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発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ・エクストラ
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和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・イマージュ

ボスは完璧
著: マーガレット・ウェイ、 ジェシカ・スティール、 パトリシア・セアー 翻訳: 美琴あまね、 大森みち花、 清水由貴子発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ・エクストラ
価格:1,000pt
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレットみんなの評価 ★★★☆☆(1)
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著者プロフィール
マーガレット・ウェイ(Margaret Way)
書くことが大好き。息子がまだ赤ちゃんのころから小説を書きはじめ、今では執筆しているときが彼女のいちばん充実した時間になっている。楽しみは仕事の合間を縫って画廊やオークションに出かけること。また、シャンパンには目がない。オーストラリアのブリスベーン市街を見下ろす小高い丘にある家が彼女の安息所である。
ジェシカ・スティール(Jessica Steele)
イングランド中部に、七人兄妹の六番目に生まれた。現在はウースターシャーの風光明媚で文化財に富んだ村に夫とともに住んでいる。公務員として働きながら夜の時間を執筆にあてていたが、夫の励ましを得てフルタイムの作家となった。一番の趣味は旅行で、メキシコ、中国、香港……と、取材をかねてさまざまな国を訪れている。
書くことが大好き。息子がまだ赤ちゃんのころから小説を書きはじめ、今では執筆しているときが彼女のいちばん充実した時間になっている。楽しみは仕事の合間を縫って画廊やオークションに出かけること。また、シャンパンには目がない。オーストラリアのブリスベーン市街を見下ろす小高い丘にある家が彼女の安息所である。
ジェシカ・スティール(Jessica Steele)
イングランド中部に、七人兄妹の六番目に生まれた。現在はウースターシャーの風光明媚で文化財に富んだ村に夫とともに住んでいる。公務員として働きながら夜の時間を執筆にあてていたが、夫の励ましを得てフルタイムの作家となった。一番の趣味は旅行で、メキシコ、中国、香港……と、取材をかねてさまざまな国を訪れている。
解説
十六歳の誕生日を迎えた晩、トリは恋心を抱いていたハドの部屋に忍び込んだ。彼との絆を深め、愛を確かめ合いたいと願ったのだ。ハドは激しい情熱を見せたものの不意に冷静になり、彼女に部屋を出ていけと命じた。その四年後、トリは彼と思わぬ再会を果たす……。
ソレルは女友達から法外な頼み事をされた。彼女の上司が出社してくる前に、デスクの引き出しに重要な書類を戻してほしいという。しぶしぶ始業時間前に友達の会社へ行き、首尾よく目的のデスクを見つけたが、鋭い目のケイレブ・マスターソンに呼び止められ……。
「どうぞお引きとりください」。エリーは怒りに燃える目でヒュー・マカッチョンをにらみつけた。代々受け継いできた大切なぶどう園を大企業からやってきた男に売り渡すわけにはいかない。ところが彼はぶどう園に滞在することになり、エリーの心はかき乱された。
3篇同時収録。
ソレルは女友達から法外な頼み事をされた。彼女の上司が出社してくる前に、デスクの引き出しに重要な書類を戻してほしいという。しぶしぶ始業時間前に友達の会社へ行き、首尾よく目的のデスクを見つけたが、鋭い目のケイレブ・マスターソンに呼び止められ……。
「どうぞお引きとりください」。エリーは怒りに燃える目でヒュー・マカッチョンをにらみつけた。代々受け継いできた大切なぶどう園を大企業からやってきた男に売り渡すわけにはいかない。ところが彼はぶどう園に滞在することになり、エリーの心はかき乱された。
3篇同時収録。
抄録
