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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

リヴィエラの憂鬱

リヴィエラの憂鬱


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 レベッカ・ウインターズ(Rebecca Winters)
 アメリカの作家。十七歳のときフランス語を学ぶためスイスの寄宿学校に入り、さまざまな国籍の少女たちと出会った。これが世界を知るきっかけとなる。帰国後大学で、多数の外国語や歴史を学び、フランス語と歴史の教師になった。ユタ州ソルトレイクシティに住み、四人の子供を育てながら執筆活動を開始。これまでに数々の賞を受けたベテラン作家である。

解説

 【★サンプル10倍増量作品!】
「どういうつもり?」
 巧みに外に連れ出して、突然キスをしかけてくるなんて。しかも人がいる前で、二人の親密さを見せつけるように。ローラは、昨日会ったばかりのラウルの真意がわからなかった。彼の兄のギーに久しぶりに会い、招かれた地中海を望む邸宅。だが彼女を迎えたのは、不機嫌なラウルのまなざしだった。まるでローラが、男を惑わす危険な女だとでも言いたげな。私はただギーの妻の話し相手に、旅の途中で立ち寄っただけなのに。それに離婚調停中の身には、ほかの男性との恋など考えられない。私の背後には、夫の放った追っ手が今にも迫っているのだから……。
 ■ 物語の舞台はフランスの高級保養地リヴィエラ。抗いきれない恋の行方を、イマージュの人気作家レベッカ・ウインターズが、ドラマティックに描きます。鮮やかな印象を残す南仏の風景も必見です!

抄録

 驚いたことに、何を尋ねてもローラはためらうことなく答えた。隠しごとがあるとすれば、その率直に見える口ぶりからはうかがい知ることはできまい。これまでのところ、彼女のほうからは何も尋ねてこなかった。単にこちらの話に付き合っているだけだと思うのは耐えがたかった。
 すべてはギーのためだと、ラウルは自分に言い聞かせたが、心の片隅ではそうでないことはわかっていた。ローラ・オールドリッジが彼の心をとらえていることは、もはや否定できなかった。
 今朝、ラウルは弁護士に連絡して、彼女の素性を調べるよう依頼した。確かなことが判明したらすぐに知らせると、ルイは請けあった。その間にも、ラウルは直接本人から聞き出すつもりだった。もっと個人的なことをきけば、ひるむだろうか。それが彼のねらいだった。彼女が尻尾を出すのを見逃してはならない。
「仕事と家庭は、どう両立させているんだい?」
 しばらく間を置いてから、ローラは答えた。「両立はさせていないわ」
 そうだろう。他人の家庭を壊すのに忙しいのだから。彼女のはぐらかすような態度に、ラウルはますます興味を引かれた。やがて彼は右折して、アンティーブの先のジュアン・レ・パンに車を向けた。
「これからマリーナにある建物をいくつか視察する予定だ。わが社の輸出部門のために購入を考えている。それほど長くはかからないだろう。終わったらヴァンスを通って、さっききみの言っていた小さな村へ行ってみよう。遅めの昼食をとって、気の向くままに過ごすのもいい」
 ローラは素直にうなずいたものの、ラウルは彼女が緊張しているのを感じた。屋敷に戻るまでは、ひたすら我慢しなければならないのだから当然だ。こわばった体は、だんだんと耐えがたくなってきたしるしだろう。もうじき本性が現れるかもしれない。
「飲み物でも買ってこようか?」
「いいえ、けっこうよ。水を持ってきたから」
 あいかわらず目を合わせなかった。獲物を探してヨーロッパをひとりで回るうちに、他人に頼らないことを覚えたのだろう。それが神秘的な雰囲気を漂わせ、腹立たしいことにまたしてもラウルは興味をそそられた。
 しばらくして、彼はがらんとした倉庫の入口に乗り入れると、椰子の並木沿いに車を停めた。ここなら陽射しもさえぎられる。不動産仲介人のジャン=リュックが、入口の前で待っていた。
 ふたりに気づくなり、ジャン=リュックはポルシェに近づいてきた。そして、ローラをちらりと見て唾をのんだ。一瞬、ラウルはギーを思い起こした。彼もはじめてローラに会ったときには同じ反応を示したにちがいない。何を隠そうラウル自身もそうだった。欲望と怒りが同時に燃えあがる。
 衝動と、自分でもわからない感情に突き動かされて、ラウルは座席から身を乗り出すと、何ひとつ疑っていない彼女の口にキスをした。それはごく自然な動作で、ローラは抵抗する暇もなかった。
 これもひとつの手だ。ジャン=リュックはすぐそこにいる。“百聞は一見にしかず”というが、彼はコートダジュールで一番の噂好きだ。仕事柄、そうならざるをえないのだろう。明日には、弟がブロンドのセクシーな美女と付き合っているという話がギーの耳にも入り、もはや彼女には手を出せなくなるにちがいない。
 問いつめられれば、逆に自分自身の罪を認めるつもりだった。最初は腹を立てるだろうが、いずれローラが打算的な女だと気づくだろう。そして、いつか感謝するようになるはずだ。
 だが、彼女とのキスの味が想像したとおり、いや、それ以上だとわかって離れがたくなり、ラウルは何も考えられなくなった。ふいにローラが口を引きはがした。「どういうつもり?」低い声で問いただす。
 本当に怒っているように見えたが、わずかに遅かった。というのも、彼女は離れる前にキスに応じていたからだ。それは確かだった。ギーと関係しているのだとすれば、この反応はどういう意味だろう?
 だが、一方でラウルは答えを知りたくなかった。信じがたいことに、ほんの一瞬、彼自身も楽しんでいた。ローラが自分にも兄にも反応するかと思うと、彼は耐えられなかった。しかし、それが目的でもあった。彼女の本性を突きとめなければならない。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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