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クールな御曹司は甘い恋をご所望です

クールな御曹司は甘い恋をご所望です


発行: マーマレード文庫
シリーズ: マーマレード文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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解説

俺だけには甘えたくなるようにしてあげる
甘党上司との、スイーツみたいに甘い恋をめしあがれ

お菓子づくりが趣味のOL・水野莉子は、姉の開く料理教室を手伝っている。ある週末、ジュニアレッスンのサポートをする莉子の前に現れたのは、なんと上司である各務貴成だった!会社では常にクールな彼は、実は大の甘党男子で…!?素顔を知ったことをきっかけに二人の距離は縮まっていく。自分だけに見せてくれる甘い態度に、ときめく莉子は――。

抄録

「ところで、君に大切な話があるんだ。もう少し時間をくれないか?」
 突然そんな風に切り出されて、ほんの少しだけ身構えてしまった。
「大切な話……?」
 なんの話だろう、と小首を傾げる。
 ひとり黙り込んで考えていると、不意に各務専務が真剣な表情になった。
 真っ直ぐな瞳を向けられて、無意識にごくりと息を呑む。
 なぜか鼓動が跳ね上がって、胸がドキドキと騒ぎ出した。
「水野さん」
「はい……」
 今の今まで笑い合っていて楽しい雰囲気だったのに、いつのまにか緊張感が芽生えていて、専務の呼びかけに答えた声が震えそうだった。
 緊張のあまり、思わず膝の上に置いていた手をギュッと握って、背筋を伸ばす。
 程なくして、各務専務がおもむろに口を開いた。
「俺と付き合ってくれないか?」
 静かに紡がれた言葉に、目を真ん丸にしてしまう。聞き間違いだとしか思えなくて、しばらくポカンとしたあとで、首を僅かに傾げながら「え……?」と漏らした。
「あの――」
「俺と付き合ってほしい。君が好きなんだ」
 私の言葉を制するように、専務がはっきりとした口調で告げて微笑む。
「料理教室で会ったとき、水野さんはためらうことなく俺を受け入れて、それどころか『その方がいい』とまで言ってくれた。今までは、ああいうプライベートでの自分や甘い物が好きだというのは人に知られまいと隠してきたし、知られたときは幻滅されると思っていた。だからこそ、笑顔で受け入れてもらえたことが嬉しかった」
 各務専務の声音はとても優しいけれど、その口から零される言葉はどれも信じられそうにない。だって、すべてに恵まれているような完璧な人が、そんな風に感じてくれているなんて……。
「あのときまでは会社での水野さんのことしか知らなかったし、今まで社員のプライベートに興味を持つことなんてなかったが、会社でもプライベートでも君に会えると嬉しくて、いつの間にかもっと君のことを知りたいと思うようになっていた」
 信じられなかったけれど、真剣な眼差しに捕らえられたままの私の瞳は、専務から逸らすことができない。
「そして今日一日、水野さんと一緒に過ごして確信した。俺は、これからずっと君と一緒にいたいと思っている」
 迷いのない言葉に熱を起こされた胸の奥が、キュウッと締めつけられる。
 ドキドキさせられるのは、ただ告白されているからじゃない。
 きっと、私も各務専務のことが……。
「なんのメリットもないのに、美奈たちのために一生懸命になってくれて嬉しかった。もし、俺へのお礼がしたいという理由だったとしても、あんなに純粋に頑張る姿を見せられては、水野さんへの想いを自覚せずにはいられなかったと思う」
 でも、専務と私じゃ……なにもかもが違い過ぎるよ……。それに、専務の周りには私よりも素敵な人がたくさんいて、私なんてなにもかもが普通なのに……。
「今は仕事が忙しいし、恋人なんていらないと思っていた。正直に言えば、今まではそこに割く時間があれば、仕事をしたいと考えていたんだ。だけど、さっき水野さんに『頑張ってください』と言ってもらえたときは嬉しくて、あんな風に笑いかけてくれる君が傍にいてくれたらもっと頑張れると思った。そしてなによりも、俺の手で君を幸せにしたいと思ったんだ」
 戸惑う私に、各務専務は真っ直ぐに想いを伝えてくれて……。とても嬉しいと思う反面、専務との立場の違いを自覚しているからこそ心が曇りそうになる。
「簡単には信じてもらえないかもしれないが、この気持ちに嘘はない。だから、これからは恋人として、俺と一緒にいてくれないか? 君を幸せにすると、約束する」
 どんな答えを出せばいいのかわからなかったけれど、それでもこんな風に想ってくれている人を前にして、黙っているわけにはいかない。戸惑いと嬉しさ、そして少しの切なさに包まれ、素直になれないことを自覚しながらもゆっくりと息を吐く。
「専務のように素敵な方にそんな風に想っていただけていたなんて信じられませんが、専務のお言葉が信じられないわけではありません……」
 消え入りそうな声が、ふたりきりの部屋に落ちる。
「ですが、私はただの社員です。専務に釣り合うようなものはなにもありませんし、これからもそういうものを持てることはないと思います。ですから……」
 胸の奥がやけに苦しくて、油断すれば声が震えてしまいそう。
 僅かに瞳を伏せてから小さな深呼吸をひとつして、再び各務専務を見つめる。
「お気持ちはとてもありがたいのですが、お付き合いは……」
 そこで言葉を呑み込んでしまった私は、専務から逃げるように俯いた。
 できません、と続けるつもりだったのに声にならなかったのは、きっと本心じゃなかったから。
“できない”とは思うけれど、“したくない”わけじゃない。
 だって、各務専務の気持ちはとても嬉しい。
 優しい夢みたいでまだ信じられないけれど、今だって嬉しくてドキドキして、素直に頷けたらどんなにいいだろうと思っているのだから……。
「水野さん、その続きは? 『できない』のか、『したくない』のか、どっちなんだ?」
 唇を動かせば専務に甘えてしまいそうで、心が揺らぐ。
 すると、そんな私の気持ちを見透かすような微笑みが向けられた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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