マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

誘惑の湖

誘惑の湖


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★1
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 リンダ・ハワード(Linda Howard)
 数々の受賞歴を誇る、世界中で大人気の作家。栄えあるNYタイムズやUSAトゥデイのベストセラーリストにもしばしば顔を出す。読むにしろ書くにしろ、本は彼女の人生において重要な役割を果たしているという。読み始めはマーガレット・ミッチェルの作品。それ以後、広く読書に熱中するようになった。少女のころから書くことが好きだったリンダの作家デビューは三十歳のとき。現在はアメリカの作家大会や授賞式の席に常連の人気作家で、サイン会にもひっぱりだこである。とりわけ、彼女の描くヒーローが魅力的だというファンが多い。現在、生まれ故郷のアラバマ州に夫とともに住んでいる。

解説

 ★ 必ず僕の虜にして真実を言わせてみせる。湖は誘惑の舞台として最高じゃないか!★
 大企業の総帥として君臨するロバート・キャノンは、常に冷静で公明正大さを重んじ、裏切り者を容赦しない。そんな彼を思いがけない事態が襲った。傘下の企業から国家機密に関するプログラムが流出したのだ。犯人と疑わしきは二人。一人は湖畔でマリーナを経営する女。ロバートはFBI任せにしておけず、自ら探り出すことにした。手元の不鮮明な写真には、野暮な女が写っている。これが女スパイか。ロバートは冷たく燃える緑の瞳で見つめた。ところが、客を装って近づいた彼の前に現れたのは、セクシーな声でゆったりと話す、まぶしいばかりの美女だった。

抄録

「いい家だね」
「ありがとう。夫の両親のものだったの」
 答えはわかっていても、尋ねないのは不自然だった。「結婚しているのかい?」
「未亡人よ」家の中へ戻る彼女にロバートも従った。
「そうか、気の毒に。旦那《だんな》さんは、いつ?」
「十二年前になるわ」
「あの写真の人?」
「そう。あれがマットよ」エヴィーは立ち止まって机の上を見やった。その目がたちまち深い悲しみに曇る。「あのころはどっちもまだ子供だったけど」それから気を取り直したようにきびきびした足取りでドアへ向かった。「マリーナへ戻らなくちゃ」
「その前に僕の家に寄ってもいいかな? 大急ぎでシャワーを浴びて着替えるだけだから」
 エヴィーは持って出たタオルでシートを拭いてからトラックに乗りこんだ。見ると、びしょ濡れだったロバートの服はだいぶ乾いたとはいえ、まだ湿っている。ジェイソンと私の命を救い、何くれとなく世話をやいてくれた彼なのだ。いくら警戒するべき相手とはいっても、あのときの素早い行動と適切な判断を私は決して忘れないだろう。
「どうもありがとう」まっすぐ前を向いたまま、エヴィーはそっと言った。「あなたがいてくれなかったら、ジェイソンも私も助からなかったと思うわ」
「想像するだけでぞっとするよ。あのとき、いったんジェイソンを放して息を吸いに上がろうとは思わなかったのかい?」
「思わなかったわ。絶対にそれはできなかった」
 彼女の横顔がまたこわばるのを見て、ロバートは話題を変えた。「お姉さんは本当にジェイソンをとっちめるかな?」
 エヴィーは笑い出した。かすれた小さな笑い声がロバートの胸にしみた。「とっちめるなんて生易しいものじゃないでしょうね。ふざけてたことより、やめなさいって私が言ったのに聞かなかったことのほうがいけないのよ」

 ロバートの新居の前にトラックが止まると、エヴィーは興味深げにあたりを見まわした。「たしか一年ぐらい前から売りに出ていた物件よね」
「一年もの間、誰にも先を越されなかったとは、ラッキーだった」ロバートは外へ出て助手席側へまわった。エヴィーの警戒心は少しずつゆるんでいるのではないだろうか。高まる期待を、ロバートはあえて抑えこんだ。今はまだ早すぎる。「シャワーを浴びてくるから、楽にしていてくれてかまわないよ」
 ベッドルームへ向かいながらロバートには確信があった。エヴィーは僕がしたのと同じように、この隙にあれこれ調べるに決まっている。
 彼が姿を消したあとも、エヴィーはリビングルームの真ん中に突っ立っていた。楽にするどころではなかった。緊張をほぐしたくて部屋の中を見まわしてみた。煉瓦と木をふんだんに使ったモダンな建物だ。広さは彼女の家の優に三倍はありそうだった。左側の壁には大きな暖炉があって、梁のむき出しになった天井を貫いて煙突が伸びている。二つの白い扇風機が頭上から穏やかな風を送ってくる。
 リビングルームは羊歯《しだ》の鉢植えでダイニングルームと仕切られていた。両開きの窓の向こうのテラスには座り心地のよさそうな椅子と、パラソルのついたテーブル、それにさまざまな観葉植物が見える。おそるおそるのぞいたキッチンには最新型の機器がずらりと並んでいた。コーヒーメーカーでさえ、工学博士でなければ使えないのではないかと思うような形だった。奥の朝食コーナーには、白いタイルの天板の小さなテーブルが置かれている。ロバートがそこに座ってコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる姿が目に見えるようだった。このコーナーからも、フレンチ・ドアを通ってテラスへ出られるようになっている。
 ロバートは時間をかけてシャワーを浴び、服を着替えた。エヴィーは存分に探索するがいい。何も出てこないとなれば、彼女もリラックスしはじめるだろうから。
 しかし、ゆっくりとリビングルームへ戻ったロバートは、驚いた。エヴィーはさっきとまったく同じ場所にたたずんでいるではないか。表情はわずかにやわらいでいるものの、きれいな金茶色の瞳には相変わらず苦悩の色が漂っている。
 しばらくの間、ロバートは少し離れたところから暗い瞳を見つめていたが、不意に歩き出し、エヴィーを胸に抱いた。彼女は息をのみ、驚きに目を見開いて異を唱えようとした。が、開きかけた口は彼の口に封じられた。
 ロバートは優しく彼女を引き寄せ、しっかりと抱いた。怖がらせまいと気づかうキスに、エヴィーの唇はひとりでに開いていった。ロバートの体がみるみる反応し、彼の舌は甘い唇を何度もなぞった。エヴィーは一度身を震わせたあと、彼の腕の中でとろけていった。
 欲望を抑えるのに苦労しなくてはならないのが、ロバートには驚きだった。柔らかな曲線はぴたりと彼の体に吸いつき、唇はこれまで味わったどの唇よりも甘い。キスだけでこれほど興奮したのは初めてだった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。