マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

砂漠の熱い夜 ラブ&ミッション III

砂漠の熱い夜 ラブ&ミッション III


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリームラブ&ミッション
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 アイリーン・ウィルクス(Eileen Wilks)
 1996年の初作でいきなりUSAトゥデイのベストセラーリストに載り、鮮烈なデビューを果たした。これまでに二度、RITA賞最終選考の候補として名が挙がる。数々の雑誌や作家から賛辞を受け、90年以上の歴史を誇るアメリカのレビュー専門誌『ブックリスト』は、彼女の作品は“ノーラ・ロバーツが好きなロマンス読者の心にきっと響くはずだ”と評している。

解説

 ★思いがけない再会には、隠された目的があった。★
 考古学者ノーラは、シナイ半島で遺跡発掘調査をしている。そこへ視察のためにある男性が派遣されてきた。彼を見て、ノーラはわが目を疑った。一カ月前、重傷を負って砂漠で倒れていた人……。ノーラが命を救ったアレックス・ボークだ。思いがけない再会にとまどいながらも、胸を躍らせるノーラ。彼もまた、恩人であるノーラを忘れられないでいた。井戸の爆破や銃撃戦が起こり、発掘場が不穏な空気に包まれる中、互いに惹かれあうふたりだったが、実はアレックスは、発掘とは別の目的で送りこまれていた。任務と愛情の板挟みになりながらも、アレックスは懸命にノーラを危険から守ろうとする。彼の本当の任務とは……?

抄録

 しかし、アレックスには音が聞こえた。ノーラの体を流れ落ちる水の音が。彼はノーラが口ずさむ歌を聞きながら、水にぬれたつややかな髪や胸を思い浮かべたのだった。
 テントに戻ってきたノーラは髪にタオルを巻き、ミッキーマウスの絵のついたボクサーショーツをはいていた。そしてTシャツにブラジャーはつけていなかった。
 アレックスはそのときのノーラの姿を思いだしてにっこりした。「きみはミッキーマウスのファンなのかい?」
「あら」ノーラが頬を染めた。「あれはパジャマ代わりなの。ミッキーのボクサーショーツを笑っちゃいけないというのはキャンプの規則よ。懐かしい思い出の品なの」
 アレックスはふいに嫉妬に襲われた。「昔のボーイフレンドとの楽しい思い出かい?」
「いいえ、違うわ。去年ディズニーワールドに行ったとき、自分で買ったものなの。子供のときから一度行ってみたかったんだけど、うちには遊ぶお金なんてなかったから行けなかったのよ。大人になってからようやくその夢をかなえたってわけ。休暇で遊びに出かけたのは、それがはじめてだったわ」
「楽しかったかい?」ノーラは失望させられたに違いない。子供時代にあこがれる夢の世界は、大人になってから経験しても楽しくないはずだ。
「感激したわ。夢の世界にいるみたいだった」
 アレックスは、ノーラがいとも簡単に夢の世界に入りこむことになぜかいらだちを覚えた。「腕時計やTシャツじゃなくてボクサーショーツにしたのはなぜだい?」
「腕時計も買ったわ。するのを忘れるだけよ。ここではほとんど必要ないもの。でも、ボクサーショーツは実用的よ。発掘場ではプライバシーなんてないも同然だから」
「ああ、たしかに実用的だ。ぼくもパジャマ代わりに着ているよ」アレックスは以前、ホテルで裸のまま寝ているときに侵入者に襲われたことがあった。逃げる男を中庭まで追ってとり押さえたものの、大勢の人の目にさらされた。それ以来、裸で寝るのはやめたのだ。
 ノーラの言う“実用性”は、ぼくが言っている意味とは違う。そう考えると、アレックスはいっそういらいらがつのった。ぼくとノーラはまったく別の世界に生きているのだ。だから彼女に心を奪われるなんてばかげている。ぼくがノーラの世界に首を突っこむのは可能でも、彼女がぼくの世界を理解するのは不可能なのだ。
「さっきの話だけど」ノーラがふいに切りだした。「ここでひとりで走るのは、本当に危険だと思う?」
「ああ」アレックスは不機嫌な声で言った。
「じゃあ、一緒に走りましょうよ」
 アレックスは立ちどまった。ノーラも立ちどまり、挑むような視線を向けてきた。彼女はぼくに挑戦しているのだろうか? それとも自分自身に?
「あまりいい考えじゃないと思うな」
 ノーラは肩をすくめた。「だったらいいわ。強要するつもりはないの。ただ、あなたもランニングが好きだって言ったから……」彼女は横を向きかけた。
 アレックスはノーラの肩に手をかけてとめた。「やりたくないわけじゃない。いい考えじゃないと言ったのさ。こんなことをするのもね」彼は理性に反してノーラの髪にふれた。頭に沿って指先をすべらせながら、三つ編みをほどきたい衝動を必死で抑える。「ぼくを誤解させないでくれよ、ノーラ」
 ノーラがごくりとつばをのんだ。「誤解って?」
「きみはぼくに気があると……きみもぼくと同じ気持だとね」アレックスはノーラのなめらかな頬に指先を走らせた。「誤解かもしれないが、ぼくがここにいるあいだに、きみはぼくと情熱を燃やしたいんじゃないかな? ふたりとも熱く燃えるはずだ。欲望に身を任せ、熱い砂で肌を焼くんだ。そのあと、ぼくは出ていく」
 ノーラは顎をあげた。「あなたはあまりわたしのことをわかっていないようね」
「きみがぼくを欲しがっているのはわかっているさ」
 こう言えば、ノーラは怒るに違いない。これ以上ぼくにふれられないように走り去るだろう。アレックスは彼女にそうしてほしかった。
 しかし、アレックスのもくろみは外れた。ノーラは彼の首に手をまわしてきたのだ。ほっそりした指を彼の髪に絡ませ、あっというまに唇を重ねてきた。
 やわらかい唇の感触に、アレックスの胸は激しく高鳴った。自分の鼓動が耳に響き、突きあげるような欲望がわきおこってくる。
 そのとき、ノーラがさっと身を引いてアレックスを見つめた。自分の行動が信じられないといった顔で目を見開きながらも、瞳はきらきら輝いている。
「ああ、ノーラ」アレックスはささやいた。「これは大変な過ちだよ」彼はノーラを引き寄せた。
 アレックスの腕がまわされたとたん、ノーラは彼の言うとおりだと気づいた。たしかにわたしは、とんでもない過ちを犯してしまったわ。
 決して犯してはならない過ちを。
 アレックスに抱きしめられても、ノーラは目を見開いたままだった。彼の頬骨のあたりにある三日月形の白い傷跡が目に入る。彼の琥珀色の瞳がきらりと光ったような気がした瞬間、唇が重ねられた。
 思ったとおり、それはやさしいキスではなかった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。