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君がいるあの場所ヘ

君がいるあの場所ヘ


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンゼイ・アームストロング(Lindsay Armstrong)
 南アフリカ生まれ。現在はニュージーランド生まれの夫と五人の子供たちとともに、オーストラリアで暮らす。オーストラリアのほとんどの州に住んだことがあり、農場経営や馬の調教など、普通では経験できない職業を経てきた。彼女の作品にはその体験が大いに生かされている。

解説

 帰宅して居間のドアを開けた瞬間、エリーは凍りついた。ブレット! いつ戻ってきたの? ブレットは、エリーの亡き恋人の親友だ。十一年前に恋人トムを事故で失ったとき、エリーは度重なる試練に追いつめられ、途方に暮れていた。そんなエリーに手を差し伸べてくれたのがブレットだった。“僕の家を提供し、経済的支援をしよう”信じ難い提案だったが、エリーは受け入れるしかなかった。そして今、医者としての長期出張を終えブレットは帰ってきた。またしても信じられないような提案をたずさえて……。

抄録

 エリーはワインにむせそうになり、傷ついた目でブレットを見たあと、落ち着きを取り戻した。
「つまり――」立ち上がり、威厳をもって言う。「シャンタル・ジョーンズに掃除婦と間違えられたうえ、うちの息子とビデオゲームをしに行った男性に自分と結婚すれば不自由させないと言われるのは、すごく不愉快だという意味よ」
「意味はわかっているよ。こう言えば役に立つかな?」ブレットも立ち上がって、エリーの花模様の短パンにたくし込まれた白いブラウスを上から下まで見た。「君があんなに落ち着いた有能な看護師になっていた間、僕は君をベッドに引き込んでその冷静さを奪いたい衝動をかろうじて抑えていた」
 エリーは耳を疑って、口を開けた。
「そう驚いた顔をしないで。君はとても優しかった。しかも」ブレットは彼女のウエストに両手を置いた。「この細い体には優しさがつまっている。それを忘れることができない」
 エリーは何か言おうとしたが言葉が出なかった。
「それから、君の香り」
「香水はつけないわ。くしゃみが出るから」
 ブレットはほほえんだ。「だからいいんだ。清楚でさわやかで、素のままの君で。それから、その髪がカールしている様子も」ブレットがちょっと黙ったとき、エリーは額に彼の息を感じた。彼は続けた。「ほらね、今日は君にぞっこんの男が二人現れた。僕ならまさにロマンチックだと言うだろうね」
「ブレット。もし私をおだてるつもりなら――」
「全然」ブレットは両手を彼女の胸の下までずり上げて反応を見守った。
 彼のベッドに引き込まれる光景が頭に浮かび、エリーは身を震わせてその映像と闘った。だが彼の手から伝わるぴりぴりした感覚と、じっと問いかける灰色の目が抵抗力を弱める。体はまるで自分の意思を持っていて、ブレット・スペンサーの下でなんとしても溶けるつもりでいるようだ。長身でたくましく、彼女が誰よりも求める男の下で。
 エリーは息をのんで、欲望を抑えようとした。だが、ブレットの親指がコットンのブラウスの上から固くなった胸の先端に熱く悩ましい感覚を送り込む。エリーはまた息をのんだ。今度は喜びからだった。
「エリー?」ブレットは優しい声で言い、キスできるように、同時に自分も影響を受けていることを示すために、エリーを引き寄せた。
 二人がようやく離れたとき、彼女の心臓は激しく打っていた。ブレットの抱擁が感じさせたもので、エリーは輝くばかりに活気づいた。ブレットが駆使する技巧を堪能し足りないような気がした。敏感な場所に触れる手、これでいいかい? そう問いかける目、口だけでなく喉元の柔らかいくぼみにキスする唇、あっという間に狂おしいほどの欲望の世界へと彼女を導くやり方を……。
 エリーを救ったのはサイモンだった。といっても助けを求めていたことを認めるには、しばらくかかった。しかし二人が息を吸うために離れたとたん、サイモンの部屋のドアが開くのが聞こえた。エリーの母性本能が瞬時に目を覚ました。サイモンが客間に入ってきたときは、彼女は椅子にくつろいで、できるだけ平常どおりに見せようとしていた。
「何しているの?」サイモンは眠そうに目をこすりながらきいた。少年の髪は頭上で立ち、パジャマの上着はボタンがかけ違っている。
「たいしたことじゃない」ブレットは暗い庭を眺めていた出窓から振り返った。「眠れないのか?」
 サイモンは顔をしかめた。「スケートボードの夢を見ていた。ママ、僕がお小遣いをもらうための雑用をしばらくただでしたら、スケートボードを買うお金ができる?」
 エリーは口を開けたが、ブレットが先に答えた。「小遣いをためて自分で買うほうがいいよ」
「それじゃ何年もかかるよ! 買えるころには白髪のおじいさんになってしまう」
「そうかな」ブレットはおかしそうな顔をした。「それに君の収入を増やす方法がひとつある。僕の車を週に一度洗ってもいいよ」
「運転も教えてくれる?」
「いけません!」
「ママの言うとおりだ。君にはまだ早すぎる」
「ありがとう」エリーはやや悔しそうに言った。
 サイモンは母親を見てブレットに目を戻した。「いくらくれる?」
 ブレットは金額を言った。サイモンは暗算していたが、ある程度満足したらしく肩をすくめた。「それでもしばらくかかるけど、ママが考えているより短くなりそうだ。それとも、おじさんがお金を貸してくれる? 利子をつけて返すから」
「サイモン!」エリーはたしなめた。
「いや。健全な財政運用の第一の原則は、できるだけ借金をしないことだよ」
「ま、いいか。少なくともこれで眠れそうだ」サイモンはそう言うなり、寝室に戻っていった。
 息子の部屋のドアが閉まるのを待って、エリーはブレットに言った。「なんでよけいなことを言うの? そもそもスケートボードを買ってやっていいものか疑問に思っているのに!」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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