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復讐は愛のはじまり

復讐は愛のはじまり


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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著者プロフィール

 ジェシカ・スティール(Jessica Steele)  イングランド中部に、七人兄妹の六番目に生まれた。現在はウースターシャーの風光明媚で文化財に富んだ村に夫とともに住んでいる。公務員として働きながら夜の時間を執筆にあてていたが、夫の励ましを得てフルタイムの作家となった。一番の趣味は旅行で、メキシコ、中国、香港……と、取材をかねてさまざまな国を訪れている。

解説

 苦労してキーリーを育ててくれた最愛の母が再婚した。相手は、母がハウスキーパーをしていた屋敷の主。思いがけないシンデレラ・ストーリーにキーリーは喜ぶが、幸せに輝いているはずの母の顔が浮かない。聞くと、再婚相手の息子が“財産めあてに父を誘惑した”と母を責め、小切手を持たせて追い出そうとしたというのだ! キーリーは憤慨した。許せないわ、そのタラントという息子――。オフィスに乗り込んだ彼女を迎えたのは、長身のハンサムな男だった。「きみがあの禿鷹の娘か? 母親が言うとおりの美人じゃないか」傲慢な笑みを浮かべ、無遠慮に彼女の体をながめまわす。気づくと、キーリーの手が音をたててタラントの頬を打っていた。
 ■ハーレクイン・イマージュは、おかげさまで2200号を迎えました。記念号として、ジェシカ・スティールによる1984年の未邦訳作品をお届けします。作家からのメッセージと併せてお楽しみください。

抄録

 「化粧をした顔も素顔も、どちらもきれいな女性はめったにいない。キーリー、君はそういう数少ない女性の一人だ」
 「そうなら……」キーリーはまだ驚きながらも、精一杯明るく言った。「私が百パーセント嘘のかたまりではないってことじゃない? あなたは固くそう思っているようだけれど」そこをわからせられれば、説きつける糸口ができる。
 でも、失言だった! タラントの口がよじれるのを見たとたんにわかった。
 「そこがどこか見つけてごらんという誘いのように聞こえたが」
 キーリーはぎょっとし、あわててソファーから立とうとしたが、タラントはソファーの背もたれに置いていた右の腕をキーリーの肩にまわし、ぐいと引き寄せた。
 彼の頭が近づいてくる。やめてと叫びたくても、声をあげる暇もなかった。タラントの口がキーリーの口をふさいだ。
 「思ったのだけれど……」タラントの口が離れるとキーリーは言ったが、すぐに彼がさえぎった。
 「君が思ったことを聞くのはあとでいい」
 つまり彼はキーリーの心によぎったことなどまったく興味がないということだ。彼が興味があるのはべつのこと!
 「それより、君はすごく居心地が悪そうだ」
 タラントはいきなりキーリーの足を床からすくい上げた。はっと思ったときにはキーリーはソファーに仰向けにされていた。ローブの前が開いて、あえて脱がなかったレースの下着があらわになった。
 「なんと慎み深い!」
 タラントは皮肉たっぷりに言ったかと思うと、自分もソファーに横になった。
 彼の体が隣に。二人を隔てているのは二枚のタオル地だけ。これは過激すぎるわ! キーリーの身も心も悲鳴をあげた。一秒前には座っていたのがいまは仰向け。もっと早く逆らわなければいけなかったのに遅すぎた。
 タラントの大きな手が、キーリーが着ている大きすぎるローブのタオル地の下にすべり込み、裸の肩をつかんだ。キーリーは抗議の声をあげようとしたが、出かかった言葉を彼の口が押しつぶした。唇を重ねたまま、彼の愛撫の手が肩と胸のあいだを動く。
 いまならまだ彼を止められるとキーリーの心の半分は思い、もう半分はべつのことを思った。きっとまだ十時半になっていないわ!
 タラントのキスが深くなると、みぞおちのあたりで何かが起こり、キーリーは怖くなった。さらに困ったことに、彼がさらに体を押しつけ、脚を絡めると、意思とは関係なく痙攣の発作でも起こしたようにびくんと体がそり返った。キーリーは本能的に彼から離れようとした。
 大変。もっと体を触れ合わせたがっていると思われたら大変。
 「君はホットなんだな、キーリー」タラントが重ねていた唇を離してささやき、唇を耳の後ろの感じやすいところへ這わせた。キーリーはどうにかなりそうになったが、彼がまた言った。「だが、急ぐことはない。夜は長いのだから」
 その言葉が救いになった。どうやらタラントは焦って体を求めるつもりはないようだ。
 それならばと、キーリーは意図的に体を動かし始めた。あと三十分くらいこうしていれば、彼がインチブルックに戻るには遅すぎる時間になる。そうしたら冷ややかにこう言ってやるのだ。「残念でした。エイプリル・フールよ」
 キーリーはローブが開かないように前を両手でしっかり押さえていたのをやめた。
 「あなたの言うとおり、夜は長いわ」キーリーは本心を暴露しないように目を伏せたままささやき、タラントの広い背中に両腕をまわした。「キスして」
 賢い策だわ。キーリーは微笑を浮かべた。
 じきに計算が狂い始めたことに、キーリーはしばらく気づかなかった。キスなら経験があったし、節度あるキスは楽しかった。キーリーは自分がこのシチュエーションをリードしていると思っていた。タラントのことなど大嫌いだし、彼のキスで何かが起きるはずがなかった。適当に時間が経ったら、じゃ、さようなら、とかっこよく言うつもりだった。だが突然、キーリーはこれまで感じたことのない不思議な血のざわめきを覚えた。
 あとで思えば、それはキーリーがタラントの体に腕をまわしたときから始まったようだった。そして彼のキスが変わった。彼はやさしく唇を重ねると少しずつキーリーを情熱に引き込んでいった。
 キーリーは機械的に応じているつもりだった。三十分のたわむれ。少しはそれらしく応じないと、タラントに怪しまれてしまう。
 タラントの愛撫の手が肩から胸にすべらされた。キーリーはどきりとし、彼の背中にまわした腕を思わず硬直させた。
 タラントの灰色の目がキーリーの目をのぞき込む。キーリーははっとした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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