアリーは愕然とした。いま起こっていることがまだ信じられなかったが、ほっとして顔がゆるまないようこらえるのが精いっぱいだった。
「一緒にお昼をどう?」ダニエルは言った。「僕はメアリーほど料理が上手じゃないが、彼女が今朝手を切ってしまったからピンチヒッターさ。缶詰のスープとサンドイッチしかないけどね。トマトを切るのにすごくてこずったよ」
 フィリスはメアリーを見ようともせず、ダニエルとも視線を合わせなかった。
「いいえ、遠慮しておくわ。今夜に備えていろいろやることがあるから」フィリスはスカートの前の部分をなで下ろすと、あごを上げて作り笑いをした。「ともかく、ご招待ありがとう。また今度ね」
「イブリンおばさんとハバートおじさんによろしく伝えて」ダニエルは言った。
「ええ……伝えるわ。二人ともがっかりするでしょうね」
 ダニエルはくっくっと笑った。「だったら次は前もって電話して、来ることを知らせてくれないと」
 フィリスは何も言わずに出ていった。
 そのとたん、ダニエルはメアリーの両肩をつかんだ。
「メアリー……」
 彼女はため息をつき、顔を上げた。
「話してくれ」
「いったい何を?」
「まず、母はいつからあんなふうに君に接していたかということ」
 メアリーの口もとが震えた。けれど、泣きだしてはならない。
「私が妊娠してあなたと結婚することを、お義母様が知った日から」
「まさか!」
「でもほんとうなのよ」
「どうして僕に言わなかった?」
 メアリーは反抗的にあごを上げた。「なんて言えばよかったの? 妊娠しなかったらあなたは私にプロポーズなんかしていなかったと、お義母様が思っていらっしゃるって?」
「それでよかったのに」
「言えなかったのよ」メアリーは彼の手から逃れて背を向けた。
「なぜだ?」
 彼女は答えたが、あまりに小さな声だったので、ダニエルには聞き取れなかった。
「なんだって?」
 メアリーはいきなり振り向き、声を荒らげた。
「自信がなかったからよ! それが事実かもしれないでしょう?」
 ダニエルは一瞬言葉を失った。彼女の口から出てきた言葉が信じられなかった。
「本気じゃないだろうね?」
 メアリーは何も言わずにその場に立っている。
 ダニエルは深く息を吸おうとしたが、涙でのどが詰まってしまった。
「メアリー……。どうやったらそんなふうに僕を疑えるんだ?」
 彼女の唇が震え、目に涙があふれた。
「ああ、ベイビー……泣かないでくれ」
 ダニエルはメアリーを引き寄せ、震える手を髪に差し入れて、体をゆっくりと揺らした。
「約束するよ。僕の親が君を侮辱することは二度とない。両親のやってきたことがちっとも見えてなくてすまなかった。僕を信じてほしい。もう二度とこんなことにはならない。僕は君を心から愛しているよ。君を失ったら、僕は死んでしまう」
「失ったりしないわ」メアリーはささやいた。「私もあなたを愛してる、ダニエル。永遠に」
「よし、それじゃ」ダニエルは小声で言い、メアリーが呼吸を忘れるほどやさしいキスをした。「ランチが先かい?」
 メアリーは小首をかしげ、ダニエルのまなざしを微笑みで受け止めた。
「いいえ、あとがいいわ」
「よかった」ダニエルはつぶやき、彼女の脚をすくって抱き上げた。「ホープがちょっと長めに眠ってくれたらいいんだが……」
 メアリーは彼の肩に頬をすり寄せた。ダニエルは彼女を寝室に運んでいった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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