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許されぬ過去【MIRA文庫版】

許されぬ過去【MIRA文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

幼すぎた愛と、一夜が宿した小さな命。傷だらけの心は、いまもあなたを求め続け――D・パーマーの、胸震わせる珠玉作。

その日職場に現れた男性を見て、サリーナは茫然と立ちつくした。わたしの人生をめちゃくちゃにした、コルビー・レイン!富豪の娘として育った彼女は17歳のとき、父のSP役に抜擢されたコルビーと燃えるような恋に落ちた。鍛えぬかれた腕に奪われ、すべてを捧げた一夜の後、彼は非情にもサリーナを捨て去ったのだ。そして妊娠が発覚。サリーナは実家からも勘当され、以来7年間、貧困のなかで娘を育ててきた。震える心を押し隠しコルビーと向き合いながら、彼女は誓った。愛しい娘の存在だけは、けっして彼に知られてはならない……。
*本書は、ハーレクイン・プレゼンツ・スペシャルから既に配信されている作品のMIRA文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

サリーナはデスクの向こう側にまわりこんで、腰をおろした。落ち着いたキャリアウーマンらしい態度だが、コルビーに向けた目は博物館の展示品を見ているかのようだ。「どうしてあなたがここにいるの?」彼女は言った。「わたしたちの結婚は七年前に無効になったはずよ。わたしは書類を見てないけどね」
このとき初めてコルビーは、婚姻無効の手続きが完了したという確認を自分がまだとっていないことを思い出した。二度めの結婚の際にも、最初の結婚が無効になったという証明書は必要なかった。そういえばモーリーンと離婚した際の書類のコピーもぼくはもらってないな、とコルビーは思った。きっとモーリーンがいまも手もとに持っているのだろう。
目をしばたたき、彼はサリーナの質問に答えた。「ハンターがトゥーソンに帰りたがっているんだ。ぼくは彼の後任だ」
サリーナにとってそんな話は初耳だった。ハンターの妻ジェニファーは親友だが、夫婦ともどもヒューストンでの暮らしに満足していると聞いていた。
サリーナは細い眉を片方あげた。きらめくブラウンの瞳はセクシーな柔らかい唇と並んで彼女の最大のチャームポイントだ。美人ではないが、肌はきれいだし、豊かなブロンドは絹糸のようにしなやかだ。胸は小さいけれど、細いウエストから張りだしたヒップは形がよく、脚もすばらしく長い。
コルビーは彼女の一糸まとわぬ姿を一度しか見たことがないが、そのときの記憶をいまだに払いのけられなかった。それに、いっしょに公園を散歩しながら笑っていたときのサリーナも、抑えがたい情熱に身を震わせながら彼を求めたときのサリーナも……。
コルビーは過去から現在へとしいて思考を引きもどした。サリーナはあのあと彼がどれほど苦しんだか、おのれの仕打ちを忘れようとどれほど必死になったか、まったく知らないのだ。いまでもコルビーはそれを言えそうになかった。
「この会社で働きはじめてどのくらいたつんだ?」ぶっきらぼうに尋ねる。
「七年よ」サリーナは目もあげずに答えた。「でも、ヒューストンには特別なプロジェクトのため一時的に来ているだけなの。バーナデットとわたしはトゥーソンに住んでいるのよ」
バーナデット。その名前には思いあたることがあった。コルビーはかつてサリーナと過ごした幸福な数カ月間に思いをはせた。そのころ彼はサリーナの大金持ちの父親を誘拐犯の魔の手から守るために雇われていた。犯人たちの目的は、兵器に使われる貴重な金属を産する彼の秘密の鉱山のありかを探りだすことにあった。それで中央情報局《CIA》に所属していたコルビーが彼の身辺警護を命じられ、まだ実家にいたサリーナとも知りあったのだった。二人はすぐに親しくなった。当時サリーナは大学に行っていたから、コルビーは二十代前半だろうと思っていた。
実は彼女が高校をふつうより一年早く卒業し、大学でも二年分の課程を一年で終えたことを、彼はいまだに知らなかった。それに、コルビーと結婚させられたときの彼女がまだ十七だったことも知らなかった。二人は恥ずかしい状況にあるところをサリーナの父親と仕事仲間二人、そしてその妻たちに見つかってしまい、文字どおり強制的に結婚させられたのだった。サリーナの父親は社会的な体面を保つため、コルビーの職業を脅しのねたにして娘との結婚を迫った。当時コルビーはCIAで働いており、その仕事がとても気に入っていたのだが、サリーナの父はそれを彼からとりあげられるだけの力を持っていた。それでコルビーはしぶしぶ結婚に応じたのだ。サリーナの父親は娘とコルビーがすでに深い仲だと思っていたが、実は違っていた。
コルビーにとって新婚初夜は報復のときとなった。それを彼はいまでも悔やんでいる。
大金持ちの義父は、コルビーがアパッチ族の混血であり、その金のかかった服装から彼が漠然と考えていたような名門の出ではないと私立探偵から報告を受けると、ただちに婚姻無効を申し立てるための手続きを開始した。サリーナが初夜のことで嘘をついて婚姻取り消しの書類に署名するよう父親から命じられ、どんな反応を示したか、コルビーには知る由もなかった。初夜が明けた早朝、涙に暮れるサリーナをひとり残して、自己嫌悪と怒りを胸に部屋を出たきり二度と会わなかったのだから。
二人が友だちだったころには、よく気軽な調子で子どもの話をしたものだった。サリーナは当時から子どもをほしがっていた。女の子ができたらバーナデットと名づけるのだと夢見るような口調で言っていた。古い映画のヒロインの名前だそうだ。きれいな名前だと、サリーナは気に入っていた。
「ハンターがアシスタントをほしがっているという話は聞いてたわ」コルビーをちらりと見て、彼女は言った。「ゆうべどこかで麻薬の手入れがあって逮捕者が出たそうだけど」また目をそらして続ける。「その捜査にハンターがかかわっていたらしいわ」
「ぼくもかかわっていた」コルビーは言った。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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