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噂の花嫁 スキャンダル! I

噂の花嫁 スキャンダル! I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンススキャンダル!
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供をもうけた。就寝前の子供たちにベッドで読み聞かせるために物語を書きはじめる。ロマンス小説家としてのデビューは1987年、その後数多くの名作を世に送る。2009年5月、ファンや作家仲間に惜しまれつつ亡くなった。

解説

 ★ 前の夫を殺したうえにボスと不倫を……。私はなんてひどい中傷の的になっているの!★
 オリビアとネイサンは、お互いの過去をほとんど知らないまま、劇的な出会いから三週間後に結婚した。ところがある夜、ナイトクラブで二人はとんでもない中傷を耳にする。オリビアは最初の夫を殺し、そのあとすぐボスの愛人になったのだと。悪辣な噂を振りまいているのは、オリビアの雇い主の弟ヒューだった。ヒューは、かつてオリビアに言い寄って拒絶されたことを恨み、また、兄が仕事で成功を収めたことに嫉妬していた。ネイサンはヒューを告訴しようというが、オリビアは反対する。彼女は前夫の死に対してある罪悪感にとらわれていた。絶対人に言えない罪の意識に……。そんなオリビアに不信をいだいたネイサンは、不倫の噂は本当ではないのか、仕事もすぐに辞めろと迫ってきた。

抄録

 オリビアは、羊皮紙のシェードに覆われたテーブルランプをつけて天井灯を消した。柔らかな明かりで部屋はいっそう時代がかった雰囲気になった。詰め物をした二脚のソファが心地よさそうな空間をつくりだしている。もっとも、ネイサンが発している冷ややかな雰囲気をやわらげるには、これでも足りそうになかったが。
「本当にあれは嘘だったのかい?」彼の声がオリビアの神経をきしらせた。
 彼女の目にほんの一瞬、暗い陰がよぎった。自分を疑うネイサンの言葉に、体を引き裂かれるような思いだった。だがそれは表に出さず、なんとか平静を装った。
「どうしてきくの? そんな見当違いの不愉快な質問をするほど、私のことをわかってくれていないの?」
 オリビアは顎を上げた。ヒューの悪意に満ちたゴシップもあながち嘘とは言えないかもしれないといういやな思いが胸をよぎる。恥辱にまみれた憎むべき過去がよみがえってきた。
「僕が知っているのは、君が教えてくれたことだけだよ」ネイサンはくるりと背を向け、サイドテーブルに歩み寄った。モルトウイスキーをグラスにたっぷりついで一気に飲みほす。「僕たちは出会った瞬間、頭をがつんと殴られるような衝撃を覚え、三週間後には結婚していた」彼は息を吸いこみ、オリビアを見つめながらゆっくりと言葉を継いだ。「あんな運命的な出会いが僕の身に起こるとは思ってもいなかった」
 あの地殻変動のごとき出来事を思い出して、ネイサンの口元は皮肉っぽくゆがみ、オリビアのほうは、あのときのすばらしい記憶に体が反応した。
 だが二人はたちまち現実に引き戻された。大切な思い出を分かちあった瞬間はあっけなく終わってしまった。
「君がひとりっ子でご両親が離婚したことは別として、君について知っている重要な事実は二つだけだ。君が十九歳のときにマックスという男と結婚し、六年後に彼と死別したこと。もうひとつは、未亡人になった君が仕事と結婚したことだ。三年後に僕と出会うまでね」ネイサンは厳しい口調で続けた。「それとも、君はまだ僕より仕事を優先しているのか? だから辞表を出そうとしないのか」彼の顔がこわばった。「僕が仕事で世界中を飛びまわっていることは知っているだろう。僕が君と一緒にいたいと思っていることも。コールドウェル・エンジニアリングの社長秘書でいることは、僕と一緒にいるより君には大切なことなのか? それとも仕事ではなく、ボスが魅力なのかい?」
 オリビアはどうしようもないほど震えはじめた。またしてもこの悲惨な夜が始まった時点に戻ってしまった。しかももっと悪いことに、ネイサンはあのゴシップを持ちだして、私とジェームズ・コールドウェルとの関係を問いつめている。
 ネイサンがブラックタイをむしりとってソファに投げつけ、上着を脱ぎ捨てるのを、オリビアは体がしびれたように見つめていた。振り向いた彼の目が、オリビアの傷ついた目をとらえた。
 視線をからませているうちに、ネイサンの口元がゆるんできた。彼は眉をひそめ、漆黒の髪に指を走らせた。「ああ、すまなかった、リビー。ここにおいで」
 オリビアはネイサンの腕に飛びこんでいった。出会った瞬間から二人のあいだで生き生きと躍動している不思議なほどに引きつけあう力が、尽きることない魔力を発揮している。
 ほっそりとしたオリビアの体を激しく抱き寄せ、彼女の首筋に焼けるようなキスをしながら、ネイサンは後悔のにじんだ声で言った。「許してくれるかい?」
「もちろん……」オリビアは激しく震えながら彼にキスをした。「もう喧嘩はいや」夫の大きな手が頬にあてがわれると、全身の力が抜け、あらがいがたい情熱に包まれて彼のシャツのボタンを外しはじめた。でも……。
「リビー、今はだめだ」ネイサンの声は震えていたが、妻を押しとどめる手は揺るぎなく、無情だった。彼は一歩下がると、二人のあいだにつらくなるような空間をつくった。「僕たちにはしなければいけないことがあるだろう」
 しなければいけないこと? あまりにも心臓が高鳴っているせいで、まともに頭が働かなかった。だが、ネイサンの次の言葉でオリビアは現実に引き戻された。
「あの卑劣なデマだよ。やつが言っていたのは、たしか君のボスについてだった。やつを訴えてやる。妻の悪口を言うようなやつは……」
 オリビアは夫に弱々しい笑みを向け、乱れた髪をかきあげた。「さっきの件なら、証人は何人もいるわ」そっとソファに腰を下ろす。「面倒に巻きこまれてもかまわないなら、名誉毀損で訴えれば?」
「面倒だって!」ネイサンの険しい声が背後から響いた。「言うに事欠いて、やつは僕の妻を……」
「やめて」オリビアは蒼白な顔でさえぎった。ネイサンの口からふたたび同じ言葉を聞きたくなかった。耐えがたいほどの罪の意識が襲ってくる。またしても、悪夢につきまとわれる日々が待ち受けているのだろうか? ネイサンとの生活が汚されることになるのだろうか?

*この続きは製品版でお楽しみください。

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