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愛を知る日まで

愛を知る日まで


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供をもうけた。就寝前の子供たちにベッドで読み聞かせるために物語を書きはじめる。ロマンス小説家としてのデビューは1987年、その後数多くの名作を世に送る。2009年5月、ファンや作家仲間に惜しまれつつ亡くなった。

解説

 ★ スペインの家の、プールサイドでのキス。あの日からあなたを忘れたことなどなかった。★
 ゾーイは幼いころに両親を亡くし、祖母の手で育てられた。厳格で冷淡な祖母は、愛情を示してくれたことなどない。そして亡き父の共同経営者の息子であるハビエは、ゾーイの淡い恋心を無惨にも踏みにじった――彼に抱きついてキスをした私を拒絶して。だが十九歳になった今、私はちゃんと自立してみせる。手に入らないものを追いかけるのはやめて、男友達のオリバーのプロポーズを受け入れよう。決意を口にしたゾーイに、ハビエは意外な提案をした。「そんなに結婚したいなら、僕としよう」

抄録

 彼女を守るのは僕の責任だ、と思った時、奇抜なアイディアが浮かんだ。彼はそれを脇に押しやった。僕は何を考えているんだ。話をしなくては。
「さっきの話の続きだが、将来どうしようと思っているんだい?」なぜ僕の声はこんなにかすれて、くぐもっているんだ?
 ゾーイは心臓が激しく打ちはじめ、あわててグラスに口をつけた。どんなに見まいとしても、ハビエを見ないではいられない。下腹の奥でからみ合った熱い緊張が、全身に広がっていく。長い間心の中で大切な場所を占めていた彼を気持ちの中から追いだそうと誓ったはずなのに、そんな決意も彼の放散する磁力の前でくじけてしまい、五感が勝手に吸い寄せられていく。
 何を説教するつもりかはわからないが、それに無関心なふりをすることが唯一考えられる抵抗だった。ホームレスのための慈善活動をしたいと思っているけれど、何から始めればいいかわからないということは絶対に彼に知られたくなかった。
 そんなことを口にしたら、彼はここに残って私にあれこれ具体的なアドバイスをしようとするだろう。そんなことになれば、ハビエを求める思いを断ち切るのがますます難しくなる。せっかく彼を愛するのはやめようと決めた決意が水の泡になってしまう。
「私のことは心配しないで」ゾーイは小さく肩をすくめてみせ、グラスをテーブルの上に置いた。「もう私に責任を感じてもらう必要はないわ。オリバーと結婚するかもしれないし」真っ赤な嘘だった。あり得ないことだと思っているが、結婚を考えていると言えば、ハビエもゾーイが立派な大人だと認めてくれて、干渉しなくなるのではないかと思ったのだ。「何度もプロポーズされているの」彼女はできるだけさりげなく見えるように彼の方に流し目を送った。「その時には招待状を送るわ」
 目もくらむような怒りがハビエの瞳を曇らせた。シャツの下で肩が盛りあがるのがわかった。そうか。あのろくでなしとのかかわりは、僕が思っていたよりもずっと深刻なものだったんだな。まともに仕事もしたことがないような、地元での評判も最低のあんな男と結婚して自ら破滅するのを黙って見ていられるものか。そう思ったとたん、さっきの思いつきが再びハビエの脳裏に浮かんだ。最初に思ったほどばかげた考えではないような気がしてくる。
「そんなに結婚したいのなら、僕としよう」
 これは単なる衝動とは違う。僕が夫になれば、ゾーイをねらっている男たちを退けることができるんだ。
 ゾーイはショックで何も言えず、目を見張ってハビエを見つめるだけだった。彼に結婚を申しこまれるというばかげたシナリオを確かに何度も空想したことはある。数えきれないくらい。でも……。
 やっと声が出た。「冗談でしょう?」
「真剣だ」
 ゾーイの中で何かが弾けた。それはゾーイが何年も夢見てきたことだった。だが……。「私のことを好きでもないのに」
 ハビエは大きなため息をついた。好きではない? スペイン人の血が、続く言葉を口にさせた。彼は頭を昂然と上げて言った。「君が八歳で冷たい、愛のない環境にほうりこまれた時から、僕は君のことを気にかけてきた。だからこそ君を引き取ったんだ。君が頑固に意志を貫いて自分なりの道を選んだことには感心する。もっともそのせいで君は大変な女の子だという烙印を押されてしまったが」ハビエは、ゾーイの息を奪ういつもの微笑を見せた。「結婚を思いついたのも、君のことが心配だからだ」
“心配”とか“気にかける”という彼の言葉を、“愛”という言葉に置き換えることは許されるかしら? ゾーイはそれを否定するように首を振ったが、自分の気持ちを止めることはできなかった。全身がこわばって、小さく震えだす。
 ハビエはスペインでの出来事を思いだして黒い眉を寄せた。今日の午後のゾーイの態度から判断すると、しかも気がかりなシャーマンとの関係を考え合わせると、ゾーイはあの時の子供っぽいあこがれはとっくに卒業したに違いない。どちらにしても、僕が考えていることをはっきりと言っておくべきだ。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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