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理想の花嫁探し

理想の花嫁探し


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 アン・ヘリス(Anne Herries)
 イギリスはケンブリッジに住んでいるが、冬のあいだは夫とともにスペインのジブラルタル海峡に面したマラガのリゾート地で過ごすことが多い。青い海の白い波頭を眺めながら、涙あり笑いありの、ロマンチックな恋物語の構想を練るという。イギリスではすでに三十作以上の著作があり、うち十数冊はハーレクインのミルズ&ブーン社から刊行されている。

解説

 キャロラインは、裕福な結婚相手を見つけるよう身内にけしかけられその晩も舞踏会に出席していた。美しいキャロラインにはダンスの申し込みが殺到したが、賭事好きな貴族たちの話は退屈でたまらない。ラヴレイスの詩を正確に暗唱できた男性と踊る、と彼女が挑発すると、男性陣はみな口ごもってうつむいてしまった。とそのとき、よく響く低い声がして見事に詩をそらんじてみせた。声の主はまぶしいほどの輝きを放つ、とびきりハンサムな紳士。キャロラインは彼にひと目で心奪われた――放蕩者のフレディが、ある賭のために舞踏会に現れたとも知らず。

 ■ 社交界デビューしたてのレディたちを眩惑する次期侯爵の放蕩貴族。人気作家アン・ヘリスが、英国摂政期ロンドンの華やかな社交界にあなたを誘います。どうぞお楽しみください。

抄録

「今日は一段とお美しいですね、ミス・ホルブルック」彼は言った。「しかし、お呼び止めしたのはサー・フレデリックに用があったからなんです。ボクシングの話は聞きましたか、サー? 今度の火曜日にヒースで試合があって、ジェントルマン・ジョージが勝つというもっぱらの評判ですが、行きますか?」
「たぶんな」フレディは言い、顔をしかめた。「だが、その話は別のときにしてくれ、ブレイクニー」
 若者は赤面した。「ああ、なるほどね。しかし、ミス・ホルブルックはこれぐらいのことでお気を悪くなさらないでしょう」
「ええ、ちっとも」キャロラインは言ったが、フレディはむすっとしたまま、黙って馬車を出した。「わたしは本当に気にしませんわ、サー」横目で見ると、フレディはまだ機嫌が悪そうだ。「どうしてそんなに怒っているんですか?」
「あれはレディの耳に入れる話ではない。きみに聞かせるとは、考えなしにもほどがある」
「まあ」キャロラインは衝動的に言った。「わたしは見てみたいわ――連れていってくださらない?」
「とんでもない。素手で殴り合うボクシングなど若い女性の見るものじゃない。問題外だ」
「いいえ、連れていってもらいます」キャロラインは彼の態度に腹が立った。女はひ弱で、荒っぽい光景には耐えられないと、なぜ男性は決めつけるのだろう? 彼女は子どものころ兄たちが喧嘩《けんか》するのを見ていても平気だった。「望みをひとつ叶《かな》えてくださる約束でしたよね。わたしの望みは――あなたといっしょにボクシングを見に行くことよ」
 フレディは信じられない思いで彼女を見た。「まさか、本気じゃないだろう、ミス・ホルブルック? あるまじきことだ。万一知れたら、きみの伯母上は卒倒するぞ」
「それはどうかしら。わたしは話さないし、あなたも黙っていてくれたら――伯母は知りようがないでしょう?」
「みんなが話すさ」彼は首を振った。「ひどいスキャンダルになって、きみの評判は地に落ちる。だめだ、そんなことには手を貸せない」
「でも、賭に負けて支払わなかったら名誉に関《かか》わるはずよ」キャロラインはいたずらっぽく目を輝かせた。とはいえ、本当はボクシングを見たいわけではない。自分の意志を通したかったのだ。「それに、いい方法があるわ……もしわたしが髪を隠して若者の服を着れば、ほかの人にはあなたの馬丁に見えるかもしれない」
「きみがそこまでするとは思えない」フレディはそう言ったものの、突然、目を輝かせた。確かにキャロラインには大胆なところがある。本当に実行するかどうか見たい気もする。「どうやって家を抜け出すつもりだ? 服はどこで手に入れる?」
「ボクシングは早朝に行われるのでしょう? こっそり抜け出して伯母が起きる前に戻ればいいわ」
「そうだな……」フレディもしだいに乗り気になってきた。「もしも本気なら、ぼくがきみのメイドに服を渡そう。しかし、よく考えろ。見つかったらどうする?」
「母も伯母も正午前にはめったに起きません。それまでには戻れるでしょう」
 フレディは迷った。拒むべきなのはわかっているが、賭事の負けはいつもきちんと払ってきた……。いや、それは単なる口実だ。本音を言えば、彼女がどこまで大胆になれるか確かめたい。
「きみの服をメイドに持たせて届けてくれたら、うまくいくかもしれない」彼は口を開いた。「試合会場を引き上げたあと、それに着替えて家に帰るんだ。あたかもぼくと馬車で出かけていたようなふりをしてね……きみに危険を冒す覚悟があればだが」
 キャロラインは胸が躍った。ちょっとした冒険になりそうだ。慎重に行動するよう伯母に文句を言われ続け、ずっと手足を縛られたような気分だったのだ。「馬丁の服を着て顔を汚したら、きっとだれもわたしだとは気づかないわ」
「よし。新たに賭をしよう、ミス・ホルブルック。きみがまんまと抜け出してきたら、ボクシングに連れていく。だが気を変えたらぼくの希望を叶えてもらう」
「きっとまたわたしが勝つでしょうね」キャロラインはぐっと顔を上げ、挑戦的な目を向けた。フレディはますます彼女がいとしく思えた。「必ず行きますから、時間に遅れないでくださいね、サー。一瞬も見逃したくないから」
 フレディは声をあげて笑った。「月曜の夜は舞踏会に出席するんだろう? 寝過ごして、ボクシングを忘れてもかまわない。責めたりはしないよ」
「そんなに簡単に勝てるとは思わないで」彼女は興奮に顔を輝かせた。「あとでもう一度話し合いましょう――でも今は馬車を停めないと。何人かお友達の顔が見えたから、無視するわけにはいかないわ」

 キャロラインは伯母の家の玄関先でフレディと別れた。寄っていくよう勧めたが、彼は別の約束があると言って断った。そして彼女の手にうやうやしくキスをして馬車に戻った。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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