マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

憎いのに恋しくて 誘惑された花嫁 II

憎いのに恋しくて 誘惑された花嫁 II


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・ディザイア シリーズ: 誘惑された花嫁
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 マヤ・バンクス(Maya Banks)
 幼いころからロマンスを愛読し、作家になることを夢見ていた。十代になると毎日ノートを持ち歩き、想像のふくらむまま過激な愛と情熱の物語を書き続けるようになる。現在の話はそのときのものほど過激ではないが、ロマンティックという点では引けを取らない。現在は夫と三人の子供とともにテキサスで暮らしている。狩猟や釣り、ポーカーを好む。

解説

 ケリーは仕事先のカフェで大富豪ライアンと出会ってひと目で恋におち、すぐに一緒に暮らし始めた。だが、幸せな日々は長くは続かなかった。二人を引き裂くおぞましい陰謀――ケリーは彼の弟に襲われたのだ! すんでのところで逃げ出し、愛する男性のもとへ向かった彼女をライアンは憎々しげに罵倒した。そして一方的に、婚約破棄を宣言した。彼女の言葉に耳を貸そうともせず、手切れ金だという小切手を投げつけて。なぜ私を信じてくれないの?! ケリーは絶望し、彼の前から姿を消すが……。

 ■身分違いの結婚を阻むべく仕組まれた卑劣な罠に、まんまとはまってしまったヒロイン。もう二度と会うことはないと思っていたのに、半年後、愛しい男性は彼女の前に再び現れて……。

抄録

 ライアンは椅子の背を片手でつかみ、もう一方の手を髪に通した。「すまない」
「食欲がなくなっちゃったわ」ケリーはにべもなく言うと椅子から離れた。
「ケリー、だめだ」ライアンは止めた。「ちゃんと食べないと。あんな雌猫に僕らのランチを台なしにさせてはいけない」
 ケリーは怒りに唇を引き結んだ。「あの雌猫は私たちのことをものすごくよく知っているようね」
 ケリーはテーブルに背を向け、レストランの出入り口に向かって大股で歩いていった。ロビーに出、長い廊下を歩いてスイートに向かう。腹立たしげにドアのロックにカードを突っこみ、ライトがすぐに緑色に光らないことに毒づいた。再びカードを差し入れ、しゅっと音がしてからハンドルを引いた。
 部屋に入ってドアにかんぬきをかけ、自分の寝室に入った。ベッドの端にちょこんと腰かける。遠くでノックの音が聞こえ、ライアンの怒声がした。
 あまりにも頭に来ていたケリーには、彼が中に入るためにわざわざパティオのガラス戸まで迂回しなければならないことなんて、どうでもよかった。
 もうまっぴら……こんな茶番――今回はどう呼べばいいかもわからない。もうなんだっていいから抜け出したい。
 ライアンとその弟から屈辱を受けるだけでたくさんなのに、どこかの頭が空っぽのおばかさんにも耐えなければならないなんて。まとめて地獄に堕ちてほしい。
 寝室のドアが勢いよく開き、はっと顔を上げると、いきり立ったライアンがいた。怒っているのは彼だけではない。私だって引き下がるつもりはない。ケリーは立ち上がり、真っ向から彼と向かい合った。
「ケリー、いったいどうしたというんだ。こんな極端なことをするなんて君らしくない。僕を締め出してどうするつもりだ? 僕らの問題から目をそむけても、それが消えてなくなるわけじゃない」
「私らしくないなんて、どうしてわかるのよ?」ケリーは噛みついた。「あなたは私のことをぜんぜん知らなかったようね」
 彼の目が光った。そしてうなずいた。「それは確かに事実だな」
 当てこすりにかっとなったケリーは、彼に冷たい視線を据えた。「ここを出たいわ。いまから取れるいちばん早いフライトを予約して。こんなのばかげてる。時間の無駄よ。私たちがうまくいくことなんて絶対にないわ」
 彼は毒づき、ケリーのすぐ前に立って両肩をつかんだ。「僕らは同意したんだ。一週間をともに過ごして、過去を忘れると」
 ケリーは信じられない思いで呆然と彼を見つめた。「あのレストランでの惨事を見てなかったの? あの人はあなたから聞かずにどうやって私や私たちの関係を詳しく知るというの? あなたの下品なお友達がせっせと思い出させてくれるのに、どうやって過去を忘れろというの?」
「君について彼女に話したことは一度もない」
「だったら彼女があれだけ知ってるなんて驚きね」
「君が僕をろくに信頼してくれないのはどうしてだ?“僕が君を”裏切ったわけじゃない」
 ケリーはたじろいだ。つねに問題はここに戻ってくる。彼が、私が裏切ったと信じこみ、ほかの可能性を拒絶したという事実に。
 ケリーは彼に背を向けて、沸き上がる憤怒を抑えようとした。体を震わせ、怒りにまかせて怒鳴りたい気持ちを抑えつける。
 ケリーは不意に振り向かせられた。彼は両手でケリーの顔をはさみ、唇を押しつけてきた。ケリーは体のあいだに自分の手を割りこませて彼の胸を押したが、彼の腕がしっかりと背中にまわされ、さらに引き寄せられた。
 彼のキスがやさしくなり、探るような動きになると、ケリーの喉から低いうめきが漏れた。彼はベッドの端へ移動して、唇のゆっくりとした動きを止めずに、ケリーをマットレスに横たえた。「頼む、ケリー。しばらくのあいだ何も言わないでくれ。言葉は無用だ。お互いを傷つけずに話をするのはどうも無理なようだ。だから、ほんのしばらくのあいだだけ、話をせずに伝え合おう」
 ケリーは彼の目を見つめ、表情を観察した。あれだけ傷つけられ、不信の念をつのらせた相手なのに、どうしてこんなに欲しいのだろう。彼の指先が頬をたどる。ケリーは目を閉じて彼の手の中に頬をすり寄せた。
 もし愛の営みを許したらどうなる? それってそんなに悪いこと? それとも、私に対する低い評価を立証するだけ?
 そう考えたとき、バケツ一杯の氷水を浴びせられたかのように、彼に身をゆだねたいという欲望が静まった。ケリーの気持ちが萎えたのを感じたに違いない。彼は体を引いてとまどい顔でケリーを見ている。
「こんなこと、できないわ」ケリーはベッドの上で急いで体を起こした。「あなたが私をどう考えているかわかっているのに」
 ケリーは身を守るように胸を抱き、しわくちゃの上掛けの上に座って、注意深く彼を見つめた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。