マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ヒストリカル

秘密の愛人関係 スキャンダラスな貴族たち II

秘密の愛人関係 スキャンダラスな貴族たち II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカルスキャンダラスな貴族たち
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 ルイーズ・アレン(Louise Allen)
 物心ついたときから歴史に深い興味を抱いていて、八歳のときには三ページの歴史小説を書いた。地理と考古学の学位を持ち、特定の風景や場所から、小説を書くインスピレーションを得ることが多いという。とくにヴェネチアやブルゴーニュ、ギリシアの島々からはこれまでに多くのアイデアが生まれた。作品のモデルにもなる最愛の夫とベッドフォードシャーに在住している。

解説

 ベルはとびきり魅力的な愛人を探していた。もうすぐ亡夫の喪が明ける。これからは新しい人生を楽しもう――貞淑な妻は卒業して。そのためにこの家を購入したのだ。こんなふうにロマンチックな愛の詩を読むのも悪くない。と、部屋の外で物音がした。誰かが階段でつまずいたような音も。つづいてドアが勢いよく開いた。揺らめく蝋燭の炎に照らし出されたのは、脚が長く肩幅の広い緋色の軍服姿の男性だった。「きみは、ぼくが無事帰還を果たしたことを祝う贈り物かな?」男性はろれつの回らない口調で嬉しそうに言い、部屋に入ってきた。ベルはじりじりと後ろに下がった……。
 ◆ 突如現れたあまりにもセクシーな男性。ベルは彼に大胆な提案を持ちかけます。〈スキャンダラスな貴族たち〉の二話目となる本作のヒロインは、前作ヒーロー、ジャックの妹ベルです。

抄録

 アッシュは階段の途中で足を止め、暗闇《くらやみ》に向かって顔をしかめた。どうしてそんなふうに考えるのだ? 彼は肩をすくめた。男女の関係についてあれこれ考えていると、ベリンダを待たせることになり、感謝されないだろう。アッシュは敵の後方で作戦を遂行しているときと同じように音をたてずに階段を上り、踊り場で右に曲がってドアを軽くこすった。
 ベリンダがドアを開けると、ベッド脇のテーブルに置かれた蝋燭の明かりで室内が見えた。アッシュは中に入った。ベリンダはドアを閉め、無言でテーブルの脇に動いた。そこで本を読んでいたようだ。
 蝋燭の揺れる明かりがほどいた彼女の髪を照らし、焦げ茶色の髪に琥珀《こはく》が編みこまれたように輝かせた。アッシュはその髪を持ちあげて、指を滑りこませたくなった。慌てるな。我慢するのだ。彼女にはその価値がある。「レディ・ベリンダ」
「友人にはベルと呼ばれています」ベルの声は不安でかすれている。
「ベル」呼んでみると、舌になじんで心地よく、アッシュは思わずほほえんだ。彼女にぴったりだ。「すてきだ。きみに似合っている」彼女は琥珀色の絹の長いゆるやかなローブを着て、それをリボンでとめている。動くとローブの打ち合わせが動いて濃い色合いの寝巻きが見えた。豊かな髪が肩にかかり、素足の先端がのぞいている。最初の夜と同じ姿だ。
 ただ、あのときより顔色が悪く、目が大きく見える。ゆうべダンスをしたときには、これほど華奢《きゃしゃ》な感じはしなかった。「大丈夫かい、ベル?」アッシュは彼女に近づこうとして、爪先が何かにぶつかり、はたと足を止めた。下を見ると、毛むくじゃらの大きな頭に埋めこまれた緑色のガラスの目がこちらをにらみつけている。アッシュの爪先はその獰猛《どうもう》な口にはさまっていた。またしても白熊《しろくま》か。「こんばんは、ホラス」彼は脇にどいた。
 ベルは小さくあえぐように笑った。「大丈夫です。ただ……少し不安なだけ」
「ぼくも不安だ」アッシュはすんなりと言い、ベルに近づいた。おや、まるで寝ていないようだ。震えているのか、ドレスの裾《すそ》が揺れている。ぼくが両手をひとつ叩《たた》いたら、彼女は驚いて失神してしまうだろう。しゃべっている場合ではない。彼女をうっとりさせなくては。
 ベルの肩に両手をかけると、細い骨が手に触れ、アッシュは息をのんだ。灰色の目を見開いて立ったままこちらを見つめる彼女の唇に唇を重ねようと顔を下ろしたとき、彼女の目に自分の姿が映って見えた。
 唇が触れあうと、アッシュの体は衝撃に貫かれた。なぜだろう。かすかに花の香りがする女らしい彼女の香り――あるいは彼女の味のせいか。軽く触れただけでも甘い。だが、前にも彼女の肌にキスをして、抱きよせたことがあるから、何の違和感もない。アッシュは口を動かしてベルの唇を探りながら考えた。
 ベルはアッシュの唇と唇を合わせて小さくあえぎながら、両手を彼の胸の上に動かした。彼の体にしがみつこうか、それとも押しのけようか迷っているかのように。彼はベルの唇の縁を舌先でたどった。ベルは簡単に唇を開いて舌を受け入れてくれるだろうか。ぼくがしていることと、何を望んでいるのかがわかっているのか? アッシュが彼女の下唇をやさしく吸うと、彼女はびくっと震えた。
 何もわかっていないようだ。アッシュは無理じいするつもりはなかったが、力をやわらげ、舌先でベルの下唇を横になぞった。彼女は手を少しずつ上に動かしてアッシュの肩にかけ、さらに体を近づけた。アッシュは気をよくして、彼女を引きよせた。ワルツを踊ったときのように、彼女はアッシュに身を任せている。
 アッシュがベルの下唇を噛《か》むと、ベルは爪先立ちして体を押しつけた。彼はベルのお尻を両手で包みこんで下半身に押しつけたくなった。やさしく攻めると、ベルが唇を開いたので、舌を滑りこませた。ベルの舌がためらいがちに彼の舌に触れる。こんなふうに無邪気に信頼されたことで感動した経験はこれまでなかったかもしれない。
 やはり彼女の亡くなったご亭主は妻をほったらかしておくつまらない男だったのだろう。だが、ベルと結婚しながら誘惑もせず、性の楽しみをむさぼらないでいられる男がいるのだろうか。どうして彼女はこんなに無垢《むく》な娘のような反応なんだ?
 ベルはアッシュの肩にしがみついていた。彼女が立っていられるのは両手をアッシュの肩に置いているからだった。アッシュはゆっくり口を離して、笑顔でベルを見おろした。彼女の顔は紅潮し、口の端にかすかな笑みを浮かべている。その唇はアッシュに執拗《しつよう》に攻められて、腫れているようだ。
「大丈夫かい?」アッシュは気絶しそうなベルを軽く揺らすように言った。
「ええ」ベルはまばたきした。アッシュは両手を開いて彼女を放した。その動きで彼女のローブを結わえているリボンがひらひら動いた。アッシュは蝶《ちょう》結びのリボンをゆっくりほどき、指に絹のサテンのリボンを滑らせた。その動きが彼女を愛撫《あいぶ》するところを想像させた。
「自分でできるわ」ベルは弱々しい声で言い、ゆっくりとリボンをほどくアッシュの手を上からぎこちなく押さえつけた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。