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楽園の秘め事

楽園の秘め事


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・メイザー(Anne Mather)
 イングランド北部の町に生まれる。息子と娘、二人のかわいい孫がいる。自分が読みたいと思うような物語を書く、というのが彼女の信念である。ハーレクイン・ロマンスに登場する前から作家として活躍していたが、このシリーズによって、一躍国際的な名声を得た。

解説

 ある日突然レイチェルは、父親からカリブ海の島へ行くように頼まれた。家を飛び出した母親を捜してほしいというのだ。やむなく仕事の休暇を取って常夏の島を訪れたレイチェルは、宿泊先のホテルで危険な魅力を漂わせた男性マットに出会った。純真無垢なレイチェルは彼に抗いようもなく惹かれてしまう。彼は島の大地主にしてホテルのオーナーでもあるブロディ家の長男で、母が会いに来たはずの相手だ。いったいこの男性は母とどういう関係なのだろうか? レイチェルの疑念は深まるばかりで……。
 ■行方不明の母親を捜してカリブ海の美しい島を訪れたヒロインを待ち受けていた衝撃の事実とは?

抄録

 レイチェルは、これ幸いと目の前のマフィンを半分に割った。と同時に、その香りに思わず唾がこみあげる。わざわざ彼を誘った理由も忘れてしまいそうだ。歯ごたえのあるナッツ、メープルシロップ、バターたっぷりのふわふわのスポンジ。最高だわ。
 どう話を切り出そうかと考えつつ、レイチェルはマフィンをかじった。そして、コーヒーにクリームを注ぎ入れて飲んだ。さすがマットが保証するだけのことはある。カフェインのおかげで勇気もわいた。
「自分について話してほしい」
 一瞬、いまの言葉は自分が口にしたものだとレイチェルは思った。だが、実際には彼女ではなく、マットだった。
「レイチェル・クレイボーンについて話してほしい」彼女の顔によぎる表情を見つめながら、マットは繰りかえした。「イギリスで何かしているのか? 仕事を?」
「あいにく悠々自適の生活ではないわ」レイチェルはいやみっぽく言ってから、ぞんざいな態度をとってもいいことはないと気づいた。「その……新聞社で働いているの」
 マットは興味を示した。「記者なのか?」矢継ぎ早に尋ねる。「それとも……僕も名前を知っている人気コラムニストとか?」
 レイチェルは思わず苦笑すると、首を振って言った。「そんなに華やかな仕事ではないわ。『チングフォード・ヘラルド』という新聞よ。ほとんど広告収入で成り立っている地元紙。そこの広報部で働いているの。パソコンの操作や電話の応対、勧誘もやるわ」
「勧誘?」マットはゆっくり問いかえすと、コーヒーを味わってからにやりとした。「そう聞いても驚かないのはなぜだろう」
 レイチェルは唇を結んだ。「広告の勧誘よ」澄ました口調で言い直しながら、彼の口が引きつるのに気づく。「こう見ても得意なのよ」
「そうだろうな」マットの視線が彼女の口もとに下りた。「信じるよ」
 からかわれているのはわかっていたが、軽く受け流すことはできなかった。「いいえ、信じていないわ」彼女は憤然と言いかえした。「どうせばかにしているんでしょう。私が仕事を得たのは上司に気に入られたからだと思っているんじゃない?」
「違う」彼はうめいた。「そんなことは言っていない。きみは男に対して偏見を持っている。なぜだ? つまらない男に騙されたことでもあるのか?」
 レイチェルは息をのんで腰を浮かしたが、マットの手がさっと伸びてきて手首をつかんだ。思いのほかひんやりした手は有無を言わせず、その力は腕まで伝わってきた。
「落ち着くんだ」彼は命じた。ありがたいことに、テラスにはほかに客がいなかった。「きみは外見のことを言われるたびに過剰に反応する。僕がそう考えるのも無理はないだろう?」彼はかぶりを振った。「きみがどう思おうが、これだけは言っておこう。きみは美しい、レイチェル。そして、実力だけで責任のある仕事をしている美しい女性を、僕はおおぜい見てきた」
 レイチェルは自分が恥ずかしくなった。「そうでしょうね」どうにか平静を装おうと小声でつぶやく。しかし困ったことに、彼を意識するだけで下腹部が燃えるように熱くなった。
「自分で判断することは大事だ」マットは厳しい口調で言った。「だが、地球はきみの考えを中心に回っているわけではない」
 レイチェルは必死に手首を振りほどいた。「そんなふうには思っていないわ」否定しながら、感覚の戻ってきた腕をこする。「またあなたを怒らせたのなら謝るわ、ミスター・ブロディ」彼女は勢いよく椅子を引いた。「もう帰ったほうが、お互いのためだと思うけど」
「レイチェル」
 だが、立ちあがると同時にマットに行く手を阻まれた。レイチェルはくるりと向きを変え、大あわてで別の出口を見つけて急いだ。マットが追ってくる。足音が木の板に響いた。腰を抱きとめられると、彼女はパニックに陥った。
 抱き寄せられて、狂ったように彼の腕をたたく。
「いいかげんにしろ」マットの忍耐ももはや限界だった。「僕がきみに何をすると思っているんだ?」
「知るわけないでしょう?」レイチェルはなりふり構わず言いかえした。いつも冷静だったはずの私はどこへいってしまったの? だが、彼の手が触れたとたんに理性は残らず吹き飛んだ。
 肩ごしに振りかえり、欲望にきらめく彼の目を見るなり口がからからに乾いた。
「放して……」彼女は言ったが、本当にそう思っているかどうかは自信がなかった。彼の感触、香り、圧倒的な男らしさに包まれて、いままで感じたことのない欲求がじわじわとこみあげる。そして彼の唇がうなじをかすめると、炎が全身に燃え広がった。
 彼の手が腰へ動くと、レイチェルはたしかにためらいを感じとった。さらに抱き寄せるつもり? それとも押しやるの? ふいに息を吸いこむと、マットの手が止まった。体中の神経がキスを求めてざわめいている。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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