マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

非情な王に囚われて

非情な王に囚われて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 ミシェル・コンダー(Michelle Conder)
 メルボルン大学を卒業後はさまざまな仕事に就き、やがて海外を旅したり、そこで働いたりするようになったという。オーストラリアに帰国後、生涯の夢である作家になることを決めた。現在、3人の子供と夫とともにメルボルンに暮らす。

解説

“王族の結婚に愛は必要ない”なぜそんな悲しいことを言うの?

連絡の途絶えた弟を捜しにサンタラ国を訪れた教師のリーガン。写真を手に尋ね歩く途中、バーで全身黒ずくめの男から、弟が婚礼間近の王女と消えたと聞かされて驚く。この男こそ、国王ジェイグだった!妹を奪われ激怒する彼の王宮にリーガンは囚われるが、ある取り引きを持ちかけられた。舞踏会に婚約者として同伴すれば、弟の罪は問わないというのだ。私を“婚約者”という名の罪人として扱うつもり?怯えながら引き受けたリーガンだったが、彼の男性的な魅力や、紳士的な心遣いに、思いがけず心を揺り動かされて……。

■新鮮なアイデアを次々とハーレクイン・ロマンスに織りこんでくると評判のミシェル・コンダー。追いつめられたヒロインと傲慢な王が繰り広げる、めくるめく王宮ロマンスをお楽しみください。

抄録

手つかずの水たばこが載ったテーブルから、引きしまった腹部の前で組んだ手へと視線を走らせる。シャツのボタンをたどり、日焼けした首と角張った顎へ。にこりともしないセクシーな口、タカを思わせる鼻、そしてサファイアブルーの鋭い目を、リーガンは漠然と認識した。だが、そこまでだった。肉食獣のような彼の視線にとらえられ、その場から動けなくなった。エネルギーに満ちた目の輝きに息をのむ。これほど危険で近寄りがたい男性は初めてだ。流砂にのみこまれるような感覚に襲われ、心臓が激しく打ちはじめた。
逃げて!頭のなかで声が鳴り響く。けれどもリーガンの体は従おうとしなかった。目の前の男性は危険な雰囲気をまとっているだけでなく、とてつもなくハンサムだ。そのことを意識したとたん、抑えのきかない熱波が全身を駆けぬけ、顔がかっと熱くなった。
こんなときに男性の外見に目を引かれるなんて、いったい私はどうしたのだろう?
リーガンは動きの鈍い脳を働かせようとまばたきをした。しかし何もできないうちに、男性がテーブルの向こうから反対側の椅子を蹴りだし、彼女の逃げ道をふさいでしまった。椅子が石の床をこする音にびくっとする。鼓動がふたたび速まった。
「座れ」彼の唇があざけるような笑みをつくった。「そのほうが身のためだ」
低く力強い声に、愚かだとわかっていても従ってしまう。
近づいてみると、男性は最初に思ったよりずっと堂々とした体格だとわかった。しかも、非常に男性的だ。リーガンなど片手でつかみあげ、どこへでも連れ去ってしまえるに違いない。その光景を想像してもそれほど嫌悪感を覚えない自分に気づき、彼女は愕然とした。興奮が体中に広がり、時差ぼけのせいではなく、めまいがする。
ばかげているわ。
どうかしている。普段の私は男性に対してこんなふうに反応しない。彼のように、いかにも違法行為に手を染めていそうな男性にはとくに。だけど、人が大勢いるバーでは何もできっこないわ。客たちは興味津々といった様子でこちらを見つめている。
好奇心に満ちたまなざしから逃れようと、リーガンは心の声を追いやり、示された椅子に座った。彼と自分を隔てる盾としてハンドバッグを膝に置く。男性は彼女の考えなどお見通しだと言わんばかりの笑いを浮かべた。
凝視されつづけているせいで落ち着かない。リーガンは立ちあがって逃げだしたい衝動をなんとか抑えた。選択肢はほとんどないのだ。このバーを出ても、ほかに行くあてはなかった。ホテルの部屋へ戻り、結局はブルックリンへ帰ることになるかもしれない。打ちひしがれて。いや、それはだめだ。絶対に。
「気に入ったかな?」
深みのある声が最高級のヴェルヴェットさながらに肌を滑る。そこでようやくリーガンは彼の口もとを凝視していたと気づいた。まさか。ちりちりする感覚は、彼に性的魅力を感じているせい?こんな経験は初めてだ。
衝撃が体内を走りぬけた。まぶたをなかば閉じた物憂げなまなざしが、経験豊富な彼からは逃れることはできないと告げていた。
自分の反応にうろたえ、リーガンは男性と目をあわせた。「英語を話すのね」
「聞いてのとおりだ」
相手のおどけた口調と傲慢な目つきに、自らの間抜けさを強く自覚して、リーガンは眉をひそめた。「上手だという意味よ」
男性が見下すように片方の眉をあげた。彼に嫌われていると感じた。初対面だというのに、そんなことがあるだろうか?
「ここで何をしている、アメリカ人?」彼は尊大に唇をゆがめ、低く険しい声できいた。
間違いない。まったく好かれていない。
「どうしてアメリカ人だとわかるの?あなたもそうなのかしら?」
彼のアクセントだけでは判別できなかった。
男性が少しもおかしくなさそうな笑みを浮かべた。「アメリカ人に見えるか?」
たとえ相手が修道女でも、誘惑して誓いを破らせることができる男に見える。しかも、彼は自分にその魅力があると承知しているのだ。「いいえ」
「君はここで何をしているんだ?」
リーガンは息を吐いて気持ちを落ち着けた。チャドの写真を見せるかどうか迷う。男性はくつろいだ様子で座っているものの、少しでも対処を間違えれば攻撃してきそうな雰囲気があった。「捜しているんです……人を」
「人?」
「私の弟です」見せても害はないと判断し、彼女はテーブル越しに写真を差しだした。指先が触れあわないよう注意する。男性はリーガンの心を読むように、必要以上に長く彼女の目を見つめた。知られたくない。彼の性的魅力にとらわれていることには気づかれたくなかった。「見たことはありませんか?」
「たぶんな。なぜ捜しているんだ?」
リーガンは目を見開いた。希望が膨らむ。ついに助けになる人物を見つけたかもしれない。「見かけたの?どこで?いつ?」
「もう一度きくが、なぜ彼を捜す?」
「行方がわからないから。知っているの?」
「最後に連絡があったのはいつだ?」
無遠慮で威圧的な口調だ。ふいに、彼のほうがチャドを捜しているような感覚に陥る。
「どうして質問に答えてくれないの?」彼女はきいた。用心しろと本能が警告する。
「君こそ、なぜ私の質問に答えない?」
「答えたわ」リーガンはもぞもぞと身じろぎした。「なんで弟を知っているの?」
「知っているとは言っていない」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。