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赤いセンセーション

赤いセンセーション


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供をもうけた。就寝前の子供たちにベッドで読み聞かせるために物語を書きはじめる。ロマンス小説家としてのデビューは1987年、その後数多くの名作を世に送る。2009年5月、ファンや作家仲間に惜しまれつつ亡くなった。

解説

 ■華やかな外見とは逆に純真なアニー。けれど男は彼女を妖婦と呼ぶ。
 ■十歳のとき両親を交通事故で失ったアニーは、独身の伯母に引き取られ、厳しく育てられた。まるでアニーの中に埋もれている華の部分を嗅ぎ取ったように、来る日も来る日も地味な格好ばかりさせる伯母。逆らえば、寒く冷えきった狭い部屋が待っている。アニーは自分を押し殺し、ひたすら伯母の教えに従った。だがそれも伯母の死まで。その日を境にアニーは蝶に変身した。華やかなアニーに呼び寄せられるように男たちが寄ってくる。ダニエルも彼女に魅せられたが、この手の女の怖さは承知していた。だがパーティの夜、アニーにいきなりキスされ、欲望に火がついた。一方アニーは、人違いだったとは言えず、走り去ったが……。

抄録

 いくつか誤解があるのは確かだ。その一つがあの夜のこと。でもそれだって考えてみれば、胸に飛び込んでキスをしたあとで、人違いだと気づいて逃げ出しただけ。良心のある人なら根に持ったりはしないだろう。彼の心を傷つけたわけでもないのだから。
 いつまでもダニエルに反感を持たれたくはない。けれど誤解が解けてしまったら、顔を合わせるたびに張りつめるあの熱い緊張感までも消えてしまいそうな気がする。
 誤解が解ければ、二人の間には何も残らないのだろうか? 別の新しい関係が始まる可能性はないのだろうか?
 ダニエルと何かを築いていけたらいいのに。突然そんな思いが込み上げ、アニーの胸の奥深くに鋭い痛みが走った。わたしったら、何をばかなことを考えているのだろう。
 ダニエルが選ぶのは上品で美しい上流階級のお嬢さまのはず。わたしのような女が選ばれるわけがない。こんなにワイルドな髪をした、派手な服を着た女が。
 アニーはため息をつき、ワイパーのリズミカルな動きを見つめた。ふといぶかしげに彼を見る。うっかり物思いにふけっていたけれど、駐車場所を探すだけなのにどうしてこれほど手間取っているのかしら?
 車は坂道に差しかかっていた。激しい雨の中、ヘッドライトが狭い道を照らし出している。「いったいどこへ向かっているの?」車は慎重に急カーブを曲がり、いちだんと狭く傾斜もきつい小道へと進んでいく。道の両脇に茂る灌木が雨の重みでたわみ、車のサイドをこする。
 「落ち着いて。もうすぐだ」
 答えになっていなかった。助手席からそっと顔をうかがう。集中しているせいかダニエルの表情はずいぶん険しかった。「話があると言わなかった?」アニーはおずおずと声をかけた。「今じゃだめなの? 何も話そうとしないけれど」
 車が停まった。ヘッドライトに、草木に包まれた小さな石造りのコテージが浮かび上がる。ダニエルがライトを消し、エンジンを切った。闇の中に激しい雨音だけが響き渡る。アニーの心臓が突然、不安に激しく打ちはじめた。
 ダニエルはどこからか懐中電灯を取り出し、スイッチを入れた。「足元が悪くてすまないが、走らなきゃならない。僕が後ろから懐中電灯で照らすから。足元さえ気をつけていれば大丈夫だ」
 「どうして走るの?」アニーは胸の前で腕を組んだ。どこへも行くつもりはなかった。ここから一歩も動きたくない。
 「もちろん、コテージに入るんだよ」その声にはいらだちがにじみ出ていた。「車で一晩過ごすつもりはないからね」
 一晩? 泊まるということ?
 「冗談はよして!」不信感で声が険しくなる。恐怖のせいか興奮のせいかはわからないが、アニーの体を戦慄が走り抜け、胃が痛み出した。「冗談にしたって、全然おもしろくないわ」
 「冗談のつもりはない」ダニエルは後部座席に手を伸ばし、旅行鞄を取り出した。「僕たちは合意のうえで、一夜を共にするために隠れ家にやってきた。欲望を満たすためにね」
 「いい加減なこと言わないで!」怒りで声が震える。いったい、わたしをどんな女だと思っているわけ? キスをするたびに大胆にこたえたから? すぐに誘いに乗る女だと思ったの?
 アニーは怖くなった。ダニエルに迫られたら、わたしの恥知らずな体はきっと喜んで応じてしまうにちがいない。
 でも、一夜の遊び相手になんてなりたくない!
 「もちろん、そう見せかけるだけだ。マークは僕たちが一晩語り明かしたとは信じないだろう」ダニエルはキーを抜き、ポケットに入れた。「来ないのかい? なんなら抱いていってもいいが」そう言って車から出て、助手席のドアを開ける。
 アニーは顎をつんと上げた。マークには恋人に見せかけるために家に来てくれと言われ、今度はマークにふしだらな女だと思わせるためにダニエルに誘拐されるだなんて!
 アニーは車から土砂降りの雨の中に出た。もうダニエルと一緒に行くのを怖がる必要はない。彼はわたしに欲望を抱いたわけではないのだから。さっきの言葉はそういう意味だろう。
 「むりやりマークをイーニッドと結婚させるなんてできないのよ」雨に打たれながら、少し落ち着きを取り戻した声でアニーは言った。「家に連れてくる女性は片っ端から引き離すの? あなたにマークの人生を支配する権利はないわ」
 「マークは家に女性を連れては来ない。ガールフレンドとの関係は家族に秘密にするたちだ」
 ダニエルがコテージの鍵を開けた。アニーは一瞬ためらいながらも中に足を踏み入れた。二人ともすっかりびしょ濡れだった。ダニエルが頭上の明かりをつけたときには、床に敷かれたココやし材のマットに水滴がしたたり落ちていた。
 「君を家に連れてきたということは、いつもの遊び相手とは違って、本気だということだろう。僕はマークに君のような女とかかわり合ってほしくない」
 君のような女ですって! なんて傲慢な言い方!
 「彼とはそんな関係じゃないわ!」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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