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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

夫という名の他人 ラブ&ミッション VI

夫という名の他人 ラブ&ミッション VI


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリームラブ&ミッション
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 カーラ・キャシディ(Carla Cassidy)
 主にシルエット・シリーズで活躍している作家。数々の受賞歴を誇り、執筆作品数は五十五以上にものぼる。これまでにカンザス州のプロフットボールチームのチアリーダーを務めたほか、バンドの歌手兼ダンサーとしてアメリカ東海岸を巡業した経験もある。現代を舞台にしたロマンス小説を中心に、ヤングアダルト小説も手がける。彼女にとって何よりの喜びは、小説を執筆し、読者を幸せにすることだと語る。現在は、アメリカ中西部で夫とともに暮らす。

解説

 ある日、仕事を終えて帰宅したメガンは目を疑った。二年前に別れた夫のセスが玄関の前にいたのだ。今さらなんの用なの? 家を出てからというもの、一度も姿を現したことはなかったのに。身構えながらもメガンの心には、かすかな希望の火がともった。彼はやり直したいと言いにここへ来たのかもしれない。二人で過ごした数々の夜がよみがえり、メガンの体は熱くなった。だがセスは暗い目をして言った。「ぼくが必要な専門技術を持っているのは君だけだ。協力してくれないか」

抄録

「ご近所の人にうそをつきたくないわ」メガンは言い募った。「それにあなた、あのキャラメル・コーヒーケーキの部分をすごくおもしろいと思ったんでしょう?」
 セスはにやりとした。「ぼくをだましたみたいに、彼女もごまかせるかもしれないよ。本当は店で買ったものなのに、お手製だと言ってね」
 メガンは眉をひそめた。結婚式の翌朝のことなど、思いだしたくもない。オーブンから出したてのキャラメル・コーヒーケーキがお気に入りの朝食だ、とセスは言っていたのだ。
 メガンはまるで料理ができなかった。だから新婚の夫を喜ばせようと、明け方にこっそりベッドを抜けだして、近くの市場へ飛んでいった。ケーキが入っていた箱を処分するのを忘れさえしなければ、首尾よくいったはずだったのに。セスは容赦なく彼女をからかったのだった。
 セスがパンをとってバターを塗り、片方の眉をあげてメガンを見た。「教えてくれよ。きみの“やくざ者”の夫のことで、お隣さんになにを言ったんだい?」
「真実以外は言っていないわ」メガンはあいまいに答えた。
「きみの側から見た真実かい、それともぼくの側から?」セスはあからさまにきいた。
「どんな違いがあるというの? それが問題になるほど、あなたは長くここにいないのよ」注意を引こうとトレイをたたいたカークに、メガンはうわの空でほほえみかけた。息子は母親をほかの人と分けあうことに慣れていないのだ。
 いつもメガンのつくるツナグラタンを嫌いだと言っていたにもかかわらず、セスは飢えたように食べていた。なにごとにも、彼は同じようなひたむきさを示したものだ。
 愛を交わすときでさえ、セスはいつも驚くほど情熱的だった。キスをするときは、メガンの味に飢えているかのように、まるではじめてのようにキスをしたものだ。彼女の体に這わせる手の動きも、指と唇での探索も、そのすべてが力に満ちていた。
 ひとつになるとき、セスはしるしをつけているのだ、とメガンは感じたものだった。永遠にメガンを自分のものにしようとしているのだと、彼女がほかの男性と親密になるのを不可能にしようとしているのだと。そしてセスとの離婚後、真夜中に暗闇のなかでベッドにひとりぼっちでいると、彼がそのとおりのことをしたのではないかと怖くなった。
 体が熱くなり、メガンは意識してそのことを考えまいとした。セスとの愛の行為は思いだしたくない。ふたりでうまくやれたのは、愛を交わすことだけだった。だがそれだけでは、結婚生活を維持するのに充分ではなかった。
「きみは元気そうに見えるね、メガン」セスが穏やかに言った。彼は皿を押しやり、じっと彼女を見つめた。
「どうだと思っていたの?」メガンは応じた。彼女の頬は熱くなった。「あなたが出ていったら、わたしがばらばらになるとでも思った? 鬱病になるとでも? お風呂に入らなくなるとでも?」
 セスがちらりと笑みを浮かべ、降参するように両手をあげた。「きみは誰に対しても、そんなにぴりぴりしているのかい?」
「いいえ、招かれもしないのにいきなり玄関に現れる別れた夫に対してだけよ」メガンは立ちあがり、食器をシンクに運んだ。ふいに彼女は、やりあうのにうんざりした。
 サイモンの居場所を探すのに、わたしは自分の技術を使うことを同意した。そしてセスが二、三日泊まるのを許可した。だから今は、争ってもどうにもならないのだ。
 シンクから振りかえると、ちょうどセスがカークをハイチェアから抱きあげるところだった。目に苦悩をたたえた長身の男性は、ほんのわずかのあいだだが必要以上に長くカークを抱いて、それから注意深く床におろした。
 メガンのほうを見たセスの目からは、なんの表情も読みとれなかった。ただ、彼はひどく疲れているように見えた――これまで見たこともないほど疲れているように。
「リビングルームに行って、くつろいだら?」メガンは言った。セスは〈コンドル・マウンテン・リゾート〉を、昨夜出発したと言っていた。彼はまっすぐここへ来ようとはしなかっただろう。ということは、昨日の夜から今までずっと動きまわっていたはずだ。こっそり移動する場合、彼は自分の足跡をたどられないように、飛行機、バス、列車を乗り継いで動くとわかっていた。
「そうさせてもらうよ」セスは同意した。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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