ここまではうまくいった。運命の女神は彼女の勇気を讃えてくれたのだ。ヴィクトリアはそう信じていた。
月明かりがベランダを照らしている。開け放ったフランス窓を通して、砂漠からのそよ風がボロニアの花の香りを運んできた。薄いカーテンの中央の裾が風でふくらみ、両脇に見事なひだをつくり出している。時計がかちかちと鳴っていた。大きな音ではないが、銀色の闇の中ではっきりと聞きとれる。わたしはこんなに音が大きかったら眠れないわ。この時計が十五分を知らせる鐘を鳴らしませんように。そんなことになったら、神経がもたないだろう。
ヴィクトリアは前へ進んだ。地に足がついていないような気がした。背中までの長さがある黒みがかった赤褐色の髪はきれいに巻いて、喉や肩のまわりにからみつくように垂らした。そうしたのは妖精のように小さくとがった耳を隠すためだ。自分を美しいと感じた。いつもは自分の美貌にうっとりするようなことはなかったが。
クリーム色のサテン地で飾った豪華な絹のネグリジェの裾を、ペルシャ絨毯の床につかないように持ち上げる。踏んで転んだりしたら大変だ。ロマンチックな登場をするはずなのが台なしになる。ネグリジェは美しく、魅惑的で、蠱惑的だった。ネグリジェを買ったのは初めてだ。びっくりするようなセクシーな下着を売っているこぢんまりとした高級品店で、こっそり手に入れた。これが一番小さいサイズだった。あまり似合っているとは言えなかったが――特に胸のあたりは――一人前の女性の仲間入りをしたように思えた。
ハドの呼吸が急に変わった。ヴィクトリアはびっくりした。体が震えた。ハドが動いた。上掛けを蹴り、寝返りを打って彼女のほうに顔を向けた。ヴィクトリアのことをイライザの幽霊だと思ったのかもしれない。もしかしたら気の毒なイライザが泣くのに、ときどき肩を貸してあげていたのかも。女性なら誰だってそうしてほしいだろう。
ハドの声がした。まだ半分眠っているみたいだった。「トリ、なにをしている?」
ヴィクトリアは立ちすくんだ。そうよ、わたしよ。でも、声が出なかった。ただこう考えただけだ。まあ、わたし、なにをしてしまったのかしら? 現実とは思えなかった。
椅子をよけ、気持ちが高ぶるのを感じながら、ベッドへ近づいた。ハドの引きしまった体から目を離すことができなかった。彼はボクサーパンツ以外はなにも身にまとっていない。ヴィクトリアは息をのんだ。誘惑したくてたまらなかった。ハドの長く、まっすぐな脚に上掛けがからみついている。
ハドはヴィクトリアにとって安全な港のようなものだ。でも、今夜は違う。未知の冒険、発見の航海へ出かけるのだ。ヴィクトリアは高いベッドのかたわらに立った。ベッドは、身長百九十センチと背が高いハドのために特注されたものだった。彼女はベッドへよじのぼった。楽にのぼれたわけではない。丈の短いネグリジェにしたほうが賢明だったかもしれないが、いまはそんなことはどうでもいい。ああ、ハドと一緒に眠るのね。上になって、下になって、ともに横たわって、同じ空気を吸うんだわ。ヴィクトリアはうれしさのあまり、小さく震えながらうめいた。これが人生最高のときでなくて、なんだと言うのかしら。
やったわ! ヴィクトリアはうっとりしながら考えた。いつもの自分ではないような気がした。興奮しすぎているかもしれない。ハドは夢だと思うかも。でも、それも無謀な冒険の一部だ。願望。そして夢。ハドはわたしの誘惑に抗いはしないだろう。ヴィクトリアは、愛情と庇護を求める置き去りにされた子どものように、家族の誰よりもいとこのハドに安らぎを感じていた。でも、いま欲しいのは安らぎではない。何年もかけて築き上げた絆を実感したかった。
ヴィクトリアは果てしない喜びと勝利を感じていた。ハドが彼女の体の感触を楽しむかのように抱き寄せたからだ。体の中に炎が燃え上がるかのように、激しい情熱がヴィクトリアを突き動かした。思わず歓喜の声がもれた。そして、このうえない喜びの瞬間がやってきた。まぶたが重くなり、手足がだるくなる。ハドの美しい黒髪が、彼女の上から垂れ下がってきた。
キスして。わたしに触れて。わたしの体はもう準備ができているわ。
