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きまじめな誘惑

きまじめな誘惑


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー シリーズ: バックホーン・ブラザーズ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ローリー・フォスター(Lori Foster)
 愛に対する確固たる信念をセクシーな作風と切れ味のいい文章で表現し、読者の支持を得ている。高校時代からの恋人である夫と三人の息子とともにアメリカのオハイオ州に住んでいる。小説を書くのは大好きだが、いちばん大切なのは、どんなときも家族だと言う。

解説

 大学生エリザベスは、とある新聞記事に興味をもった。危険を顧みず、水難事故から母子を救った男性の話は、研究論文のテーマ“英雄論”にぴったりだ。さっそくその英雄ゲイブに会って詳しい話を聞くため、エリザベスは夏休みを兼ね、ケンタッキー州を訪れた。だがゲイブは、想像とはまるで違うプレイボーイ。しかも、インタビューさせてほしいと彼女が頼むと、セクシーな笑みを浮かべ、とんでもないことを言いだした。「質問1回につき、キス1回。それが条件だ」

抄録

「英雄的行為なんかじゃないさ。だが、そうだね、飛びこんで、できる範囲のことをしたのは本能的だったかな」
「自分の身に降りかかる危険は考えなかったの?」
 ほら、僕を見て。上半身裸の僕が君の前に寝そべっているんだぞ。エリザベスが自分の体に一度も注意を向けていないのは、わかっていた。これまでずっと彼女から目を離さなかったからだ。高まった僕の姿を見たとき、エリザベスはどんな反応をするだろう? そう思いながら待ちかまえていた。けれども彼女はほとんど気づいたようすもなく、ただ、とがめるような表情を見せただけだった。
 このばかげた英雄話にのめりこんでいるエリザベスに、ゲイブはいらだった。僕はほかの男と同じ、一人の男だ。ところが明らかにその事実は彼女の興味を引かないらしい。そう思ってはいけないのはわかっていたが、ゲイブは彼女に関心を示してほしかった。エリザベスを見つめていると、彼女が好みのタイプでないことも、彼女の考えなどどうでもいいことも、今日ここへ来たのはただの時間つぶしで、ちょっと楽しむだけのつもりだったことも忘れた。
 ゲイブの男らしさにまるで気づかない女性というのは初めてで、なんとも気にくわない状況だった。
 実際、ゲイブは我慢できなかった。
「それは別の質問だな。質問は一つだと言っただろう」
「でも……」
「新たに取り引きをしてもいい」どちらに転んでもたいした問題ではないと言わんばかりにゲイブは目を閉じた。そのあとの静寂は、肌で感じられるほどだった。桟橋が少し揺れたのは、彼女が動いたからだろう。ゲイブは息をつめて待った。
 ついにエリザベスが口を開いた。「いいわ、どんな取り引き?」
 ゲイブは目を開け、エリザベスをじっと見た。胸が高鳴り、筋肉が引きつった。「別の質問にも答えよう――キスとひきかえに」
 まったく信じられないというように、エリザベスはゲイブを見つめてまばたきをした。先端が金色に輝く長いまつげがゆっくりと上下する。「キス?」
「そう」ゲイブは自分の唇を指さした。エリザベスの顔に視線を据えたまま、じっくり彼女を観察する。重苦しい期待に、ゲイブの血が騒いだ。「ここに、今すぐ。質問一つにつき、キス一回」
 エリザベスがまた身じろぎをした。湖は静まり返り、聞こえてくるのは、牛の鳴き声と岸で跳ねた蛙の小さな水音だけだ。エリザベスは唇を噛んだ――しっとりした官能的な唇を。彼女はきらめく瞳でまっすぐゲイブの顔を見つめ、深く息を吸いこんだ。胸がふくらみ、体に張りついた水着がはちきれんばかりになる。
「もし……」エリザベスはささやくように言った。声がつまり、咳払いをして、先を続ける。「もし二回キスをしたら、どうなるの?」

 少なくとも今日はきれいに髭を剃っているわ。エリザベスはゲイブの顔をじっと見ながら考えた。ゲイブの瞳が輝き、熱をおびる。彼女の頭のてっぺんから足の先まで緊張が走った。ゲイブの贅肉のない筋肉質の体を見てみたい。その思いを抑え、エリザベスは気の遠くなるほどの努力をして、視線を彼の顔にとどめた。これほど魅力的な男性は――しかも、これほど腹立たしくなる男性は初めてだ。
 かすれた声でゲイブが尋ねた。「キスを二回だって?」
 それ以上になったら、私は岸に向かって駆け出してしまうわ。ゲイブの熱っぽいまなざしにエリザベスはたえられなかった。視線で体をなでられる感じがして、胸が重くなり、下腹部に引きつるような、なんとも言いようのない心地よいうずきを感じる。いったいなにが目的で、ゲイブはこんな態度をとるのだろう? ゲイブが本気で私に惹かれているとは、とても考えられない。第一、男性が私にこれほどの興味を示すことはない。そもそも大部分の男性は、私など目に入らないようだった。それに、最初に会ったときのゲイブの反応はよく覚えている。ガブリエル・キャスパーは私のことを、おもしろくて、うるさい、まったく魅力のない女だと思ったはずだ。
 おそらくゲイブは私を脅かしたいだけなのだ。それなら話はわかる。エリザベスはごくりと唾をのみ、負けてなるものかと思った。どうしてもゲイブの情報が欲しい。どのような特別な資質があれば、男女を問わずに勇者たりうるのか、それを理解する手立てとなる情報が。
 ゲイブが口元を震わせた。男らしく引きしまった官能的な唇だ。「二回のキスだと、質問は二つだ。十回のキスなら、十の質問。でも、わかってほしいな、リジー。僕だって男だ。僕が紳士的にふるまえるのは……キスまでだよ」彼は顔を少しエリザベスの方に向けて声を落とした。「どうだい?」
 エリザベスは身を硬くした。私のキスでゲイブが自制心を失うかもしれないということ? ありえないわ! 彼女は勇気を奮い起こして尋ねた。「どうしてこんなことをするの?」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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