ヴィクトリアの脳の働きは、少なくとも一時間前に止まっていた。ハドが、美しく感じやすいハドの唇が、彼女に触れ、喉から胸のあいだへとおりていく。ヴィクトリアの体は歓喜で満たされた。長い脚をシーツの上で動かし、膝を花びらのように外側へ開く。息ができない。頭がくらくらする。このくらいのこと、なんともないと思っていたのに。苦しいほど激しい感覚が襲ってくる。だんだん怖くなってきた。ハドの肩をつかみ、力強い骨とつやのある肌に触れ、お願いだから少し待ってと言いたかった。
*この続きは製品版でお楽しみください。
月明かりがベランダを照らしている。開け放ったフランス窓を通して、砂漠からのそよ風がボロニアの花の香りを運んできた。薄いカーテンの中央の裾が風でふくらみ、両脇に見事なひだをつくり出している。時計がかちかちと鳴っていた。大きな音ではないが、銀色の闇の中ではっきりと聞きとれる。わたしはこんなに音が大きかったら眠れないわ。この時計が十五分を知らせる鐘を鳴らしませんように。そんなことになったら、神経がもたないだろう。
ヴィクトリアは前へ進んだ。地に足がついていないような気がした。背中までの長さがある黒みがかった赤褐色の髪はきれいに巻いて、喉や肩のまわりにからみつくように垂らした。そうしたのは妖精のように小さくとがった耳を隠すためだ。自分を美しいと感じた。いつもは自分の美貌にうっとりするようなことはなかったが。
クリーム色のサテン地で飾った豪華な絹のネグリジェの裾を、ペルシャ絨毯の床につかないように持ち上げる。踏んで転んだりしたら大変だ。ロマンチックな登場をするはずなのが台なしになる。ネグリジェは美しく、魅惑的で、蠱惑的だった。ネグリジェを買ったのは初めてだ。びっくりするようなセクシーな下着を売っているこぢんまりとした高級品店で、こっそり手に入れた。これが一番小さいサイズだった。あまり似合っているとは言えなかったが――特に胸のあたりは――一人前の女性の仲間入りをしたように思えた。
ハドの呼吸が急に変わった。ヴィクトリアはびっくりした。体が震えた。ハドが動いた。上掛けを蹴り、寝返りを打って彼女のほうに顔を向けた。ヴィクトリアのことをイライザの幽霊だと思ったのかもしれない。もしかしたら気の毒なイライザが泣くのに、ときどき肩を貸してあげていたのかも。女性なら誰だってそうしてほしいだろう。
ハドの声がした。まだ半分眠っているみたいだった。「トリ、なにをしている?」
ヴィクトリアは立ちすくんだ。そうよ、わたしよ。でも、声が出なかった。ただこう考えただけだ。まあ、わたし、なにをしてしまったのかしら? 現実とは思えなかった。
椅子をよけ、気持ちが高ぶるのを感じながら、ベッドへ近づいた。ハドの引きしまった体から目を離すことができなかった。彼はボクサーパンツ以外はなにも身にまとっていない。ヴィクトリアは息をのんだ。誘惑したくてたまらなかった。ハドの長く、まっすぐな脚に上掛けがからみついている。
ハドはヴィクトリアにとって安全な港のようなものだ。でも、今夜は違う。未知の冒険、発見の航海へ出かけるのだ。ヴィクトリアは高いベッドのかたわらに立った。ベッドは、身長百九十センチと背が高いハドのために特注されたものだった。彼女はベッドへよじのぼった。楽にのぼれたわけではない。丈の短いネグリジェにしたほうが賢明だったかもしれないが、いまはそんなことはどうでもいい。ああ、ハドと一緒に眠るのね。上になって、下になって、ともに横たわって、同じ空気を吸うんだわ。ヴィクトリアはうれしさのあまり、小さく震えながらうめいた。これが人生最高のときでなくて、なんだと言うのかしら。
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キスして。わたしに触れて。わたしの体はもう準備ができているわ。
ヴィクトリアの脳の働きは、少なくとも一時間前に止まっていた。ハドが、美しく感じやすいハドの唇が、彼女に触れ、喉から胸のあいだへとおりていく。ヴィクトリアの体は歓喜で満たされた。長い脚をシーツの上で動かし、膝を花びらのように外側へ開く。息ができない。頭がくらくらする。このくらいのこと、なんともないと思っていたのに。苦しいほど激しい感覚が襲ってくる。だんだん怖くなってきた。ハドの肩をつかみ、力強い骨とつやのある肌に触れ、お願いだから少し待ってと言いたかった。
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